骸行進

メカ

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長編特集

宿題 その4 「祓う者」

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補装道を越え、砂利道を歩き数分。
石を踏み歩く音が、妙に耳に着く。
頭数は3人なのに、足音は4人分聞こえているんじゃないのか?とも思わせる程
足場の石は、複雑に音を立てていた。

そして・・・「アレ」が起きたのだ。

体調不良を訴え、遠藤の方を借りていた増田。
彼の一声で小休止を挟む。

道中かったペットボトルを片手に、水分を補給し一息を付いた時だ。

増田が、手にしていたペットボトルを落とし
急にがっくりと意識を失ったのだ。
幸い、彼は気にもたれて座っていた為、ケガはしていない。
だが、明らかに様子がおかしいのだ。

今思えば、ここで引き返すべきであった。
これが、最後通告だったのだろうと後悔している。

遠藤の軽いビンタで目を覚ました増田は、完全に焦点が合っていなかった。

遠藤と顔を突き合わせ「マズイんじゃないのか?」をアイコンタクトするも
もう手遅れだった。

立ち上がった増田は、急に腹を抱えるレベルでゲラゲラと笑い出したのだ。
それはほんの数秒間だったはずだ。
だが、常軌を逸したその奇行は、我々2人の度肝を抜き
体感時間を引き延ばすには十分だ。

止まらない笑い声に、パニックになった私は

「とにかく早く終わらせなければ。」

その思いで、遠藤に彼を羽交い絞めにしてでも連れていく事を指示した。

しかし、道中も延々と一人、ゲラゲラと笑う友人に
あそこまで恐怖を覚えた事は無い。

そして・・・。
我々は、キリストの彫像の前に到着したのだ。
十字架に掲げられた男性の像は、悲し気な表情であった。
我々2人は、宿題の為とはいえ神聖な地であるはずのこの場に
足を踏み入れたことを、彫像に祈る形で謝罪していた。

直後、増田が再び意識を失い
石碑などから歴史的な部分を書き出していくまでの間
彼を横にしておくことに決めた。

調べ物が終わる頃には増田も意識を取り戻し、我々は何事もなかったように
その場を後にした。

帰り道に確認した際、増田は
気分が悪くなった辺りからの記憶がはっきりしていなかったという。
肩を借り、自分の足で歩いていた事は覚えていた様だが
どれ位歩いた。とか、途中で休みを挟んだ。などの記憶はないのだという。
彼が言うには、ただひたすらに歩き続け
気が付いたら、横になっていた。との事だった。

私と遠藤は、付き合いが長かった為に
こういう場合、阿吽の呼吸で
「これは伝えない方が良い」を直感した。

その後、地元に戻って来た我々だが
その直後、体調不良を起こしたせいなのか
増田は、三日間もの間、高熱にうなされていた。

しかし、その後はけろっとしたもので
我々は、資料のまとめなどに尽力したのだ。

だが・・・
決して終わった訳ではなかった。
気付かなかっただけなのだ。
増田が・・・少しづつ変わっていた事に。
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