廻・骸行進

メカ

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廻・最終話

トモちゃんのお土産 4

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一人になった実家。
どこか、寂しい思いも漂っている。

母の葬儀を終え、すでに3か月が経過していた。

仕事から帰る度に、真っ暗な実家が
ぽっかりと開いた心の穴に、更なる歪みを与える。

こんな思いをするのは・・・人生、もっと先の先に待っているはずのものだろう。

何の感情の起伏もなく、ただ只管に夕食に手を付ける。

そんな日々を、ユウちゃんは送っていたそうだ。

・・・ある日の事だった・・・。

自宅に帰ると、玄関に飾られていた「トモちゃんのお土産」である
「招き猫の貯金箱」が横に倒れていたそうだ。

構造上、Aラインの胴体に「横倒し」など在り得ない現象だが・・・。
その時は、下駄箱などにぶつかり衝撃が加わった事で倒れたのか?と思っていたそうだ。

・・・その日を境に
招き猫の倒れる頻度は増えていき、気付けば横になっている事が多くなったそうだ。

そして

次第に、実家での怪奇現象に悩まされる事になる。

自室で寝ていた時
階段を駆け上がる何者かの足音を聞く。

時刻は夜中の4時。
そんな事、起こりうるはずがない。

寝ぼけていただけだ。

重い瞼を閉じ、再び眠りに就こうとした時

「ドドドドドドッ!」

数段の階段を一気に駆け足で降りていくような・・・どんな轟音が家に鳴り響く。

夢じゃない、夢じゃなかった・・・。

一瞬にして眠気が吹き飛び、恐怖に変わる。

物取りか、あるいは暴漢か。

ドアノブに手を掛けた時、恐怖と共に吐き気すらこみ上げてくる。

嘔吐く口元を手で押さえ、そっと戸を開く。

・・・いつもと変わらない、ただの真っ暗な廊下だ。

一定の安堵感を得たものの、体を走る緊張感は消えない。
ほんの十数秒。

この世で最も長い十数秒だった。

一歩・・・また一歩と階段へと歩を進める。

顔だけ覗かせた階段下。

・・・後ろの廊下と同じく、真っ暗であるはずだった。
だが、その先は
薄っすらと・・・ぼんやりと灯が灯っているのだ。

「・・・嘘でしょ・・・。」

思わず小声が漏れる。

明かりの正体は、リビングの照明だった。

・・・だが、そのリビングには誰も居ない。
窓のシャッターも完全に降りている。
侵入の形跡など見つかりもしなかった。

リビングを調べ終わり、呆然と立ち尽くしている
その後ろで・・・。

「トン、トン、トン、トン」と
先ほどとは打って変わり、ゆっくりと・・・階段をあがってゆく足音を聞いた。

恐ろしかった。

その日、日の出までの残り時間を
彼女は自宅の
ありとあらゆる照明をオンにしたまま
リビングの片隅で震えながら時を過ごしていたという・・・。
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