只今、異世界王子たちのメイドをやっています!

Blue moon

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第2幕

王子方との街見学!

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キュッキュッ
濡れ雑巾で窓を拭く。
これはごく普通の日常には在りきたりな出来事である。
だが、その普通の出来事も窓の外の景色を見て一変。
外には頭が動物で、体に鎧をつけている人やドレスのようなもので着飾り歩いている女性もいる。
そう、私川岸 成がいるこの世界は元の世界で言う〔異世界〕なのである。
そこで私はこの世界の4人の王子が乗っている馬車の前へ飛び出してしまったことをきっかけに、城で下僕として仕えることとなったのだ。
そして、今に至る。
「成さん?ボーッとしてどうしたんですか?」
「…あ、いえ。ただ考え事をしていて。」
「そうですか?では、窓拭きをさっさと終わらせて次行きますよ。」
紫色の髪がよく目立つ彼は、私と同じくここに仕える執事の  カーラ・ネイソンである。
彼は元々家が花屋だったというが、実の父に家ごと燃やされその上母も彼を助けようとして戻らぬ人となった。
私も、大切な人が目の前でいなくなる苦しみはよくわかります。
あの日、私と兄の目の前で…

ギュッ

私は胸の前で手を握った。
しっかりしなければ、またこの事で悩んでもどうにもならないです。
そう思った時、

ドンッ 

「わっ…!」
何者かとぶつかってしまった。
「どこ見て歩いてんだよ、チービ。」
見上げると、そこには赤茶髪のしかめっ面王子が立っていた。
「申し訳ありません、カシオス様。」 
「フンっ!これだからチビは嫌になるぜ。」
さっきから、聞いていればチビチビと…
でも、カシオス様は確かに背が高い。
2メートル近くはあるのでは?
そんなことを考えていると、
「なーるっっ!!」

ガバッ

後ろから誰かが抱きついてきた。
この声は聞き覚えがあります。
「レオン様。なんでしょうか?抱きつくのはやめてください。」
「えー!!なんか反応うっすいよ!成ー!普通そこはキュンってくるとこだよ!?」
彼はレオン・ギルバレン。この国の王子だ。金色に輝く長い髪が特徴的。
「おい、レオン!てめえなんでこんなとこにいんだよ!」
「ひっどーい!一応ここ僕の城だよ?まあそんなことはいいとして、成!一緒に街に行かない?」
「街、ですか?」
「うん!ほら、成は確かに僕達の下僕だけどーこの国のことなーんにも知らないでしょ?だーかーらー!僕が紹介してあげるっ!」
「はあぁっ!?レオン、こいつを街に連れていこうとしてんの!?」
「うん?そうだけど?」
「やめとけやめとけ、どうせこいつチビだからそこら辺歩かせると迷子になって途方に暮れるだけだぜ?」
「ち、チビ…ですか…」
「確かにー成はちっちゃいよね?うーんでも僕、成と街へ行きたいから…カシアが留守番しててよ!」
「なっ!?」
「成は僕がちゃーんと見てるから!ねっ?」
「は、はあ…」
「よーしっ!そうと決まればカーラ!馬車の用意をお願い?」
「かしこまりました。」
「あ、リゲルとシャルロも呼ぼっか!」
「え、あの…私は」
「てめぇいい度胸してんじゃねえか、俺抜きで街に行こうなんて千年早いんだよ!このチービっ!仕方ねえから俺もついてってやるよ!」
「カシア無理しなくてもいいよー?」
「してねーよ!!」
カシア様実は少し行きたかったんじゃ…
そう考えると笑ってしまいそうになった。

グイッ

「わっ…」
「ほら!成ちんたらしてないで行くよー?」
そういうと私達は城へ繋がる道を下っていきそこにある城下街へと行ったのだった、

・~・~・~・~・~・

ガヤガヤ

街は繁盛していて賑やかだった。
「成!ここが、この国一の市場でもあり街でもある!リウス街だよ!」
「リウス…街?」
「そうだ。ここは歴史千年を迎えようとしている大きな街だ。ちょうど、次の月の終わりには千年を祝福する祭りがあるのだ。」
「お祭り?」
「んなことも知らねぇのかよ。」
カシオス様は相変わらず不機嫌そうだ。
「じゃ、レオン達は3人でいってらっしゃい、僕は成と2人で街を堪能してくるから。」
優雅な笑みとともに、シャルロ様は私の手を取り歩きだそうとした。
「あーっ!シャルロ抜けがけー!僕達も成と行くから!!」
その後をレオン様は急いでついてきた。
「全く…騒がしいやつらだ。」
「ああ、まったくだ。」
さらに後ろを呆れたリゲル様とカシオス様がついてきた。

ガヤガヤ

「へい!らっしゃい!今日は活きのいい魚がぎょうさん入ってるよー!どれも早いもん勝ちだ!」
「熟れた果実はいらないかい?今なら野菜も付けるよ!」
あちこちで売人たちの声が飛び交っている。
「っるせーな、だーから嫌なんだ街とか市場は!どこもかしこも買え買えうるせーし!」
「まあ、これは市場ならではの方法だからな。大きな声で客を呼び寄せて買わせる。最も、私たちには要らないことだけどな。」
冷めきったコメントをしている2人とは裏腹に…
「うわぁ…!ねえ見てシャルロ!僕達がお城で見ない果物とか売ってるよ!」
「ほんとだ、あっ!こっちにはこの前僕が知ったばかりの魚があるよ!」
とても盛りあがってます。
「ねえねえ、成は気になったものはあった?」
「いえ…特にはありません。」
「つまんないなー!もっとここを楽しんでよ!色んなものが集まってるんだからさ!そうだ、ここら辺近くを見に行ってくれば?」
「見に行く?」
「レオン、こいつは私たちの下僕だぞ。そんな勝手な行動許されるわけが…」
「いいんじゃないのぉ?」
リゲル様の話に割って入ったのはシャルロ様だった。
「なに?」
「たしかに僕らの下僕だけど、レオンがいいって言ってるんだし、カシアも異論はないよね?」
「…ん。」
「ほーら!ねっ?リゲル?」
「…1時間後にこの場所に戻ってこい。」
渋々、リゲル様は了承してくれました。
「良かったね!成?」
「はい、皆様ありがとうございます。」
「成はいつまでたっても堅苦しいな~、あ!ひとつだけ、最近人身売買を行う盗賊達がうろついているらしいから人目が少ないとこには行かないでね?」
「分かりました。では、失礼させていただきます。」
私はお言葉に甘えさせて頂くことにした。
この国のこととか知っておきたい。
なにより、この時代の食べ物や文化が気になるところです。

タッタッタッ

「いいのか、本当に。」
「なーにが?」
「あいつ、これを気に私たちからにげるかもしれないのだぞ。」
「リゲルの言う通りだ。なんであんなチビに自由行動なんかさせんだよ。」
「んー、気分かな?」
「…はあぁっ?!!」
「なにより、成の事だし僕達から逃げる事もせずに城に戻って来るはずだよ。」
レオンは遠くを見つめる目で微笑んだ。
「レオンらしいね、僕もレオンの言う通りあの子は戻ってくると思うよ。」
「フンっ、どうだかな。まだ私はあいつをしんじたわけではないからな。」

・~・~・~・~・~・

タッタッタッ
  
私は初めての街で途方にくれながらも色々見学をしていった。
服、雑貨、食料品など、売ってる店の種類は私の住んでいた世界と同じである。
だが、売っている物が全く違うものなのです。
例えば、精肉屋。
ここでは牛肉や鶏肉はもちろん、他に…
「すみません、これってなんの肉ですか?」
「お嬢ちゃんお目が高いね~!これはつい最近入ったマンモスの肉だよ!」
「…」
マンモスは私にとってはもう、何億年も前に絶滅しているものですが…ここでは高級品として扱われているようです。
その他にも、
「おねーさん!これ、飲まないかい?これは妖精の涙が入っててね、1度飲むとそりゃたちまち元気になるってもんよ!」
「レオパルキスの毛皮だよ!先週入荷したばっかなんだけど、お値段は安くしとくよ?」
意味のわからない生き物の名前などが飛び交っている。
それらを聞いていると、やはり私は異世界にいるのだなと改めて実感しました。
そのようなことを考えていると、

ガシャン

「キャー!!」
ものが割れる音とともに女性の悲鳴が聞こえた。
大体こういう時は首を突っ込まない方がいいのですが、私は見逃せないタチなのです。
急いで声がした方へ走っていくと、そこには床に倒れている女性と割れた皿。
そして、その前に立ち塞がるように立っているのは大男とその子分達だった。
「ようよう、姉ちゃん。俺らが何したってんだ?たかが酔っ払って椅子や机の2、3個壊しただけじゃねえか?あぁ?」
「でで、ですが困ります。弁償してもらわなければ商売ができな…」
「あぁ?!んなこたぁ、知るかっ!」
「ヒッッ!!」
男達は自分勝手な理由で店のものを破損し、挙句の果てには罵声でその場を乗り切ろうしている。
なんて下劣なことをするのでしょうか?
私は今にも泣きそうな女性の顔を見て、いてもたってもいられなくなった。
「って事で?じゃーなじょーちゃ…」

パシャッ

「ぬあっっ!!」
「ボ、ボスーー!!」
私はそいつらが飲み残していった酒を大男の目玉目掛けてかけた。
「てめぇー!舐めた真似しやがって!」
「舐めたことしているのはどちらですか?自分達がした事もまともに謝罪できない人達が。」
「お、お客様!」
私が男達と対面していた時、立ち上がった女性に腕を掴まれた。
「いい、いけません。お客様のような軟弱女性があの方々にかなうわけが…」

スッ

私はやんわりと彼女の手を払いのけた。
そして、彼女に囁くように耳元で
「大丈夫です。ここは私が何とかするのであなたは救助を要請してください。」
そう言うと、女性は泣きそうなのをぐっと堪え小さく頷いた。

ダッッ

「あっ!てめっ、待てっ!!おいお前ら、あの女を追いかけろ!」
「へ、へい!!」

スタッ

「な、なんだお前は!」
「あの女性は追わせませんよ?」
私はどうにかヤツらの足を止めようと必死に脳を働かせた。
「(何か…なにか止める方法は…)」
すると、床に散乱していたお酒に気づいた。
「(これだ!!)」
私はポケットにあった(何故か入っていました。)マッチを取り出した。
「何をする気だコイツ!!」

シュッ
パチパチパチ

「ここは通しません。」
私は火がついたマッチを落とした。

ボッッ

「うわぁぁぁあ!」
お酒にはアルコールが含まれている。
彼らの飲んでいたお酒のアルコール度数はかなり高めだと、既に瓶の内容は確認済みでしたから。
ドヤァ。

「こ、これじゃ通ることができません、親分!」
「チッ…くそっ!」
今のうちに私も逃げますか。

ダダダッ

「待ちやがれこの女!!」


・~・~・~・~・~・

私はかなり走った後に、人影の少ない路地裏で休息を取った。
「ふぅ…ここまで来れば流石に逃れたでしょう。」
「さあ?そーれはどうかな、嬢ちゃん。」
「っ!?」

ドガッ

「うぐっ…」
後ろを振り向いた瞬間、私はその人物にお腹を殴られた。
「すまねぇな、これも俺の商売。嬢ちゃんには悪いけどな…」
その声とともに、最後に見えたのは…
口元の傷跡だけだった。

ドサッ…



~次回予告&お知らせ~
「ねーリゲル、成遅いね。」
「うむ。1時間と言ったのにあの女は…」
「おい、聞いたかよ。向こうの酒屋で暴れた賊がいてよ、その店は酷い有様らしぜ?」
「本当か?」
「あぁ、それに。噂によると白と黒のドレスで、黒髪の女が店の女を庇って前に立ったらしいけど、今じゃそいつは賊共の狙われの身になってるんだとよ。」
「その女も罰当たりだな。」
「…白と黒のドレス…黒髪。」
「リゲル。」
「あぁ、至急カシオスとシャルロを呼んでこい。これは面白くなりそうだ…。」



この度は「只今、異世界王子達のメイドやってます!」を、ご愛読してくださっている皆様へ。今まで長い期間お休みをしていて申し訳ありませんでした。
そして、長い間待っていてくださった皆様。本当にありがとうございます。
この投稿を初めに、またスタートしていきたいと思っているのでよろしくお願い致します。
どうぞ、これからも「只メイ」をお願い致します。

※只メイとは、私がただ略したものです笑
何か他に良い略し方があったら、ぜひぜひコメントにあげてください。
おまちしてます!
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