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8 聖女襲来
しおりを挟むシャンテが絡まれた次の日から、なぜかマシルへの嫌がらせも無くなった。
「ゼクシア様のお陰で、最近なにもされなくなりました、有難うございます。」
(マシルに関係ない所で解決しました。とは言えんw)
「皆様と少しお話ししただけですわよ。(⸝⸝⸝^ࠏ^)ホホホ」
「どんなお話しをされたのですか?」
「ウッ!! (꒪꒳꒪;) き、貴族令嬢として恥ずべき行為です的な?」
「そうなのですね、ゼクシア様ですので効果は有ったのでしょうね。」
「( ̄▽ ̄;)アハハ…」
なんて事がありながら、半年が過ぎた頃、学院で妙な集団を目にするようになった。
中心に居るのは、ナントあの聖女である。
マシルをイジメていた連中も、その中に居た。
学院の庭で昼食を取っていると、聖女の集団がワラワラ歩いて自分達の方へ近付いている。
自分達の所へ向かって来ているのではないのだろうから、あまり関わり合いになりたくないので知らん顔でやり過ごそうと考えた。
「ゼクシア・アーレンツ様、でしたよね、以前、お会いした事は御座いますが、お話しするのは初めてですね。」
(ぇえ~ッ 俺あんたの名前、覚えとらんのだが?w)
「お久しぶりですね聖女様、教室も違いますし、こうしてお会いするのは陛下との謁見以来でしょうか?」
(とりあえず聖女様と呼んで誤魔化すw)
「私にご用でしょうか?」
「いつもガイゼル男爵令嬢様とご一緒のようで。」
「はい、マシルとは仲良くさせて頂いておりますね。」
(なんやねん(イラッ)
「公爵家のご令嬢と、男爵家の者とでは、釣り合わないのでは?」
「そうなのですか?貴女は家の階級で友人を選ぶのですか?」
「私は家格が釣り合わないと言っているのですが?」
「え?同じ事では?」
(それより聖女よ、お前は平民なんじゃないのか?家格が気になるんなら、なんで平民の横に伯爵令嬢がドヤ顔で立ってるのかな?それマシルをイジメた主犯だよな?)
「私は特に気になりませんよ?そもそも親の力や後ろ盾で大きな顔をしていると、そのうち自分では対処不可能な大変な事になるかも知れませんしね。私が公爵家の者だから言える事かも知れませんが。」
言い合いをしていたら、野次馬さん達が集まって来ましたよ?
なぜだか野次馬さん達の目が聖女達を白い目で見てる気がした。多分、気のせいw
あまりにも人が集まってきたので聖女達が去っていった。
これは、他力本願で勝ったのか?
「皆様、お騒がせいたしました、申し訳ございません。」
(とりあえず、こっちが被害者ヅラしとこうw)
「聖女様、凄いですね、あんな人達の中心に居ましたよ?」
「聖女の意向がどんなモノか分かりませんが、なんだか危ない感じがします。」
(あれ?あっちが悪役令嬢?いや令嬢じゃないな、悪役聖女?いやそれ聖女なのか?w)
そんなこんなで冬季休暇に突入するのだが、ゼクシードが忙しすぎてパンク寸前だとか。
どうした!?
で。店に顔を出してみた。
「あ、オーナー、シャンテ借りて良いですか?」
「どうしたんですか?」
「あれですよ、秋から注文が止まらなくて。」
店長がショーウィンドーを指差している。
あぁ、あの白いモコモココートか、確かに可愛くデザインしたから売れるだろうけど、そんなに?
「そんなに注文きてるんですか?」
「従業員総出で作っても追いつかない程に...( = =) 」
(それ、俺がシャンテとマシルの誕生日にプレゼントして、たいして寒くもないのに2人が着て歩いてたからなのでは…?( ˊᵕˋ ;) )
「外注する?同じクオリティにならないからダメかな?」
「いえ、既にどの店にも所属していない知り合いに頼んでいます。」
(そんな人が居るのか、内職?)
そしてシャンテが店の奥へ連行されていった…。
(これ、店とは別で工房いるんじゃないのか?でもヒットすんのは運だからな…。ヒットを見越して先に大量生産してスカ食らったら痛いし…。悩むなぁ。)
店先でウンウン唸っていると、やけに強面の男がやってきた。
「いらっしゃいませ。」
「あのコートありますか?」
ショーウィンドーのモコモココートを指差して言った。
意外に普通の人のようだ、外見だけで人を判断してはイケナイ。
(え?お前が着るんじゃないだろうなw)
「プレゼントですか?」
「あぁ、あのコートを欲しがってる人が居て。」
「オネダリされたんですか?」
「いや、好きな人に振り向いてほしくて…。」
(そんな怖い顔面で店に飛び込んできたら強盗と間違えられんだろうがw 純愛かコラw)
「あいにく、あの展示品しかなく、スグにご用意する事は出来ないかと。」
「あれダメなのか?」
「展示品ですか?少しお待ち下さい。」
店長に展示品を売って良いか聞いてみたら、展示してたら客が来るから売っぱらってくれだとかw
じゃ展示すんなよw
強面の男に、頑張って下さいとコートを手渡し、素っ裸のマネキンだけが残った。
(これ注文のコート作り終わったら春じゃね?w)
それから、手頃な工房がないか探してみたら、元染色工房があるとの情報を得た。
「ここですか?」
さっそく見に行ってみた。
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