廻・骸行進

メカ

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筆者メカの収集話・体験談

思い出の品を持ち出して! 5

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3度目の調査から数日。
今度は、私の方から拓海さんとの会談を申し入れた。

前回と同じファミレスで落ち合った我々は早速、本題へと入る。

「3回目に行ったお家ですが、閉めた筈の窓が全て開いていました・・・。」

兄妹の二人が揃う場では、しか伝えなかった。

3人で揃うその場では、あくまでも調査報告の一環として集まったのだが
私にはどうしても兄、拓海さんと話をしなければならないと思い
個人的な連絡先を聞いた。

妹の東さんが見ている傍だ、あくまでも
「お兄さんも必要なものがあれば仰ってください。」という名目だ。

会談は1時間ほどで終了。

帰っていく二人を見送りつつ、私は直ぐにスマホを手にしていた。

私の師「X氏」へ連絡を取る為だ。

私の考えが正しいのか、意見が欲しかった。

そして、その日の夕方。
私は拓海さんに連絡を入れた。

「もしもし?」

「どうも、メカです。
日中は、報告確認に来て下さりありがとうございます。」

「いえ、それでご用件は?」


・・・・・ここから、私の推論と現場の状態を披露する。

「あの場では、妹さんが居たのでお話できなかった事があります。」

「え?」

「実は、旧家の件ですが・・・荒らされていました。」

「どういう事ですか?」

「順を追ってお話します。」

・2度目の調査の際、窓を閉めた事を妹さんにも写メで報告した事。
・3度目は一週間空いた事。
・三度訪れた旧家で窓が全開になっていた事。
・家の中が荒らされていた事。

これら全てを拓海さんに話した。

「でも、なんで妹の前で話を出来なかったんです?」

「・・・それなんですが・・・。」

これには訳があった。

旧家が荒らされていたのは言うまでもないのだが・・・。
その中で、とりわけ酷く荒らされていた箇所がある。
察しの良い皆さんなら分かったと思うが・・・それが妹の部屋なのだ。
特に酷かったのは、衣類の散乱具合だった。
これは、両親の寝室も同じだった。

だが、そこで私が目撃したのは
女性ものの衣類ばかりが荒らされていた事だ。

流石にそんな話を年頃の女性の前でするべきではない。

更にもう一つ、旧家を出る前に確認した一室。

拓海さんの部屋だけが、何一つ荒らされる事無くきれいなまま残されていたのだ。

そして・・・三度目の調査終了の極め付けとなった出来事が起きた。

キッチンの捜索を終え帰ろうと玄関の方へ向かった時だ。

後ろから

「邪魔すんな、・・・です野郎。」

最後の言葉は上手く聴き取れなかったが、低い男の声が聴こえた。

私は反射的に振り返った。

・・・・・皆さんには分かるだろうか・・・・・。

振り返った後から来る
「やべぇ、振り返っちゃった。」という「恐怖心」と
「好奇心」から「直ぐに体が反応する」矛盾したリアクション。

頭では分かっていた。
「振り返っちゃダメな奴だ」

でも、そんな思考より先に「体が動く」。

振り返った先で、後悔する・・・。

先ほどまでと、階段上の空気が明らかに違う。

踊り場から上へ、視界が逸らせない。
今視線を逸らせば、あそこから何か「良くない者」が降りて来る。

兄、拓海さんがケガをしてから過激になった「現象」
妹が敏感に察知していた「怪異」
荒らされた妹の部屋、無事だった兄の部屋。

紛れもなく、狙われていたのは「妹」だ。

そんな推論を彼に披露していると
彼は段々と言葉数が減って行き、ついには沈黙してしまった。

・・・やはり、兄には何か心当たりがあったのだ・・・。
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