花間の高手

きりしま つかさ

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第0091話 年上女は金運をもたらす

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汗、これらの金持ちの娘たちは本当に腹立たしいわね。

秋羽が内心で愚痴をこぼしながら淡々と云う。

「そうか……雲香、ここに着いたわ。

車は門前で止めておいて」と。

法ラリが林家別荘の外側に滑り込み、静かに駐車する。

楚雲香は驚きの目でその豪邸を見上げ、「えっ、あなたはここで住んでるんですか?」

と訊ねた。

「はい」秋羽は口答えした。

楚雲香が眉をひそめ、「あなたの家は本当に裕福そうですね。

富二代か官二代ならまだしも、『一文にも持っていない』と言ったのはどういうことですか?」

秋羽は笑みながら返す。

「誤解しないでください。

私はここで借りているだけです。

私は決して金持ちではありません……」と反問するように、「あなたはがっかりしたでしょう?」

その言葉に楚雲香の顔色が和らいだ。

「がっかりなどとは……もし本当に富二代か官二代なら私ががっかりしますわ。

現代の豪族の息子たちは良いものを持ちません。

ただ飲食賭博で遊ぶだけです。

煩いでしょう?旦那を選ぶなら貧乏な若者の方が安心できます」

秋羽は笑って、「あなた自身も富二代ですよ。

それとも良いものではありませんか?」

楚雲香が一瞬驚き、すぐに頬を膨らませて返す。

「そんなの!私は女の子よ」

秋羽が意地悪に挑発するように「ふーん、現代は男女平等ですから……」

「この野郎!わざと私と喧嘩売ってるの?見ろここだ!楚雲香は急に振り向き、白い腕を伸ばして秋羽を胸に抱きしめた。

芳香する朱唇が正確に彼の唇に重なる。

「えっ、強制キスですか?秋羽は驚いて声を上げた。

柔らかな唇が上唇を捕まえると混乱したように云う。

「離せ……」

しかし言葉も出る前に、温かい舌が隙間から侵入し、彼の舌に絡みつきながら甘い息を吹きかけてくる。

「天!こんな好事業があるなんて。

ならば受け入れてやろう。

それに前回もキスしたんだもの、私の初吻はあなたに献上したわ。

今回は構わないわ」

そう考えて秋羽は力強く腕を伸ばし、楚雲香の舌を受け止めながら激しく応戦する。

男女が雷鳴のように激しく唇を合わせる。

しばらくすると楚雲香が息苦しさで離れた。

「臭い野郎!快感だったでしょう?」

秋羽は逆に被害者ヅラをして「あたしは良い子よ……あなたこそ強制キスしたんですわ」

その真実味のない演技に楚雲香は笑み、「まあまあ、前回も同じことしましたもの。

公平になりましたわ」

秋羽が笑う。

「そう云えば……私は帰るわ。

ここは私の家ではないのでご案内できません。

お帰りなさい」

楚雲香が頷く「分かりました……あなたを見送ります」

「では」

秋雨が車から降り、門まで歩きながら振り返って法ラリの楚雲香に手を振ると、隣の側玄関から中に入った。



少年の背中が見えなくなると、楚雲萱はそのドアに視線を凝らし続けた。

先ほどの二人の激しいキスを思い返しながら、彼女は微笑みながらつぶやいた。

「秋羽よ、必ず君を見つけ出すわ。

私の誠意を見せつけよう……私と一緒にいてほしい……」

フェラーリが軽々と方向を変え、憧れの美女少女が車を疾走させた。

別荘内では秋羽が入ると小蓮に出会った。

後者は彼の破れた服を見て驚き、「どうしたの?」

と尋ねた。

「大丈夫よ、自転車で転んだだけさ」と秋羽は平然と言った。

小蓮の目元に悪戯な光が浮かぶ。

「切って、そんな程度じゃあないわ。

誰かと揉み合ったんじゃない?」

「本当だよ、本当に転んだの。

大したことじゃないから心配しないで」と秋羽は言葉を続けた。

彼女が嘘だと悟ると小蓮は唇を尖らせて。

「くどい子ね、顔も赤くないし。

いいわ、どうせ君の些細なことなんて興味ないわ。

お嬢様が薬を持ってきたから、帰ったら煎じてあげるわよ」

「あー……」秋羽は手を叩いてそのことを忘れていたことに気づいた。

「あなたはそれをキッチンに持って行って」



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