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第二部
3章-2
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フィンラスはカテリアーナをエスコートして、今日の舞踏会場である大広間へと向かう。
カテリアーナはフィンラスをちらりと見る。軍服のような黒い上下の服装は縁に金糸の刺繍が入っていた。これが国王の正装なのだ。元々整った容姿をしているが、正装のフィンラスはさらに凛々しくカテリアーナの目に映る。
今日は黒髪をサイドに束ねている。よく見ると、黒髪には一部白い髪が混じっている。
「フィルの髪は一部白いのね。染めているの? それとも生まれつき?」
「ああ。これは生まれつきだ。俺は腹の毛が白いだろう? 人型になるとそれが髪に混じるらしい」
確かにフィンラスの王様猫姿は腹の毛が白かった。カテリアーナはなぜかフィンラスの髪の毛を触ってみたくなったが、これから舞踏会なのだ。今日のところは我慢することにする。
「なんだか可愛いわね」
「それはありがとう」
大広間の扉の前にはカルスと近衛隊の制服を着た騎士が立っていた。カルスが前に進み出てフィンラスとカテリアーナに一礼する。
「陛下、カテリアーナ様。まもなく入場となります」
「分かった」
カルスはカテリアーナを一瞥する。
「今日のカテリアーナ様は一段とお美しくていらっしゃいます。陛下は役得ですね」
「お前も早く良い相手を見つけろ、カル」
皮肉には皮肉で返す。フィンラスとカルスの間に火花が散る。
「カルは独身なの? 意外だわ」
「陛下のおかげで恋人を作る暇もなかったのですよ」
「俺のせいではない。カルにその気がないだけだ」
カルスはパールに似て妖艶な容姿をしている。実際、女性にもてるのだが、興味がないのか仕事一筋なのか浮いた噂一つない。
大広間の中で高らかにファンファーレが鳴る。国王の入場を告げる合図だ。
「扉が開かれます。陛下、本日は盛大な冷やかしが待っております。カテリアーナ様を守って差しあげてくださいね」
「お前に言われなくても分かっておる」
扉が開くと、正面に玉座が見える。玉座までの道のりには赤い絨毯が敷かれていた。道の周りは大勢の人々が集っている。エルファーレン王宮に使える重臣や貴族たちだ。
フィンラスとカテリアーナが入場すると、皆一斉に頭を下げる。だが、その目はカテリアーナに向けられていた。
やがてフィンラスとカテリアーナが玉座に辿り着く。少し高い位置にある玉座には二つ椅子が並べられている。国王と王妃が座る椅子だ。
まだ、王妃ではないのでカテリアーナはフィンラスの隣に立とうとするが、フィンラスに促され、王妃の椅子に着席する。
宰相ジェイドが舞踏会の開催を告げると、フィンラスが立ち上がりカテリアーナに手を差し出す。カテリアーナは椅子から腰を浮かすと、フィンラスの手をとる。
「皆、本日はよく来てくれた。こちらは余の婚約者でカテリアーナという。ラストリア王国の第二王女だ」
フィンラスの紹介に合わせ、カテリアーナは略式のカーテシーをする。
玉座からは大広間がよく見渡せる。色とりどりに着飾った人々はカテリアーナに好奇の目を向けていた。
しかし、彼らの正体が猫だと思うと、カテリアーナは顔が緩みそうになる。ラストリアにいた頃に向けられていた嘲りの表情ではなく、猫の好奇心だと思うと可愛く思えて仕方がないのだ。
しばらくすると、フィンラスの合図で音楽が流れ始める。
フィンラスはカテリアーナに手を差し出し、礼をする。
「カテリアーナ姫、踊っていただけますか?」
「喜んで」
カテリアーナはフィンラスに導かれるまま、大広間の中央へと進む。
カテリアーナはフィンラスをちらりと見る。軍服のような黒い上下の服装は縁に金糸の刺繍が入っていた。これが国王の正装なのだ。元々整った容姿をしているが、正装のフィンラスはさらに凛々しくカテリアーナの目に映る。
今日は黒髪をサイドに束ねている。よく見ると、黒髪には一部白い髪が混じっている。
「フィルの髪は一部白いのね。染めているの? それとも生まれつき?」
「ああ。これは生まれつきだ。俺は腹の毛が白いだろう? 人型になるとそれが髪に混じるらしい」
確かにフィンラスの王様猫姿は腹の毛が白かった。カテリアーナはなぜかフィンラスの髪の毛を触ってみたくなったが、これから舞踏会なのだ。今日のところは我慢することにする。
「なんだか可愛いわね」
「それはありがとう」
大広間の扉の前にはカルスと近衛隊の制服を着た騎士が立っていた。カルスが前に進み出てフィンラスとカテリアーナに一礼する。
「陛下、カテリアーナ様。まもなく入場となります」
「分かった」
カルスはカテリアーナを一瞥する。
「今日のカテリアーナ様は一段とお美しくていらっしゃいます。陛下は役得ですね」
「お前も早く良い相手を見つけろ、カル」
皮肉には皮肉で返す。フィンラスとカルスの間に火花が散る。
「カルは独身なの? 意外だわ」
「陛下のおかげで恋人を作る暇もなかったのですよ」
「俺のせいではない。カルにその気がないだけだ」
カルスはパールに似て妖艶な容姿をしている。実際、女性にもてるのだが、興味がないのか仕事一筋なのか浮いた噂一つない。
大広間の中で高らかにファンファーレが鳴る。国王の入場を告げる合図だ。
「扉が開かれます。陛下、本日は盛大な冷やかしが待っております。カテリアーナ様を守って差しあげてくださいね」
「お前に言われなくても分かっておる」
扉が開くと、正面に玉座が見える。玉座までの道のりには赤い絨毯が敷かれていた。道の周りは大勢の人々が集っている。エルファーレン王宮に使える重臣や貴族たちだ。
フィンラスとカテリアーナが入場すると、皆一斉に頭を下げる。だが、その目はカテリアーナに向けられていた。
やがてフィンラスとカテリアーナが玉座に辿り着く。少し高い位置にある玉座には二つ椅子が並べられている。国王と王妃が座る椅子だ。
まだ、王妃ではないのでカテリアーナはフィンラスの隣に立とうとするが、フィンラスに促され、王妃の椅子に着席する。
宰相ジェイドが舞踏会の開催を告げると、フィンラスが立ち上がりカテリアーナに手を差し出す。カテリアーナは椅子から腰を浮かすと、フィンラスの手をとる。
「皆、本日はよく来てくれた。こちらは余の婚約者でカテリアーナという。ラストリア王国の第二王女だ」
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しかし、彼らの正体が猫だと思うと、カテリアーナは顔が緩みそうになる。ラストリアにいた頃に向けられていた嘲りの表情ではなく、猫の好奇心だと思うと可愛く思えて仕方がないのだ。
しばらくすると、フィンラスの合図で音楽が流れ始める。
フィンラスはカテリアーナに手を差し出し、礼をする。
「カテリアーナ姫、踊っていただけますか?」
「喜んで」
カテリアーナはフィンラスに導かれるまま、大広間の中央へと進む。
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