骸行進

メカ

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葬儀業者「島さん(仮名)」の話。

せせら笑う

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ある葬儀での出来事だそうだ。

ある著名人の葬儀だったそうだ。
その為、どの様な葬儀だったのかは詳しく語られていないのだが・・・。

島さんは、その葬儀で奇妙な人物に遭遇した。

島さんが、その人物に気付いたのは、お焼香の段階であった。

多くの参列者が涙に肩を震わせる中・・・
一人、静かに笑みを浮べながら肩を震わせていた。

『・・・何だアレは。』

一度、見つけてしまったその異常。
気にしない様に振る舞っても、どうにも気になってしょうがない。

その奇人がお焼香の順番となり、立ち上がる。

「・・・っく・・・くっくっく。」
口元をハンカチで抑えているが、その場に不釣り合いな笑い声が漏れている。

『非常識な・・・。』

島さんは内心、不快感を覚えながらもその人物を眼で追った。

だが、その人物は席に戻った後は落ち着いたという。

島さんが次にその人物に目が行ったのは「火葬中」のことだ。

皆、ホールに移り食事を摂り、漸くにぎやかさを取り戻しつつある中で
あの人物がまた・・・不愉快さを煽るのだ。

その人物は、ホールの隅の方で
一人「ケタケタとせせら笑いながら」ビールを飲んでいたのだという。

此処まで来ると「異常」だ。

他の職員に「あの人物は誰か」と訪ねたがその場に居た職員一同
首を捻り、答えが出なかった。

受付を担当した職員にも話を聞いたそうなのだが
そもそも「そんな人物は通していない」という。

それ以降も、その人物は周囲の不愉快を煽るだけ煽って帰っていったという。

だが、不思議な事に
私が島さんに「どんな人物だったか」を訪ねた時
彼は言葉に詰まった。

「・・・よく覚えていない」のだそうだ。

私は、改めて他の職員にも話を聞いてほしいと頼み
数日が経った。

しかし、他の職員も改めて思い出そうとするも記憶が曖昧だったそうだ。

ここで私は、島さんにある提案をした。

「亡くなった方の遺影を見て欲しい。」

その後に島さんの反応は想像通りだった。

「・・・この人だよ!」

・・・その葬儀で見た奇人は・・・亡くなった当人だったのだ。
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