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一章 「魔王になってくれ」
6話
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超強力なユニークスキルを一つか役立たずの可能性のあるユニークスキルを五つか。
考え無しには決められない。とは思ったが、その二択なら、答えは直ぐに決まった。
「後者を選びます。五つのユニークスキルを」
「へえ、それはどうして?」
「簡単ですよ。一発芸に通じているだけでは生き残れないから、それだけです」
常識知らずの怪物しか居ない場所では、切り札が一つあるだけでは足りない。
恒久的に使える能力が無ければ、直ぐに死ぬのがオチだ。
もちろんそれだって弱くては意味が無い。小細工程度では圧倒的理不尽に潰されるだけだ。
ただし、それ単体で使う場合の話だが。
「それに、一見使えないスキルでも使い方次第で際限無く化けます。本当に、百万の差を埋めるくらいに」
いや、これは言い過ぎだな。流石に雑魚スキルを幾ら使っても、百万は埋められない。
キロンも、それは理解しているだろう。
今問題なのは常に変わらず、これから挑む魔境で如何に生き残るか、この一点に尽きる。
はっきり言ってキロンの意見はどうでも良い。俺に選択を迫った以上、キロンは口出しする権利を放棄したのと同じなのだから。
「……やっぱり面白いよ、エンマ君。それじゃ、私のユニークスキル群の中から五つ、完全にランダムで選ぼうか。
……【取捨不選択】、範囲は私の【ユニークスキル】、数は【5】」
あれもスキルだろうか?
ニュアンス的に選ばないスキルみたいだが、ランダムで選ぶスキルなのだろうか、あれは。
範囲と数を指定する必要もあるみたいだ。キロンの言葉を信じれば、目隠しで選ぶのでは無く、スキルの使用者すらあずかり知らぬままにスキルが完全自動で選択しているのだろう。
恐らく、【取捨不選択】もユニークスキル。邪神キロンにしか扱えないスキルだ。
と。
考えている内に終わったみたいだ。敢えて可視化している様で、キロンの掌の上に五つの光球が浮かんでいる。
「これが君に渡すユニークスキルだ。何が選ばれたかは私にも分からない。
言わばこれは、宝箱の中に入っている状態。中身を事前に知るスキルもあるにはあるんだけど、そんな野暮はしない。
【贋作製作】と【偽は実を兼ねる】で複製しているから私の方のスキルが減る事は無いし」
あれ、さり気なくユニークスキルの特別性が消えた。ユニークスキルを複製出来るならもう唯一のスキルじゃあ無くなるんだが。
いや、考えるだけ無駄なのか? そもそもの常識がここでは意味を持たない様な気がする。今更か。
キロンが俺の前にスキルを差し出す。
この際、細かい事は気にしない様にしよう。
遠慮なく五つの光を手に収める。何かが身体の中に入って来る。
魔力が体内に浸透する感覚に近いが、それよりも重く粘ついた非物質が、無理矢理に奥へと潜って行く。そんな感じだ。
そしてそれが治まった瞬間、ほぼ反射的にステータスを確認していた。
そしてそれらは、果たしてそこにあった。
ユニークスキル
【枯木も燃えぬ火】
【三歩進んで四歩下がる】
【度忘れさせ】
【揺れに揺るる拳】
【三秒限りの不死身体】
………
えっと、本文とルビが滅茶苦茶だな、いやそれは良いんだ。
見た限りだとそれなりに強力なスキルが幾つかある。
まあ、説明されれば分かるだろうな。
「ユニークスキルは無事に手に入ったかい?」
「はい。それで、このスキルの概要は……」
「うん、スキルを選んで詳しく知りたいと念じれば分かるよ。聞くよりやった方が早い」
そう言えばそんな設定の小説もあったな。
なんてどうでも良い事を考えながら、ユニークスキルの名称を意識し、『詳しく』と念じる。
………
【枯木も燃えぬ火】
・無機物を焼く火を発生させるスキル。有機物は燃やせない。
・魔力を変換して発動。規模は魔力量に依存する。
………
【三歩進んで四歩下がる】
・一歩後ろに下がるスキル。
・再発動に0.5秒のインターバルを要する。
………
【度忘れさせ】
・対象から三秒間、使用者に関する記憶の一切を削除するスキル。尚、その間、対象は使用者を認識出来ない。
・再発動に15秒のインターバルを要する。
………
【揺れに揺るる拳】
・対象の内部を揺らすスキル。
・拳からのみ発動。効果は拳の威力に依存する。
・再発動のインターバルは無し。
………
【三秒限りの不死身体】
・三秒間、絶対に死なないスキル。効果時間中のダメージは完全に無効化される。
・再発動に30秒のインターバルを要する。
………
微妙なスキルとかなり使えるスキルが混在してるな。【枯木も燃えぬ火】以外は消費無しか?
いや、効果に比べれば比較的軽いデメリットもあるな。それでも戦闘中に致命的なものなんだが。
使い所を間違えたら死ぬな、絶対。
しかし使い方によっては最強の能力になり得る事も確かだ。
今は感謝しよう。現時点で、死なない為の力は手に入れた。
「ユニークスキルと言うだけはありますね。恐らく、かなり使い方に困るスキルもあります」
「使い方に困るスキルか、手に入れた時にそう感じたスキルは3611個はあるよ。
それも含めて25339個のユニークスキルがあるから、全部がそう言うスキルである事は無いと思うけど?」
どんだけ持ってるんだよ、この邪神は。
だがまあ、神をやるならそれくらいは無きゃ務まらないんだろうな。なんて自己完結をしてみる。
表示されたスキル名を言うと、キロンは薄く笑っていた。
意外と使えるラインナップだったのだろうか、二万以上あるユニークスキルの何割が『使えるスキル』なのか分からない以上、推測しか出来ない。
ただ何となく、それで合っている様な確信があった。
この次は、スキルの使い方を教えてくれるそうだ。
力があっても使えなければ意味がないので、これは正直有り難い。
まず、スキルの種別。これは覚える必要は殆ど無く、自動発動が【パッシブスキル】、任意発動が【スキル】、【スペシャルスキル】、【ユニークスキル】なんだそうだ。
パッシブスキルとそれ以外と思えば良い。
二分足らずの説明の後で、実際に使ってみた。
スキルの発動にはそれなりにコツが要るそうなのだが、案外簡単に出来た。
分かりやすい様に形容すると、歩きながらメールを送る程度。それでも、出来ない者は居るらしい。
慣れれば反射的に発動する事も出来るそうだ。
「しかし覚えるの早いね。君の元の世界にもスキルがあるのかい?」
「いいえ、似たようなイメージに慣れていたからだと思います」
「似たような、ねえ。私には理解出来なさそうだし、訊かないでおこうか。
兎に角、スキルは大体そんなイメージで使える。上手く使いこなせれば、息を吸う様に発動出来るだろうね」
そんなスキルありきで戦うようにはなりたくないが、しかしスキルが無ければ戦えない。
ユニークスキルも一通り使ってみて分かったのだが、きっと俺は、しばらくこのスキルに依存するだろう。一部を除くが、ユニークスキルと言うのは俺の手に余る。
いや、だからこそ使わなければならない、か。
「ただ、忘れてはならない。あくまでそのスキルは私からのプレゼントだってね。正規の方法で手に入れたスキルと比べると、使い勝手に劣る筈だ」
「……つまり、どういう事ですか?」
「命がけの戦いにおいて、それは致命的な障碍になりかねない。知っておいてどうにかなる話でも無いけど、頭の隅には置いといてほしいんだ」
……それは理解している。
例えば、【枯木も燃えぬ火】よりも【吸血】の方が行使を直感的に行える様に。
自力で得たスキルの方が、やはり勝手が良いんだ。
「分かりました。覚えておきます」
ほんの一瞬の間で死ぬ。
外に出た時、俺が直ぐにそうなってしまうとは容易に想像出来る。
しかしキロンは、俺が死なない様にはするが、俺を鍛える事は無い。
その理由は、初め、俺を魔王として召喚した事に起因するのだろう。恐らくは、俺の枷となり得る要因を限りなく排除する為に。
仮に誰かを師に持てば、その後の人生はその師の教えを軸にしてしまう。それからかけ離れた事が出来なくなる。
それを危惧したのであるならば、キロンは俺の師にはならない。
まあ推測でしか無いし、例えだって偏見なんだがな。
別に的外れでも良いだろう。何がどうあれ、キロンが俺を鍛えない事に変わりは無い。
それは同時に、ここで鍛えなくても問題無いと言う事に他ならないと、キロンが判断している訳で。
「なら、大丈夫かな。ここに居たって大して意味は無いだろうし、そろそろ外に出ようか?」
まあ、こうなる事もある程度予想出来てはいた。
考え無しには決められない。とは思ったが、その二択なら、答えは直ぐに決まった。
「後者を選びます。五つのユニークスキルを」
「へえ、それはどうして?」
「簡単ですよ。一発芸に通じているだけでは生き残れないから、それだけです」
常識知らずの怪物しか居ない場所では、切り札が一つあるだけでは足りない。
恒久的に使える能力が無ければ、直ぐに死ぬのがオチだ。
もちろんそれだって弱くては意味が無い。小細工程度では圧倒的理不尽に潰されるだけだ。
ただし、それ単体で使う場合の話だが。
「それに、一見使えないスキルでも使い方次第で際限無く化けます。本当に、百万の差を埋めるくらいに」
いや、これは言い過ぎだな。流石に雑魚スキルを幾ら使っても、百万は埋められない。
キロンも、それは理解しているだろう。
今問題なのは常に変わらず、これから挑む魔境で如何に生き残るか、この一点に尽きる。
はっきり言ってキロンの意見はどうでも良い。俺に選択を迫った以上、キロンは口出しする権利を放棄したのと同じなのだから。
「……やっぱり面白いよ、エンマ君。それじゃ、私のユニークスキル群の中から五つ、完全にランダムで選ぼうか。
……【取捨不選択】、範囲は私の【ユニークスキル】、数は【5】」
あれもスキルだろうか?
ニュアンス的に選ばないスキルみたいだが、ランダムで選ぶスキルなのだろうか、あれは。
範囲と数を指定する必要もあるみたいだ。キロンの言葉を信じれば、目隠しで選ぶのでは無く、スキルの使用者すらあずかり知らぬままにスキルが完全自動で選択しているのだろう。
恐らく、【取捨不選択】もユニークスキル。邪神キロンにしか扱えないスキルだ。
と。
考えている内に終わったみたいだ。敢えて可視化している様で、キロンの掌の上に五つの光球が浮かんでいる。
「これが君に渡すユニークスキルだ。何が選ばれたかは私にも分からない。
言わばこれは、宝箱の中に入っている状態。中身を事前に知るスキルもあるにはあるんだけど、そんな野暮はしない。
【贋作製作】と【偽は実を兼ねる】で複製しているから私の方のスキルが減る事は無いし」
あれ、さり気なくユニークスキルの特別性が消えた。ユニークスキルを複製出来るならもう唯一のスキルじゃあ無くなるんだが。
いや、考えるだけ無駄なのか? そもそもの常識がここでは意味を持たない様な気がする。今更か。
キロンが俺の前にスキルを差し出す。
この際、細かい事は気にしない様にしよう。
遠慮なく五つの光を手に収める。何かが身体の中に入って来る。
魔力が体内に浸透する感覚に近いが、それよりも重く粘ついた非物質が、無理矢理に奥へと潜って行く。そんな感じだ。
そしてそれが治まった瞬間、ほぼ反射的にステータスを確認していた。
そしてそれらは、果たしてそこにあった。
ユニークスキル
【枯木も燃えぬ火】
【三歩進んで四歩下がる】
【度忘れさせ】
【揺れに揺るる拳】
【三秒限りの不死身体】
………
えっと、本文とルビが滅茶苦茶だな、いやそれは良いんだ。
見た限りだとそれなりに強力なスキルが幾つかある。
まあ、説明されれば分かるだろうな。
「ユニークスキルは無事に手に入ったかい?」
「はい。それで、このスキルの概要は……」
「うん、スキルを選んで詳しく知りたいと念じれば分かるよ。聞くよりやった方が早い」
そう言えばそんな設定の小説もあったな。
なんてどうでも良い事を考えながら、ユニークスキルの名称を意識し、『詳しく』と念じる。
………
【枯木も燃えぬ火】
・無機物を焼く火を発生させるスキル。有機物は燃やせない。
・魔力を変換して発動。規模は魔力量に依存する。
………
【三歩進んで四歩下がる】
・一歩後ろに下がるスキル。
・再発動に0.5秒のインターバルを要する。
………
【度忘れさせ】
・対象から三秒間、使用者に関する記憶の一切を削除するスキル。尚、その間、対象は使用者を認識出来ない。
・再発動に15秒のインターバルを要する。
………
【揺れに揺るる拳】
・対象の内部を揺らすスキル。
・拳からのみ発動。効果は拳の威力に依存する。
・再発動のインターバルは無し。
………
【三秒限りの不死身体】
・三秒間、絶対に死なないスキル。効果時間中のダメージは完全に無効化される。
・再発動に30秒のインターバルを要する。
………
微妙なスキルとかなり使えるスキルが混在してるな。【枯木も燃えぬ火】以外は消費無しか?
いや、効果に比べれば比較的軽いデメリットもあるな。それでも戦闘中に致命的なものなんだが。
使い所を間違えたら死ぬな、絶対。
しかし使い方によっては最強の能力になり得る事も確かだ。
今は感謝しよう。現時点で、死なない為の力は手に入れた。
「ユニークスキルと言うだけはありますね。恐らく、かなり使い方に困るスキルもあります」
「使い方に困るスキルか、手に入れた時にそう感じたスキルは3611個はあるよ。
それも含めて25339個のユニークスキルがあるから、全部がそう言うスキルである事は無いと思うけど?」
どんだけ持ってるんだよ、この邪神は。
だがまあ、神をやるならそれくらいは無きゃ務まらないんだろうな。なんて自己完結をしてみる。
表示されたスキル名を言うと、キロンは薄く笑っていた。
意外と使えるラインナップだったのだろうか、二万以上あるユニークスキルの何割が『使えるスキル』なのか分からない以上、推測しか出来ない。
ただ何となく、それで合っている様な確信があった。
この次は、スキルの使い方を教えてくれるそうだ。
力があっても使えなければ意味がないので、これは正直有り難い。
まず、スキルの種別。これは覚える必要は殆ど無く、自動発動が【パッシブスキル】、任意発動が【スキル】、【スペシャルスキル】、【ユニークスキル】なんだそうだ。
パッシブスキルとそれ以外と思えば良い。
二分足らずの説明の後で、実際に使ってみた。
スキルの発動にはそれなりにコツが要るそうなのだが、案外簡単に出来た。
分かりやすい様に形容すると、歩きながらメールを送る程度。それでも、出来ない者は居るらしい。
慣れれば反射的に発動する事も出来るそうだ。
「しかし覚えるの早いね。君の元の世界にもスキルがあるのかい?」
「いいえ、似たようなイメージに慣れていたからだと思います」
「似たような、ねえ。私には理解出来なさそうだし、訊かないでおこうか。
兎に角、スキルは大体そんなイメージで使える。上手く使いこなせれば、息を吸う様に発動出来るだろうね」
そんなスキルありきで戦うようにはなりたくないが、しかしスキルが無ければ戦えない。
ユニークスキルも一通り使ってみて分かったのだが、きっと俺は、しばらくこのスキルに依存するだろう。一部を除くが、ユニークスキルと言うのは俺の手に余る。
いや、だからこそ使わなければならない、か。
「ただ、忘れてはならない。あくまでそのスキルは私からのプレゼントだってね。正規の方法で手に入れたスキルと比べると、使い勝手に劣る筈だ」
「……つまり、どういう事ですか?」
「命がけの戦いにおいて、それは致命的な障碍になりかねない。知っておいてどうにかなる話でも無いけど、頭の隅には置いといてほしいんだ」
……それは理解している。
例えば、【枯木も燃えぬ火】よりも【吸血】の方が行使を直感的に行える様に。
自力で得たスキルの方が、やはり勝手が良いんだ。
「分かりました。覚えておきます」
ほんの一瞬の間で死ぬ。
外に出た時、俺が直ぐにそうなってしまうとは容易に想像出来る。
しかしキロンは、俺が死なない様にはするが、俺を鍛える事は無い。
その理由は、初め、俺を魔王として召喚した事に起因するのだろう。恐らくは、俺の枷となり得る要因を限りなく排除する為に。
仮に誰かを師に持てば、その後の人生はその師の教えを軸にしてしまう。それからかけ離れた事が出来なくなる。
それを危惧したのであるならば、キロンは俺の師にはならない。
まあ推測でしか無いし、例えだって偏見なんだがな。
別に的外れでも良いだろう。何がどうあれ、キロンが俺を鍛えない事に変わりは無い。
それは同時に、ここで鍛えなくても問題無いと言う事に他ならないと、キロンが判断している訳で。
「なら、大丈夫かな。ここに居たって大して意味は無いだろうし、そろそろ外に出ようか?」
まあ、こうなる事もある程度予想出来てはいた。
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そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
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そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
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