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1章
楓 9月19日
しおりを挟む青い空、さえずる鳥の声、優しい風。
そして、全力で走る 私。
朝8時に起きてしまった私…(涙)
私 住原 楓 が都立藤原女学院にただいま向かっています。あと5分で着かないと、遅刻になっちゃうから、全力疾走してます。
ようやく着いた教室には、クラスメイトのみんなが、ほとんど揃っていた。
「カエデ~ 遅ーい。」
親友の 西園寺 姫華が言った。
「ごめーん」
私はそう言いながら、着席した。これで遅刻は免れた。すると突然扉が開いた。
「みんなー、居るかー ホームルーム始めるぞー」
私たちのクラス 2年1組の担任 田端 育三郎 だ。名前は少々ダサいが、28歳のまだ若い、優しい数字の教師だ。
「そろそろ、体育祭のシーズンだ。みんな、やるべき事は、真面目にしろよー」
ほとんどの人は「はぁーい」と、気だるく返事をした。私も例外では無い。何故かって、楽しい夏休みが終わり、今日から二学期が始まるからだ。
体育祭の練習や、授業を受け、私は家路に着いた。姫華こと、ヒメも一緒だ。
「ついに二学期かー」
「体育祭は、ダルいけど、文化祭は、楽しみだねー」
私たちは、そんなたわいもない話をしながら、別れた。
家に着くと、父が先に帰っていた。
「楓、 おかえり~ 今日の晩御飯は、オムライスのデミグラスソースがけだよー」
父の住原 涼介は、元シェフのサラリーマンだ。
「ただいま~ 今日の晩御飯も美味しそうだね。」
住原家は、私と父の2人暮らしだ。私の母は、私が2歳の時に亡くなったらしい。私には、母の記憶がはほとんどない。唯一ある記憶は、母が私に笑いかけているものだ。
「さぁ、早く食べよう。」
「うん、いただきまーす。」
オムライスをひとくち食べた。すると、楓の口の中に卵の甘さと、ケチャップライスの塩っぽさが融合した。
「さっすが、お父さん。すっごく美味しいよ。」
「ありがとう。楓にそう言ってもらえると嬉しいな。」
私たちは、このように静かに過ごしていた。
この静けさが、これから先も続くと思っていた。
明日は楓の誕生日だ。
幸せな1日になるはずの誕生日。
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