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廻・警官の友人「荻野」の話。
ショッピングモールの迷子 1
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この話は、ここ数年で起きた出来事だった。
・・・なぜ「だった」という過去形なのか。
それは、体験者である我が友人「荻野」自身も
この出来事を忘れており、最近まで思い出しもしなかったという。
そして、その出来事を思い出した今でも
荻野は「そんな出来事あったかな・・・。」と頭を抱える事態となっている。
これから話すのは、彼の同僚によって思い出された荻野の記憶と
当時、その一件に関わった際の調書から作られた流れである。
某年
午前中、パトロールに出ていた彼等が
順路内にある「大型ショッピングモール」の傍を走っていた時。
彼は店先で泣きじゃくっている一人の少年を見つけた。
見た目にも「小学校 低学年」と思われる少年は「母親とはぐれた」のだそうだ。
少年の名前は「平坂 こうき(仮名)君」。
母親に連れられ、買い物に来た彼は
お菓子の陳列棚に目を取られた隙に、母親とはぐれてしまった。
以降、少しの間
モール内を必死に探したが、母親とは再開できず
不安の折、泣き出してしまったという。
・・・この時点で、優秀な我が友人「荻野」は
これが単なる「迷子」ではないと悟っていた。
そもそも、子供とはぐれた親も「恐らくは」必死に探していた事だろう。
だが、此処は「大型ショッピングモール」。
通信手段を持たない子供とはぐれた時、再会できる確率は低い。
賢い子供であれば、その場を動かず周囲を観察する事も出来るだろう。
だが、大半の子供は不安や焦燥感に駆られ、その場を動いてしまう。
ここで、荻野が持った疑問。・・・それは
「なぜ、迷子センターなりに駆け込んで、放送を掛けなかったのか?」
「子供が不安から探し回ってしまい、時間が経っているハズなのに。」
「そもそも、周囲の大人たちはなぜ、泣きじゃくっているこの子を助けなかった?」
・・・・・勘の鋭い方なら、この話の顛末を察したかもしれない。
だが敢えて言おう。
「それだけでは、50点」である。
実は、この話・・・既に解決済みの案件であり
事の顛末は全て、私にも聞かされている。
そして、同時に・・・その「異質さ」に空いた口が塞がらなかった。
この迷子の一件を「何かしらの事件」と考えた荻野は
こうき君を保護。
モール関係者にも話を通し、親御さんへの放送を掛けた。
・・・だが、待てども彼の親を名乗る人物は現れなかった。
益々深まる疑念。
そして、それを確信へと変える出来事が起こる。
「あのぉ・・・。」
そこには、老婆の姿があった。
老婆は語る。
「先ほどの放送を聞いてもしかしてと思って・・・。」
「お婆ちゃん!」
やってきた老婆を見て、こうき君は駆けよっていった。
「失礼ですが、この子のご親族ですか?」
「いえ・・・。実は3年ほど前にも此処でこの子と出会ってるんです。」
「はい?」
老婆が言うには、3年ほど前にも「迷子」で彷徨っていた
こうき君を助けた事があるという。
そして、その時も親は直ぐには現れず
迷子センター預かりとなり、老婆はその後の事を知らずに終わった。
老婆の証言から、荻野はこの一件を「虐待案件」へと切り替えた。
「これは間違いなく、意図した置き去りだろう。」
当時の同僚とも、そのような話をしていたという。
そして、幾つかの手続きの末
こうき君は、同僚の家に「一時的な預かり」となった。
この捜査の結末に、悲しき事実が隠されていた事を
私は今でも胸を痛めている・・・。
・・・なぜ「だった」という過去形なのか。
それは、体験者である我が友人「荻野」自身も
この出来事を忘れており、最近まで思い出しもしなかったという。
そして、その出来事を思い出した今でも
荻野は「そんな出来事あったかな・・・。」と頭を抱える事態となっている。
これから話すのは、彼の同僚によって思い出された荻野の記憶と
当時、その一件に関わった際の調書から作られた流れである。
某年
午前中、パトロールに出ていた彼等が
順路内にある「大型ショッピングモール」の傍を走っていた時。
彼は店先で泣きじゃくっている一人の少年を見つけた。
見た目にも「小学校 低学年」と思われる少年は「母親とはぐれた」のだそうだ。
少年の名前は「平坂 こうき(仮名)君」。
母親に連れられ、買い物に来た彼は
お菓子の陳列棚に目を取られた隙に、母親とはぐれてしまった。
以降、少しの間
モール内を必死に探したが、母親とは再開できず
不安の折、泣き出してしまったという。
・・・この時点で、優秀な我が友人「荻野」は
これが単なる「迷子」ではないと悟っていた。
そもそも、子供とはぐれた親も「恐らくは」必死に探していた事だろう。
だが、此処は「大型ショッピングモール」。
通信手段を持たない子供とはぐれた時、再会できる確率は低い。
賢い子供であれば、その場を動かず周囲を観察する事も出来るだろう。
だが、大半の子供は不安や焦燥感に駆られ、その場を動いてしまう。
ここで、荻野が持った疑問。・・・それは
「なぜ、迷子センターなりに駆け込んで、放送を掛けなかったのか?」
「子供が不安から探し回ってしまい、時間が経っているハズなのに。」
「そもそも、周囲の大人たちはなぜ、泣きじゃくっているこの子を助けなかった?」
・・・・・勘の鋭い方なら、この話の顛末を察したかもしれない。
だが敢えて言おう。
「それだけでは、50点」である。
実は、この話・・・既に解決済みの案件であり
事の顛末は全て、私にも聞かされている。
そして、同時に・・・その「異質さ」に空いた口が塞がらなかった。
この迷子の一件を「何かしらの事件」と考えた荻野は
こうき君を保護。
モール関係者にも話を通し、親御さんへの放送を掛けた。
・・・だが、待てども彼の親を名乗る人物は現れなかった。
益々深まる疑念。
そして、それを確信へと変える出来事が起こる。
「あのぉ・・・。」
そこには、老婆の姿があった。
老婆は語る。
「先ほどの放送を聞いてもしかしてと思って・・・。」
「お婆ちゃん!」
やってきた老婆を見て、こうき君は駆けよっていった。
「失礼ですが、この子のご親族ですか?」
「いえ・・・。実は3年ほど前にも此処でこの子と出会ってるんです。」
「はい?」
老婆が言うには、3年ほど前にも「迷子」で彷徨っていた
こうき君を助けた事があるという。
そして、その時も親は直ぐには現れず
迷子センター預かりとなり、老婆はその後の事を知らずに終わった。
老婆の証言から、荻野はこの一件を「虐待案件」へと切り替えた。
「これは間違いなく、意図した置き去りだろう。」
当時の同僚とも、そのような話をしていたという。
そして、幾つかの手続きの末
こうき君は、同僚の家に「一時的な預かり」となった。
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私は今でも胸を痛めている・・・。
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