浮気されたので。我慢する事をやめました。

弌壱弐撥

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何事も「ごめん」で済む訳ではない。【閑話】それぞれの転生者の視点2

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❇︎ ボンバー ❇︎

キラキラと眩く歓声止まぬステージに私は1人たった。

「♬みんなぁ楽しんでる?
☆ショーパブ〝Balon〟のムードメーカー
ボンバーちゃんよ‼︎よろしくねっ☆
それではBalonアイドルユニット〝チェリーガール〟の歌とダンスを楽しんでね♬
あと、お知らせですが暫く、私お休みしちゃいます。ボンバーちゃんの事忘れないでね〰︎」

「「ボンバーちゃん帰ってきてよ!」」

「みんなぁありがトーマスっ♬」

お客様たちと賑やかに楽しい時間を過ごした。

ーーーーーーー

「今週ぅも、ありがとぅ」

「「「「「お疲れちゃーん」」」」」

ここは、ニューハーフ ショーパブ〝Balonバロン〟お客様たちを夢の国から現実世界へお送りした後、仲の良い同僚達と〝お疲れちゃん会〟をする。

「ねぇねぇボンちゃん、マジで両方の除去手術するの?止めときなって‼︎」

「〝こんなんじゃなかった〟って思って自ら生命を絶った子を見て来たから心配なの!ねっ?考え直してよぉ。ボンちゃん」

「ホルモン剤だけでも、ほら、あたし、おっぱい出てきたし安全が一番よ」

性同一性障害の診断が降り、戸籍上〝女性〟を私は獲得した。

意外と大変のよぉ。
裁判所行ったり様々な手続きするから。

だけど、どうしても私はを心だけで無く身体もしたかった。

「心配し過ぎよぉ…でも、ありがと♡」

初めて、自分に〝性の違和感〟を感じたのは10歳の時…

レンジャーやライダーより魔法少女や恋に悩む女子のテレビが好きだったし。

〝カッコいい〟より〝かわいい〟が大好きだった。

それが事と気付いていながら態と自分自身に嘘をついて知らないフリをしていた。

思春期に入り気持ちは苛立ちに変わり、気付いたら非行に走り暴走族の総長まで、のし上がってしまった。

を隠すかの様に女の子達を食い散らかした時期もあったわ…

いくら、お互い割り切った関係だったにしても、今振り返るとアゼイルクズより酷かったかもね…

そんな自分と訣別したくて、大学を中退して、ありったけのお金を持って上京して私は〝Balonこの店〟のママに拾われた。

「ボンちゃんがウチに来て7年過ぎるのねー早いわぁ…で名前は何に変えたの?」
 
「名前はそのままにしました。規矩きくだけ変えようかと思ったんですけど、初めて親から頂いた名前プレゼントだから」

「そうなのねー」

「さっ明日は休みだから、みんな呑み明かすわよ」

これが私のBalonで過ごした最後の思い出…

私はタイヘ飛び、手術を受けた。

〝本当の性を取り戻す〟その一心に痛みも耐えたが、なかなか熱が下がらない、いつの間にか意識を手放したら、見た事ない顔ぶれのパーティーで、いきなり知らない男が女を片手に抱き寄せ婚約破棄を言い放っていたのだ…

も〰︎ここ、どこよぉ!
ーーーーーーーー

⌘  メイナ視点 ⌘

「この、泥棒猫‼︎」

白昼の最中、私は盛大に涙で泣き腫らした女に平手打ちを喰らった。

「ハッ!取られる、あんたが悪いんじゃ無いの?カレ、言ってたわよ、つまんない女だって…ハハハ」

「……ねぇ…しゅうくん、それ本当?」

バツが悪そうな顔をして彼女の男しゅうくんは頷く。

更に女は泣き出し別れを告げ去って行った。

「これで俺達、堂々と付き合えるよな?」

「はぁ?何で私が、あんたと付き合わなきゃいけないの?私は、あんたのオンナにバレたら終ー了ってわけ。じゃあバイバーイしゅうくん♪」

ーーーーーーー

「っクソ‼︎マジほっぺ痛い」

「自業自得でしょ(笑)あんたさぁ、その悪癖、直しなよ‼︎マジ、仕舞いには刺されるよ」

「っさいなぁ、どうしても、やめられないし、他人のものを奪った瞬間の、あのゾクゾクする高揚感が堪らないの♡」

自慢じゃ無いけど、私にと自負している。

見た目も多少自信はあるが、相手を惹きつけるか、本能的にわかる。

「歪んでるねー。どうなっても知らないよ」

「ご忠告どうも」

呆れ顔で友人は去って行った。

「あーあっ。なんか面白い事ないかな?この間はマジ面白かった。「この人チカンでーす」って言ったらみんな信じて、すぐに捕まって(笑)相手から示談金貰えて超ラッキーだった♪」

「やっぱり、アレはウソだったのね…」

地下鉄に向かう階段を降りようとしたら、声が聞こえた。

「貴女の悪ふざけで、あの人は命を絶ったのよ」

背中を押された感覚があったと思ったら私は階段から真っ逆さまに落ちて行った。

最期に目にしたのは大きなお腹を抱えた女性の姿だった。

ーーーーーーーー

「メイナ、貴女は可愛いから求婚の相手には困らないわね」

はぁ?メイナっ誰よ。
意味がわかんないんだけど…

見慣れない部屋に普段なら絶対着ない服装。

鏡を見たら〝小聡明いあざとい〟と言葉が似合う10歳くらいの少女の姿。

ヤッバ。
私。転生したんだ…。

私は、あの階段の転落で18歳の人生に幕をじた事を知った。

友達が言う様に後ろからしなかったが

だっさ。
自分の最期のダサさに呆れた。

「メイナ パンジーって聞いたことある名前ね、何だったっけ?」

暫く考えても、思い出せず、私は考えを放置した…理由は面倒だから。 

数年が経ち、学園生活を送り、見た目が好みで婚約者持ちの男が居れば、片っ端から弄び、傷ついた彼女達の顔を見て、快感を味わった。

結局、前世の友人にと言われた悪癖は生まれ変わっても、治らなかった。

だって落ちた男と、それを見す見す見逃したが悪いんじゃん、そんなに大事なら首に縄でも付けろっつーの。

そんな私に注意する、お節介な女が現れる。
ルリエラ ザイゼル公爵令嬢。
私とは対照的に目を引く美貌に見事なプロポーションに控えめな性格。

私は顔は可愛い部類で小聡明さをふんだんに活かし、マナーなんて面倒だから自由奔放。
スタイルはルリエラに比べたら、つるぺたスレンダー

至極真っ当に言う、この、お節介女ルリエラに腹いせしたくて、私は彼女の婚約者の王太子に近付いた。
ドジっ子を演じて、耳当たり良い言葉を適当に並べると、簡単に落ち、私に入れ上げる…ってか、チョロい。チョロすぎて逆に、こんなのが国の王になるって先がヤバいだろ(笑)

そして、王太子この男が婚約者に、婚約破棄宣言して、自分が転生したか思い知るのだった。

ーーーーーーーー

「今、此処で私、レクシェル王国、王太子アゼイル フェン レクシェルはザイゼル筆頭公爵令嬢、ルリエラ ザイゼルと婚約破棄を宣言する‼︎そして、メイナ パンジー子爵令嬢と婚約する」

んん?何か聞いたことあるぞ、このセリフ…

ーーーーーーーー

「もう、随分昔の漫画ですが〝子爵令嬢の私が王太子妃になるまで〟に出てくる悪役令嬢のルリエラ ザイゼルは本当に〝悪役〟だったのかな?って疑問に思っちゃうんですよね〝ノーブレス•オブリージュ〟?って言うんですか?彼女は自分の役目を全うしただけなんじゃないかなって…」

懐かしのアニメやコミックを題材にした番組で人気タレントの一言で騒ついた作品。

〝子爵令嬢の私が王太子妃になるまで〟今でこそ異世界転生だ悪役令嬢って手を替え品を替えと沢山あるが、この漫画は先駆けに近い物だったらしい。

子供の頃に、この漫画を見て育った大人達が集結してクラウドファンディングを募り、数量限定で、ゲームを販売する。

クラウドファンディングに投資者限定でアナザーストーリーチケットやラノベ2冊と非売特典があった。

私は、この作品を知っている。
プレイはした事ないが友人が親子でハマっていたらしく、ラノベを借りて読んだ。

対して突き刺さるものはなかったが2がメイナのハピエンとバッドエンが書かれていた。

ハピエンはまぁ所謂でメイナファンが満足するものだった。

問題はバッドエンの方…
国外追放されたルリエラは国を出る途中で盗賊に襲われて死亡されたと流れるが10年以上、王妃教育を受け、全てを知り尽くしている彼女ルリエラは消される…
それを知ったザイゼル公爵家は有りと有らゆる権力を使い、反旗を翻し王家を潰すのだ。

もちろん泣いて詫びるアゼイル、メイナは公開処刑。

メイナに至っては皆の前で陵辱されるのだ…

其れだけは絶対に避けたい私は、婚約破棄宣言後、暫くしてルリエラに許しを乞う様に唆す。

王太子妃なんてイヤ‼︎
楽して遊びたいし…

「イルくぅん。私は側室でも構いません。貴方の、傍に居るだけで幸せですから….イル君が王太子になる為にはルリエラさんが必要なんですよ」

「あぁ愛しいメイナ…君はなんて控えめなんだ…君が言うなら、仕方ないからルリエラあの女に謝ってやるよ」

私に口付けして母親側室の部屋にスキップしてアゼイル頭が軽い王太子は部屋を出たのだ。

アゼイルがチョロいヤツでよかったとマジで思う。


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