吸血鬼を刺殺した

きりしま つかさ

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第0228話 朕はお前を海陸空天下大元帥1文字並び王と封じる!冗談か?!

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一筋の陽光が天に広がる雲を切り裂き、大地へと降り注ぎ始めた。

その光が次第に拡散し、やがて全ての雲が消え去り、晴れ渡った空が現れた。

特殊市長によるこの危機の元凶は、生も地獄もない死を迎えた。

終わりだ!全てが終わった!

伏魔火鳳凰の残燭によって5km四方に広がるゾンビ群は安らぎを手に入れ、通信遮断もその衝撃で復旧した。

各地からの問い合わせが殺到する中、大都督は一瞬顔を見せただけでスタッフに業務を引き継いだ。

「報告!大都督様!長男・次男が来ました!!」

とスタッフが報告すると、大都督は背筋を伸ばし息を吐いた。

彼は確かに小柄な西瓜だが、気勢の良い八字胡を生やしたその姿は煮熟した赤い皮を持つようにも見える。

長男は杖を捨て、一歩ずつひきずるようにして麒麟隊の残兵と共に大都督に膝まずいた。

「父上を救うのが遅れました。

罰せられたいです!」

次男は白蒼く、包帯から滲む血で見る影もない姿で龍組と並んで跪く。

「父よ、痛いのよ!可哀想なのよ!!」

彼ら兄弟の偽りの忠誠心と演技に大都督は腹が立った。

瞬間、彼は二人を蹴り飛ばした。

「父上ー!?」

「お父様ー??」

「連店(れんで)五(ご)、査店(さてん)乞里木(きりむ)互市!!」

と大都督が唾を吐いた瞬間、スタッフが慌てて翻訳した。

「二人は危うく死にかけていました!」

すると大都督は地面に転んだ二人を見もせず、銀時周元たちの方へ向き直り、一変穏やかな表情になった。

「皆さん、ありがとうございます。

人類を救った英雄です!

もし彼らがいなければ、我々は無限の闇の中に葬られていたでしょう。

しかし、英雄の任務はまだ終わっていません——

周元!朕は海陸空天下兵馬大元帥一字並肩王として、貴方に特殊市全武装力を任じる。

全市残存ゾンビ掃討と生存者救済を指揮せよ!」

スタッフが早口で説明する間に、銀時周元たちは驚きの表情を浮かべていた。

すると長谷川という名の無能な人物が飛び出した。

「お前は馬鹿か!」

彼の舌禿(ぜんと)が始まった——

「お前は冗談を言っているのか!

大都督様は一言しか言っていないのに、お前の口から何句にもなったではないか!!」



「全軍を統率すると言ったが、今や何人かの小者も残っていないのか?」

「海陸空天下大元帥並びに一字王よ!古代ではあるまいし、並び王とはなんだ?」

「お前と大都督が冗談を言ってるのか?!」

副墨鏡をかけた長谷川廃材大将は不機嫌な口調で問い詰めた。

知っている者は皆、彼の軟弱者・馬鹿げた振る舞い・見栄えだけの人物だと承知しているが、

知らない者は最初こそ騙されるものだ。

スタッフがその墨鏡男に近づいていく様子を眺めながら。

先ほどの戦闘を思い返せば、この連中は単なる者たちではないと冷汗で髪が湿り切る:

「違います!」

「当然ではありません!」

「私が言っているのは大都督の意図です。

大都督は時々簡潔にしか話さないのです」

「海陸空天下大元帥並びに一字王とは、希望島から古くからの伝統的な虚位なのです……」スタッフが大都督の方を見つめて続けた。

「虚位か?」

廃材大将がつぶやいた。

「虚位でも任務があれば権限は大きいのです」さらに補足した。

「では、大元帥の給与とボーナスはいくらですか?」

廃材大将が手を擦り合わせながら唾液を垂らすように尋ねた。

スタッフ「!!?」

『バチッ!』廃材大将の頭に三笠阿梓から一撃。

「うるさい、廃材大将は黙っていろ!金なんか関係ないんだよ!」

と責した。

「何だと!?」

大将が飛び上がった。

「ただ小哥の権益を主張しているだけだ!なぜ叩くんだ!」

またもや銀時周元が仲直りさせないと終わらない状況。

すると周元は大都督に頭を下げた:

「領命!!」

彼等が去る背中を見ながら、大都督は何かを考えていた。

そして廃人同然の大公子と二公子を見るや、鼻で笑い大都督庁に戻って指揮を執り始めた。

通信復旧後、大都督は各地から軍隊を集結させ、希望島の各地から軍が次々と到着する。

一方周元らは残された軍で全市に救援活動を行いながらゾンビ掃討も行っていた。

救出こそ最優先だ!

「生命とは時間にとって最も尊いものさ」これが希望組の理念だった。

やはり廃材大将は作業しながら愚痴をこぼす:

「おい、小哥、希望組の理念って多いね!覚えてないよ」

……

一日が過ぎた——

各所に隠れていた生存者はそれぞれの避難場所から出てきて空地で抱き合い……

「生き残ったんだ!」

「天啊、まだ生きてる!」

「生きている感覚は最高だ」

……

彼らが周元一行を見つけると歓声を上げた!

皆破れかぶれの姿だが——

救世主そのものなのだ!

この危機から人々を救った大英雄たちなのだから!!

景龍城中村の生存したおばあちゃん:

「私は知ってるわ!彼らは私達に20円の鞄を売っていたんだわ」

「えー、お婆さん、間違えたんじゃない?」

「我々は鞄を販売していなかったわ」

おばあちゃんが目を細めて——

「嘘ついてないでよ!」

「江南皮革工場が廃業したから……」

「給料代わりに鞄を受け取ったのよ!」

「100円や200円、300円の鞄を全て20円で!!」

皆「.......」

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