花間の高手

きりしま つかさ

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第0195話 第三者

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当夜のチャットは長く、二人の間に尽きることなく「姉の沈黙が全ての答えを代弁する」という言葉が秋羽の心に突然浮かび上がり、知己を得たような感覚を覚えさせた。

その瞬間から姉弟のように呼び合うようになった。

深夜1時過ぎ、相手が寝るよう促すとネット会話は終了し、秋羽はパソコンを閉じながら「あの姉は現実ではどんな人だろうか」と考えていた。

意識も無く眠りに落ちた……

翌朝、細雨が降る中、秋羽が外出しようとした時、夏蘭の姿が階段口に現れた。

「待って」

振り返ると相手も同じ制服を着ていて、女性用のスカートから伸びる白い長い脚が目を引く。

彼女は「この校服すごく似合うよ」と清純な雰囲気を強調し、多くの生徒が嫌悪する理由が分からないと不思議に思う。

夏蘭は普段とは違う穏やかな態度で双肩バッグを背負い、折り畳み傘を持ちながら「雨だからバイクじゃなくて私の車に乗って」と誘う。

秋羽は驚きの表情で「えっ……いいわね」

外に出ると夏蘭が廊下で足を止め、雨が強まる中傘を差し出す。

「保镖の仕事だよ、お前がやれ」

彼女は傘を差しながら笑み、「そうだね」と返し、秋羽は傘を広げて少女の頭上に覆った。

しかし自分の体は外側に立っていた。

夏蘭がちらりと目線を向け「お前も濡れないように中に入ればいいのに……」と頬を染めながら付け加える。

「私の車を汚すんじゃないわよ」

「分かりました」秋羽は傘を高く持ち上げ、自分も中に身を潜めた。

細雨の中、若者の二人が花柄の傘を共に持ち歩く様子はロマンチックだった。

夏蘭は初めて男性と一組の傘を分け合うことに胸騒ぎがし、隣の息遣いを感じて頬が熱くなる。

車に乗った後、夏蘭が運転しながら「昼間のバスケットボール大会も雨で中止になるのかな?」

「午前中に雨がやむかもしれない」秋羽は答えた。

「あの試合おもしろかったね、前の試合で大活躍したんだよね」

「まあまあ普通のレベルだよ」

「今日は勝てる自信がある?」

「できるだけ頑張るけど……不確定要素が多いから分からない」

「それなら一生懸命やるよ。

午後は応援に行くからね。

君がクラスのバスケットボールチームをリーグ戦で優勝させて決勝に進めたら、何かプレゼントがあるんだ」

「何のプレゼント?」

「秘密だよ。

勝ったら話すことにしよう……」

車内には和やかな雰囲気が溢れていた。

二人は会話を続けながら時折笑いを交わし、気づけば江陽第一高校に到着していた。

降りたときには雨が止んでいた。

午後は晴れ間が広がり、バスケットボールの試合が再開された。

今回はリーグ戦で高三五組対八組。

出場選手は秋羽と四大精鋭チームだ。

彼は11番ユニフォームを着て再びコートに立った。

周囲には多くの観客が集まり、背心とミニスカートのセクシーな応援団員たちも駆けつけた。

彼らは支持するチームを称えるために声援を送り、会場は熱気に包まれていた。

五組対八組の試合は間違いなく最も注目を集めていた。

観客数が最多で、みんな秋羽という「バスケットボールの天才」がどれほど凄いか実際に見てみたいと願っていたのだ。

さらに男子たちを興奮させるのは、校内の五大美少女全員がコート周辺に集まっていることだった。

試合開始時には例外なく五組を応援していた。

前回の勝利は秋羽という黒馬によるもので、彼の驚異的なジャンプ力や瞬発力、シュート精度は敵チームを圧倒させた。

その後の練習でチームと息が合ってきたためか、試合が始まった直後から片方のコートが独占状態に。

五組が連続して得点し続け、八組は全く歯向こうもなかった。

秋羽のパフォーマンスは完璧だった。

疲れ知らずにピッチを駆け回り、何度もジャンプシュートで観客から拍手と喝采を浴びていた。

十数分後には20-2という一方的なスコアがついていた。

八組の監督が我慢できずに「タイムアウト」を叫んだ。

この試合は勝ち目がないのは明らかだったが、ここまで惨敗するのは面子にかかわるためだ。

両チームの選手が暫時休憩する間に、秋羽たちがコートサイドに戻ると、すぐさま彼女たちが駆け寄ってきた。

水やタオルを差し出すなど熱心な応援が続いた。

最も羨ましいのは、五大美少女全員が同時に秋羽に近づいてきたことだ。

囁き声で囲み込みながら、この子は汗を拭い、その子は水を渡す。

男子たちの目は釘付けになった。

秋羽は雄次という不良を叩き潰したことで「秋君」と呼ばれる存在だった。

そのため多くの男たちは密かにそう呼んでいたのだ。

バングラ校花の徐洛瑶が秋羽の汗を拭いながら笑顔で言った。

「よくやったね、秋羽。

夜ご飯どう? 外食しようよ」

隣の夏蘭は自分の護衛の顔を見つめ、彼の返答に注意を払っていた。

表情が険しくなってきた。

先日夏蘭と約束した「平日の帰宅時間厳守」を思い出し、秋羽は即座に断った。

「いやだよ、放課後すぐ家に帰らないといけない」

秋羽の拒否を見た夏蘭は笑顔で頬を膨らませ、「まあまあ、素直な子ね」と言いながら、徐洛瑶が「お前は家で何してるんだ? 学習なんて嘘だろ?」

と不満そうに眉をひそめた。



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