36 / 74
第五話、厄介なチート神様がやる気なさ過ぎて憑かれるんですが?
4
しおりを挟む「てっめぇ……」
「儂じゃないぞ? おいたが過ぎるお前が悪い」
「はっ、元はと言えばアンタが誤解する様な電話を寄越したのが悪いんだろが。害意のある奴だとばかり……ッ思ってた」
朝陽の言葉にニギハヤヒが「ふむ」と言って顎に手をやる。
「まあ、それは間違えてないぞ」
「は?」
「番になろうと決めたのは実際お前に会ってからだからな。それまでは切り捨てるか悩んでおった。従順過ぎる輩だったら即切り捨ててたわ。番であろうと関係ない」
「は……っ⁉︎」
それでも神か、と言い掛けたが史上最大の祟り神と書かれていた文面を思い出して、朝陽はゾクリとした悪寒に見舞われた。
「変わった物を着ておるな」
ボタンの外し方が分からないのか、シャツとズボンのホックをちぎられ、服は全て無造作に畳の上に投げ捨てられた。
「こんな……とこで、ヤル気かよ」
「可愛くおねだりでもしてみるか?」
「誰、が」
「シシシ、だろうな」
喉を鳴らして笑った後で首筋に口付け、ニギハヤヒは朝陽の反応を見ながら全身に掌を滑らせていく。昂った体にはそれすら刺激的で、一々体をビクつかせる朝陽を見ているだけでも楽しそうに、ニギハヤヒは口角を持ち上げた。
だが直後、何かを思案するように自身の顎に手を当てている。
「気が変わった。おい、朝陽……許可を出せ」
「何の?」
「お前を孕ませたい」
「嫌だ」
ここで孕ませられるくらいなら、家に帰ってあの四人のどちらかを選ぶ。
「なら、良いものをやろう」
頭を擡げ始めている朝陽の陰茎を握り込んだかと思いきや、ニギハヤヒはそこの根元に霊糸で創り出したコックリングの様なものを嵌めた。縛られた感覚に朝陽が息を呑むと、ニギハヤヒはニヤリと笑みを刻んだ。濡れそぼった朝陽の後孔に指を当てがい内部を擦り上げる。二本~三本と増えていく指が朝陽を絶頂へと誘った。
「いっ……!」
しかし肝心な絶頂は訪れず、戒められた根本がきつくなるばかりでイけない。このリングが何をする為のものか、漸く知る事が出来た朝陽は焦った。リングを嵌められている限り朝陽はイク事を許されていない。
「気がついたか」
「と、れ」
「お前が孕みたいと言えば解いてやるぞ」
内部をかき回しつつニギハヤヒが前立腺を刺激していく。空いている手で朝陽の陰茎を握り込み直接刺激を与え始めた。
「あっ、あ、ああ、ん、嫌だ……ッ、ああ、やめ……ッ、触る……な!」
もう限界も近かった。そこへ陰茎の先端を押し当てられてしまい朝陽は体を硬直させる。
「いっ、ァア、ああ!」
一気に奥近くまで貫かれ、朝陽が暴れた。バチンと音がしてニギハヤヒがかけた金縛りが解ける。朝陽は快楽と苦痛の狭間で喘ぎ叫んでいて、金縛りが解けた事にも気がついていないようだった。
「これは見込んでいた以上だな」
ニギハヤヒが朝陽の細腰を両手で掴んで前後に揺らすと、朝陽は背を逸らして嬌声を上げ始めた。中だけで達しながら終わりのない快楽に落とされる。
「んんん、ああッ、あっあああ、あーッ! ニギハヤヒぃい、前外して……! イキ……ッたい、もう……イかせてくれっ!」
「儂の子を孕むと言え」
「いや、だ! んぅ……、ん」
潜り込んできた舌に内部の上顎と歯列を舐められる。口内の性感帯を刺激されていると、もっと奥へ入ろうと腰をグッと押し付けられて朝陽は体を震わせた。
「待って……ッ、嫌だ。待ってくれ、今そこに……入られると……っ、ひ、あ、あああ!」
朝陽の言葉を遮るように結腸も開かれ、グプグプと鈍い音を響かせて律動される。
「この薄い腹によく収めているな」
笑いながらそう言い、ニギハヤヒは朝陽の下っ腹を撫で上げた。
それと同時に掌に光る球体を九つ浮かべて朝陽の胎の中へ全て押し込む。突然胎の中が熱くなった朝陽は目を見開いた。
10
あなたにおすすめの小説
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる