廻・骸行進

メカ

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廻・占い師の友人「ざっちん」の話

とあるモデルが経験した恐怖。 1

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これは、近年ざっちんが仕事で知り合ったモデルの話である。

例によって彼女は、俗世に疎い生活を送っている。
自宅には、テレビもなければ携帯なんて「金がかかるから」と
近年までガラケーだった。

私の知り合いの中で、恐らく一番「浮世離れ」した人物が彼女であろう。

そんな彼女が、一通の写メを送ってきた。

タイトルには
「この人、知ってる?」
とだけ記されていた。

その写真には、一枚の名刺が写っており
某有名プロダクション所属のモデル名が記されていた。

相変わらず、そういう引きが強いのか
数年に一度は、こういった大物を釣り上げるのが彼女である。

だが、一つ気がかりなのは
その名刺が、すでに破られていた事だ。

「これ、ざっちんが破ったの?」

「うん。だって気持ち悪いんだもん。」

「え?」

「その人、サロンに入って来た時に3人で来たんだよ。」

「・・・3人?」

「そう、本人とマネージャー?・・・あとカメラマン。」

ソレのどこが気持ち悪いのか・・・私にはよく理解できなかった。

「とにかく、その人が入って来た時
なんか生暖かい空気を持ち込んできたんだよ。それが気持ち悪くてさぁ。」

「・・・へぇ。」

とはいえ、やってきた客を追い返すのは違うから。と
ざっちんは、そのモデルの話を聞くことにした。

仕事の内容自体は、なんの変哲もない「仕事への相談」だったそうだ。

しかし、ざっちんは言う。

「彼女、相談中も軽く上の空だった感じがするんだよね。
何て言うのかな、占いに来た自分もまるで『仕事で来てますぅ!』が滲んでるような・・・。」

「占い自体本気じゃなかったってこと?」

「いや、本当は話したい事、別にあったんじゃないかな。そんな気がする。」

その推察は後に当たる。

数日後の事だったそうだ。
サロンにやってきたとある女性。
それが、数日前やってきたモデルであると
ざっちんは占いの途中で気付いた。

変装をしていた為に、最初は気付かなかったそうだ。
声だけで「最近、どこかで聞いたことある」と認識していたそうだが
モデルとはすぐに直結せず
話を聞いていくうちに、察したとの事だ。

やってきた女性がモデルであると気付いた時
彼女は変装を解き、これでもかと謝罪と改めての相談を持ち掛けてきた。

「彼女、人間関係で悩みがあったみたい。」

仕事は仕事でも、その仕事上の人間と
多少なりともトラブルがあったそうだ。

しかし、仕事上
関わらない訳にもいかず、どうすればいいのか。
それを非常に悩んでいたと・・・。

無理もない。
彼女とトラブルになった相手は
最初に来た時、共にやってきていた「カメラマン」だったのだ。

いわゆる「専属」というもので
おいそれと交代を申し出られない相手・・・。

そんな事を悩むうちに
彼女は、オフの日にも自宅でカメラのシャッター音の幻聴を聞くようになった。

年若い女性が場所を問わすそんなものを聞けば
不安に駆られ、荒れるのは想像に難くない。

彼女は次第に、自宅へ引きこもる様になり
その自宅もカーテンなどを目貼りして外から一切見えない様に生活を余儀なくされていた。

それでも止まないシャッター音に
彼女はとうとう、不眠症まで患った。

そして・・・。

限界を超えた彼女は、仕事中に豹変し撮影が中断。
落ち着いた彼女から話を聞いたマネージャーと共に
この先、仕事を続けるべきか占ってみたらどうだと、ざっちんの元を訪れたという・・・。
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