廻・骸行進

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廻・呪物

こけし人形 1

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今回、お話する「呪物」は
私の持ち合わせる「呪物」の話の中でも、指折りに入る
「とても凶悪」なモノである。

私が、この呪物に関わる事になった切っ掛けとなったのが
凡そ6年前、ある人物から届いたメールだった。

その人物は、当時「呪物」を所持していた方で
既に亡くなっている。

その「呪物」が「こけし人形」だ。
木製の20センチ大の人形。
小さな布で専用の着物を作られ、ソレを身に纏っていたという。
見た目にも小さく可愛らしいその人形は
私が話を聞いただけでも、メールをくれた人物を含め三名が亡くなっている。

最初の所有者は、80代の女性。「田所さん(仮名)」。
二人目の所持者は「田所さんの息子さん」。
三人目の所持者は「篠崎さん(仮名)」。(この人物がメールをくれた方だ。)

篠崎さんのメールでは
こけし人形は、知り合い伝に譲り受けたもので
その知り合いも、当時連絡が付かなくなった。という事だった。

更に、篠崎さんの調べで
最初にこけし人形を所持していた「田所さん」が不可解な死を遂げていた事までは分かっていた。

当時、田所さんは70代後半に差し掛かった所で「肺がん」を患い
手術を要する入院をしていたという。
年齢も年齢だ。術後は体力が回復しても入院生活が続き晩年まで病院に居たという。

術後2年で左足大腿骨に「骨肉腫」が見つかり、発見当時、既に末期だった。

田所さんとその息子さんの意思で、見取りを希望。
大袈裟な治療は行わない事が決まった。

その後しばらくして、田所さんは亡くなったのだが・・・。
その死に疑惑を抱いた息子さんによって、病院側へ調査を依頼したそうだが
病院側は、死亡・退院手続きをそそくさと終えると
用がないなら帰れと言わんばかりに、彼を追い出したという。

では、息子さんが何を疑問に思ったのか。
篠崎さんの話では、息子さんから「自殺」であった事を聞かされたという。

病院の屋上から、飛び降りたのだそうだ。

しかし、息子さんの話では「第三者が介入しなければ、まず不可能だ。」という。

田所さんは、骨肉腫の発覚前後から足に痛みを訴えており
移動は基本的に車いすだったそうだ。

また、最上階から屋上へはエレベーターは通っておらず
階段を使用しなければならない。
更に言えば、屋上は職員用の喫煙・休憩所となっており
関係者以外の立ち入りを制限すべく、常に施錠されていた。

もっと言えば、屋上には最低でも140センチ以上のフェンスが設けられており
高い所では2メートルを超える場所もある。

そんな状況下
足に爆弾を抱えた老人が屋上から飛び降りるなど可能であろうか?

立ち入りの制限があった以上
病院関係者による手助けがあったのではないか?と疑惑を持ったとしても不思議ではない。

また、その後の対応の荒さも息子さんの不信感を煽るには充分だったであろう。

そんな折、母の遺品を持ち帰った中に
件の「こけし人形」があったのだそうだ。

見慣れないソレを不思議に思いつつも
彼は母の仏壇にソレを飾っていたという。

・・・その彼も、程なくして亡くなる。

死因は「餓死」だったそうだ。

篠崎さんが、彼等親子に辿り着いたのは
手元にこけし人形が渡ってから、5か月後の事だった。

直近の持ち主と音信不通になり
独自に調査を進め、たどり着いた親子の死。

篠崎さんの元に、こけし人形がたどり着くまでに
数名の手に渡っていたであろう経緯。
そして、直近の持ち主の音信不通。

それら全てに奇妙な繋がりがあるのではないか?

篠崎さんは、急に恐ろしくなったのだという。

こけし人形の処分を考えた彼は、そういった事に詳しい人物を探し
巡り巡って私の元に辿り着いたのだそうだ・・・。
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