骸行進

メカ

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筆者(メカ)の経験談。

スジモノの懇願 2

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あれから数日。

私はとある場所にある「事務所」に居た。

休日の土曜。
私は、渡された名刺に書かれていた連絡先へコンタクトを取っていた。
そこで指定された場へ向かい、そこに現れた車に乗り「事務所」へ案内された。

戸を開け、中に通されると
50~60前後の男が部屋の奥のソファに腰かけていた。
一見して、そこは応接間のような作りだった。

「棟梁、連れてきました。」

「あぁ!来たか!ほれ、さっさと通せって。茶!急げよ!」

男の声は大きく、正直五月蠅いとも思える程だ。
共に来た運転手に背中を押され、奥に通される。

「いやぁ、学生だって聞いてたが・・・まさかこんな坊主が来るとはな。
まぁ、いいや。こっち座れや。」

男はやけに上機嫌だった。
だが、私にとってはソレが返って恐怖だ。

「随分、落ち着き払った坊主だな。今、茶出すからよ。話はそれからだ。
その前に、坊主・・・名前は?」

「○○(本名)です・・・。」

「おう、そうか。それでよぉ。俺ぁ良く分からねぇんだけどな?
なんでも、ネットで体験談綴ってるって話だったけども。どうなんだよ?」

「事実です。」

「・・・そうか。」

男は腕組みをし、深く息を吐いた。

お茶が出されると同時に、男は言う。

「おい、誰か。『アレ』持って来い。」

間を開けず、机に出されたのは
薄い木箱に収められた、ある有名キャラクターのグッズだった。

「・・・あのぉ、これは・・・?」

「これが、坊主に見て欲しかったもんだよ。」

あまりに場違いなモノと、目の前に居座る顔とのギャップに
笑いそうにもなった。
だが、もしここで笑えばどうなるか・・・想像しただけでも恐ろしい。
即座に口元を片手で抑え、考え込むような体制へとシフトした。

「実はよ、これは『孫』のモンでな。
そろそろ小学校に上がるってんで、娘が買ってやったらしいんだがよ。
こいつが手元に来てから、どうにも孫の様子がおかしいってんでな。
でもよ、原因が分からねぇって来たもんでよ。それでも、諦めきれねぇって
娘が色々調べてたら、坊主が書き込みしてたネットに繋がったって訳よ。」

この時点で、色々とツッコミたい部分は多い。
だが、下手に刺激すれば何をされるか分からない。
何より、先ほどから
私の周囲を取り囲む数人の視線が怖い。

実の所、この威圧感のせいだろう。
この時点で、私は異変を感じ取っていた筈なのだが
『気のせいだ』と言い聞かせ、話を聞く事に集中していたのだ。

所々、大きな声に紛れてハズの声も
事務所内の「ほかの誰か」だと思い込んでいたのだ。

事実、事務所内では仕事の連絡をやり取りして居たりと
他の人たちの声も、それなりにあったからだ。

ここで、もっと違和感の正体を探れば、解決も素早かったはずだった。

だが、若干10代の少年が、世間的に恐れられている人種の「事務所」へ案内され
平然としていろ。と言う方が、どだい無理な話であろう・・・。
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