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出発
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夕焼けが辺りの空気を包んでゆく中、
私は1人埠頭へと向かっていた。
ろくに舗装もされていない道路を
少女が父親であろう人物と手を繋いで
立ち腐れた家の中に入っていく姿が、
妙に目に残った。
そうやって風景を流しながら
フラフラと歩き続け、
気着けば埠頭に着いていた。
海上には大きな客船が腰掛けていた。
かなり歳をとっている船だった。
彼が夕陽に照らされ、
今にも私に語りかけてきそうな。
そんな船がこちらに顔を向けていた。
係の若い男が船への案内を始めた。
この船に乗り私は国の最南端へと向かう。
されるがまま船の中へと案内され、
客室へと着いた。
かなり年季の入った扉は開けると情けない声で鳴いた。
薄暗い部屋に蝋燭が1人寂しそうに立って
いた。
私はベッドの上に鞄を投げ捨てるように
置いた後、写真をそっと机の上に乗せた。
客室は蝋燭の灯りのみで薄暗かったが
私には心地が良かった。
私は蝋燭の傍に小さな椅子を運び、
唯、それが衰えて逝くのを見ていた。
到着まで時間はある。
今は唯、この儚い命に果てが来るまで
傍にいることにした。
私は1人埠頭へと向かっていた。
ろくに舗装もされていない道路を
少女が父親であろう人物と手を繋いで
立ち腐れた家の中に入っていく姿が、
妙に目に残った。
そうやって風景を流しながら
フラフラと歩き続け、
気着けば埠頭に着いていた。
海上には大きな客船が腰掛けていた。
かなり歳をとっている船だった。
彼が夕陽に照らされ、
今にも私に語りかけてきそうな。
そんな船がこちらに顔を向けていた。
係の若い男が船への案内を始めた。
この船に乗り私は国の最南端へと向かう。
されるがまま船の中へと案内され、
客室へと着いた。
かなり年季の入った扉は開けると情けない声で鳴いた。
薄暗い部屋に蝋燭が1人寂しそうに立って
いた。
私はベッドの上に鞄を投げ捨てるように
置いた後、写真をそっと机の上に乗せた。
客室は蝋燭の灯りのみで薄暗かったが
私には心地が良かった。
私は蝋燭の傍に小さな椅子を運び、
唯、それが衰えて逝くのを見ていた。
到着まで時間はある。
今は唯、この儚い命に果てが来るまで
傍にいることにした。
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