公爵令嬢に転生した…俺…。

真條 沙織

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次の日の朝

朝食を王妃様と取る事になった。


「おはようございますグロッサリー様。」

「おはよう2人とも。したの?」

「グロッサリー様お下品ですよ?してませんけどね。」

「私は2人が城で暮らしてくれればいぃだけだから。」

「侍女と話してみます。」

「侍女ね。で、昨日、話せなかった本題です。」

「あの話しが本題だとは思っていませんでしたが、その為に来たんでした。」

「教会、まぁ教皇ね、以前より怪しい動きはあったのよ。」

「そうなのですか?」

「気が付いてなかったのね、教会が貴族を従えていたのよ。」

「そんな事が可能なのですか?」

「あの教皇、ワイグストって名前なんだけど、ジョムレー公爵家の者なのよ。」

「ジョムレー公爵家と言いますと、先々代の国王陛下の弟だった方が初代の家ですね。」

「そう、ワイグストは初代ジョムレー公爵の三男で、かなりの野心家だったの。」

「王位簒奪を企んだ?」

「教会の力でね。」

「ムリがありませんか?」

「そうでもないのよ、時間をかければね。」

「貴族を取り込んで勢力図を書き換える、とか?」

「まさにソレよね、時間はかかるけど、不可能ではないわ。」

「成し遂げる前に寿命が来そうですね。」

「そうね、おじいちゃんだしねw  で、痺れを切らして教皇は聖女を使って強硬手段に出たのよ。」

「精神干渉魔法ですか?」

「そう、貴女からの手紙で陛下が動いたの。」

「あの手紙が引き金になったんですね。」

「その前から期を狙ってたんだけど、なかなか動けないで居たのよ。」

「精神干渉魔法は、かなり広範囲でしたが、魔力じたいは微量のモノでした、そこそこの効力もあったと思います、あんな微量の魔力で広範囲の魔法を使えるモノなんでしょうか…。」

「それね、1人に精神干渉魔法をかけて操り、次も別の者に同じ事して、糸みたいに魔力で人を繋げるんだそうよ。繋げた後は、繋がれた者の魔力を使って別の者に魔力を流していたらしいわ。」

「そうすると、一人が一人に繋げているから、消費魔力量は微量になると。」

「そゆこと。それを全貴族にされたら教皇の勝ちだったんだけど、術者の聖女は学院でしか活動できなかったから、学院内の者しか操れなかったのよね。」

「お粗末ですね。」

「見切り発車したんでしょう、自身の寿命を考えたら、のんびり出来ないしね。」

「あ、おじいちゃん」

「そw 時間が無かったから強硬手段に出られたってのもあるでしょうね。 で。教皇の名簿にはアーレンツ家もあったわ。」

「えッ 」

「国王陛下や元老院と話した結果、今回の貴女の功績により、現当主を解任、グリシーズ・アーレンツが家督を継げる15歳になるまで、アーレンツ家長子であるゼクシア・アーレンツを繋ぎの当主とする。未成年であるゼクシア・アーレンツの後見人には、グロッサリー・ファルナストを起用する。だそうよ。」


(王妃が後見人? 監視役じゃなさそうだけど。)


「罪人となったアーレンツ家元当主コルディウスは、王城へ出頭命令を出し、捕らえて牢に幽閉しています。市井にアーレンツ家の事は広まっていないはずですので、家名に影響はないでしょう。そしてコルディウスの引き渡しには条件付きで応じます。」

「コルディウスの引き渡しは致しません、生涯幽閉でお願いします。」

「あら、イジメられてたの?」

「いえ、中途半端な野心を持っていますので、国の監視下で置いておこうかと。」

「中途半端な野心w」

「私を王妃にすると息巻いていて、シャンテを解雇した愚か者ですから。」

「そうだったわね、アルテに聞いたわ。」

「邪魔になったら殺処分して下さい。」

「父親よね?(^^;)」

「シャンテより大切な者はおりませんので、彼女を傷付ける者は容赦しません( ・ㅂ・)و ̑̑」

「また衝立の後ろで聞いてるわよ?」

「口説き中ですので問題ありませんよ。」




ゼクシアがアーレンツ家の仮当主となり、コルディウスの居なくなった屋敷には、シャンテも来てくれるようになった。

裁縫店ゼクシードは、コルセットをメインパーツに使用し、ソリッドフリルスカートのコルセットドレスを王妃様へ心臓バクバクしながら献上した
侍女達は、見たまんま胸から上に生地が無く、上半身が下着のコルセットに見えたようで、コメカミをピクピクさせていたが、グロッサリーは見た事のないデザインで、派手なワリに意外とシックなグレーカラーが気に入ったと歓喜し、ゼクシードは王妃御用達店の称号を獲得。
その影響もあってなのか、店名がそのままブランド名と認識され、ファルナスト国だけでなく、他国からも客が来るようになり、誰でも行けるリーズナブルな王妃の御用達店という、他には無い店として、とんでもなく忙しい店になった。
どんどん従業員が増え、ゼクシードのデザイナーに憧れる人達も居て、ゼクシアがデザイナーの指導をしている。


元染色工房は、ゼクシードワークスと呼ばれ、生産部門、教育部門に染色部門と、様々用途に使用され、多岐に渡り重宝されている。


孤児院はと言うと、ゼクシードで働いている11人が、孤児院に寄付という形で仕送りしているので、貧しい食卓を囲む事なく過ごせている。
そしてこれからもグイグイ人材をゼクシードに捩じ込みたいと考えた院長は、必死の形相でミルトに縋り付いて土下座までされたらしい。


ゼクシアが店を買収した当初の、シャンテを除く5人は、ゼクシードの主中として経営者側の重役になっている。


そしてアルテは、仲間の裏切りにより、英雄アールテストがゼクシードの従業員だと暴露され、店の宣伝に使われブチギレたアルテに、ギリ死なない程度にエグい仕事量を振られまくられ、仕事量と魔王の威圧で精神破壊寸前でゼクシアに救われた全従業員。

ゼクシアもビビる魔王だというのを真実だと思っていなかった報いである。
『アルテはけして怒らせてはイケナイ』と肝に銘じる職員達であった。

その影響により、更にゼクシードが巨大化する事件となった。



そしてゼクシアは学院を卒業し、アーレンツ家の屋敷でシャンテを追い回し、やっとキスを許してもらえる程度に進展していた。


「いぃぢゃんちょっとぐらい、先っちょだけ♡」

「なんですか先っちょってッ イヤですッ!!」





二章へ続くの?
(なぜ疑問形?)


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