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第2章
檸檬色
しおりを挟むハンスとルビアナが想い合っていて、付き合っている。それなら・・・・私はどうするの?どうしたいの?
それはもちろん・・・・
「心から、祝福するに決まっているじゃない。」
悪役令嬢な私だけど、人の恋路に邪魔なんてしませんわ。そうよ。想い合う二人を邪魔して、引き裂いて、ハンスを私のモノにしようだなんて・・・・そんな事・・・・そんな事したらそれこそゲームの悪役令嬢のままじゃない。私、あのヴィクトリア・アクヤックにはなりたくありませんわ。死にたくない。追放されたくない。・・・・そんな事よりも・・・・嫌われたくない。ハンスに、ルビアナに嫌われたくありませんわ。ハンスに嫌われる方が、私・・・・どんな未来よりも辛いもの・・・・。
大切な二人よ。笑顔で祝福できますわ。ね?ほら。そうでしょう?
「お嬢。そんな顔で言っても。説得力ねーよ。」
「そんな顔・・・・って・・ひゃっ!?」
空いている方の手で、私の眉間をぐりぐりと押すレオニダス。ちょっと!?いきなり何をなさるの!?
「辛くて辛くて仕方ねーって顔で、言う台詞じゃないだろ。それ。」
はぁ。っと大きなため息を吐くと、そのまま私の腕をとり、近くのカフェへと入りますわ。
「お嬢。疲れただろ?」
ズカズカと奥へと入り、私を席につかせる。ドサッっと横の椅子に荷物を置きましたわ。ちょっと!私の荷物!もっと大切に扱って頂戴!
「茶でも飲んで休んでろよ。」
「は?」
呆然とする私を放置し、お店の方と何やら話をしていますわ。戻ってきたレオニダスは、私の方を見るとを目元を緩め、柔らかな笑みを見せますわ。
・・・・なんでそんな顔を?
「レオニダス?」
「この店、チーズケーキがオススメだってよ。それとレモンティーでいいよな?注文しといたから。」
「えっと。レオニダス?」
「今日の礼だよ。もう金も払ったから。」
「った!」
ちょっと!何故私の額にデコピンを!?レオニダス!痛いですわ!
「甘い物ってさ。しんどい時、元気をくれるんだぜ?だからさ」
「お嬢はそれ食って、ゆっくりしてろよ。」
ははは。っと笑うレオニダス。ウェイトレスの方が運んできたのは、とても美味しそうなチーズケーキと良い香りのするレモンティー。あら?私の分だけ?レオニダスは?
「泣きそうな顔の奴を。連れ回す趣味はねーから。」
泣きそうな顔?私が?
「それじゃ 。俺、行ってくるわ。」
「ハンスとルビアナの事、確認してきてやるから。お嬢は此処で待ってろよ。」
「ちょっと!レオニダス!!」
静止する私を無視して、そのままお店をでていくレオニダス。えっと。ちょっとお待ちになって?行くって何処に!?確認って何を?
「お客様。どうぞお召し上がりください。」
「あっ・・・・ありがとう。」
ウェイトレスの方に勧められ、席に座り直しますわ。・・・・今から追いかけても・・・・追いつきそうにありませんわね。
「・・・・レオニダス。どういうつもりなのかしら。」
私が、泣きそうだなんて。何を勘違いしてるのかしら。ほんと。お馬鹿ね。
ーパク。
もぐもぐ。
ーこくん。
・・・・甘いわね。
「別に・・・・私、傷ついてなんていませんのに。・・・・大袈裟ですわ。」
レモンティーのレモンが、ツンときますわね。
暖かさに鼻水が垂れますわ。私、令嬢ですのに。
レオニダスのせいですわ。私、泣いたりなんてしないのに。ほんと、お馬鹿な駄犬ね・・・。
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