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兄が邪魔
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少し冷めてしまったパンケーキを食べてる横で自己紹介を始めた父にイラッとしたが、まだ自分の名前も伝えてない事を思い出し名前と年齢だけは伝えた。
聞いてるのかいないのかよく分からないが、今はそんな事はどうでもいい。こんなにもやせ細ってしまうくらいに疲れて本当だったら寝てしまいたいたかったはずなのに、どうして出てきたのか疑問に思いながらも黙々と食べ終えるのを見届けてやっと父と朝陽の父親は手を振って遅めの出勤を見送り朝陽はシェルターに常備されてる服から父親が持ってきた服に着替えた。
「病院予約したから行こうか」
兄の言葉に小さく頷く朝陽の後ろ姿を追う。
番と認めるなら遠慮してほしいとは思うものの、兄が通常運転になったと見て番がベッタリ甘えてるのだ。しかも、なぜか同じ車に乗ってきて当たり前に付いてきている兄。
「かかりつけはどこ」
運転手に行き先を伝えなければ車を出せないので番に聞けば詳しく教えてくれる素直な子だ。
「Ωってわかってからずっと双葉総合病院」
この辺りでは一番大きい病院は家が経営してる病院だ。我が家の祖先を辿ればほぼ医者ばかりの家系で高祖父の代では永松医院を経営しつつ医療器具を発明し大当たりしたのをきっかけに、曽祖父が永松から双葉医院と名前を変えると同時に双葉医療器具の会社を立ち上げ、祖父が双葉医療器具の最先端技術を取り入れた病院を設立させて更に大きく発展させた。そして父が引き継ぎ、双葉医療器具から双葉メディカルと名前を今風に心機一転させた。
兄は気がついてるが番はまったくもって気がついていない感じだ。改めて畏まったりされたら面倒だからポヤポヤ親子に感謝しなければと思う。
「みれいってどう書くの?美しいに綺麗の麗って書くの?」
美麗又実麗を付けたいと母が言っていた漢字であるけど、父が初めて反対して美玲と父が考えてくれた漢字である。
最初で最後の大喧嘩が俺の名前決めだと肩を落として語る父の悲壮感は何とも言えない。なんで?と聞けば、俺が一生使う名前を簡単には決められないと語った。
女の子なら母さんが決めたものでも良かったが、お前は男だろ。自分の名前を嫌いにならないでほしかった。と、語ってくれた父。いつもは母さんと兄を優先する父なのに、ちゃんと俺も父の子として見てもらえてたと気がつき嬉しかった。父の子で良かったと思えたのが幼稚舎の時だ。
口で説明しても良かったが、俺は少しでも朝陽に触れていたいので掌に書いて見せた。
「へ~王へんに令って書くんだ」
「口で説明するなり免許を見せるなりすれば早いと思いますが」
どこまで付いてくる気か?とは聞けない相手に腹が立つ。が、朝陽は免許持ってるんだ。と、なぜかキラキラした目で俺を見始めた。
「免許まだ取ってないんだ。颯馬は昨日から行き始めたけど僕は来週から教習所に通うことになってるんだ」
車の免許を羨ましいと思う年頃ではある。それはわかるが。
「颯馬ってだれ?」
「颯馬は3歳からずっと同じ幼稚園に通って小中高校も同じ、そして大学も同じなんだ。3歳からの幼なじみの大親友」
にこにこ笑顔で説明してくれる可愛い番。だけど番の口から他の男の名前が当たり前に出るのは気に入らない。
「幼なじみで大親友ねぇ」
「家が斜め前の同い年だから自然と幼稚園から中学までは同じ。通ってた塾も成績もどんぐりの背比べなら選択出来る高校も同じになる。同じく大学も、どこもおかしな所は無いですから」
兄の指摘は的を射ている。おかしな所はどこもない。
頭ではわかってるのに感情だけが置いてきぼりになるのは初めてで上手くコントロールできない。
車は病院の正面玄関に停められ運転手が外からドアを開けた。
「ありがとうございます」
「ありがとうございました」
兄に習って素直な番は車から降りて丁寧に頭を下げてた。本当にいい子で良かった。兄に背中を押されながら病院内に入ったのを確認して運転手に声をかけた。
「ご苦労さま。何時になるか分からないから先に母さんの所に行って」
俺は帰国したばかりでまだ誰もついてない状態である。今運転手を務めてくれてるのは父さんが母さんのためにと立ち上げた民間のSP会社の社員だ。
「いえ、私は今日は美玲様に付くように仰せつかっておりますので」
父さんの指示はいつも的確で俺の先をいつも行く。簡単なことではないが父が母を守って来たように俺も今から朝陽を守っていかないと行けない。父を見習っていこう。
「ありがとう。外は暑いから中で待っててくれ、何かあれば電話するから」
「お気遣いありがとうございます」
SPを残してくれるなら先に言っておいてほしかったと思いながらも番の後を追いかけた。
そして、いつまで一緒に居るつもりなんだ。とはまだ言えない相手をどうやって穏便に帰ってもらうか考え始めたが、嫌われたり泣かせたくない番が居るので余り手荒な真似もできない。そもそも番と認めてはいるが信用はあまりされてる感じがしない相手に今までのような態度で接することも出来ない。本当にどう接していいか本気で悩む。
聞いてるのかいないのかよく分からないが、今はそんな事はどうでもいい。こんなにもやせ細ってしまうくらいに疲れて本当だったら寝てしまいたいたかったはずなのに、どうして出てきたのか疑問に思いながらも黙々と食べ終えるのを見届けてやっと父と朝陽の父親は手を振って遅めの出勤を見送り朝陽はシェルターに常備されてる服から父親が持ってきた服に着替えた。
「病院予約したから行こうか」
兄の言葉に小さく頷く朝陽の後ろ姿を追う。
番と認めるなら遠慮してほしいとは思うものの、兄が通常運転になったと見て番がベッタリ甘えてるのだ。しかも、なぜか同じ車に乗ってきて当たり前に付いてきている兄。
「かかりつけはどこ」
運転手に行き先を伝えなければ車を出せないので番に聞けば詳しく教えてくれる素直な子だ。
「Ωってわかってからずっと双葉総合病院」
この辺りでは一番大きい病院は家が経営してる病院だ。我が家の祖先を辿ればほぼ医者ばかりの家系で高祖父の代では永松医院を経営しつつ医療器具を発明し大当たりしたのをきっかけに、曽祖父が永松から双葉医院と名前を変えると同時に双葉医療器具の会社を立ち上げ、祖父が双葉医療器具の最先端技術を取り入れた病院を設立させて更に大きく発展させた。そして父が引き継ぎ、双葉医療器具から双葉メディカルと名前を今風に心機一転させた。
兄は気がついてるが番はまったくもって気がついていない感じだ。改めて畏まったりされたら面倒だからポヤポヤ親子に感謝しなければと思う。
「みれいってどう書くの?美しいに綺麗の麗って書くの?」
美麗又実麗を付けたいと母が言っていた漢字であるけど、父が初めて反対して美玲と父が考えてくれた漢字である。
最初で最後の大喧嘩が俺の名前決めだと肩を落として語る父の悲壮感は何とも言えない。なんで?と聞けば、俺が一生使う名前を簡単には決められないと語った。
女の子なら母さんが決めたものでも良かったが、お前は男だろ。自分の名前を嫌いにならないでほしかった。と、語ってくれた父。いつもは母さんと兄を優先する父なのに、ちゃんと俺も父の子として見てもらえてたと気がつき嬉しかった。父の子で良かったと思えたのが幼稚舎の時だ。
口で説明しても良かったが、俺は少しでも朝陽に触れていたいので掌に書いて見せた。
「へ~王へんに令って書くんだ」
「口で説明するなり免許を見せるなりすれば早いと思いますが」
どこまで付いてくる気か?とは聞けない相手に腹が立つ。が、朝陽は免許持ってるんだ。と、なぜかキラキラした目で俺を見始めた。
「免許まだ取ってないんだ。颯馬は昨日から行き始めたけど僕は来週から教習所に通うことになってるんだ」
車の免許を羨ましいと思う年頃ではある。それはわかるが。
「颯馬ってだれ?」
「颯馬は3歳からずっと同じ幼稚園に通って小中高校も同じ、そして大学も同じなんだ。3歳からの幼なじみの大親友」
にこにこ笑顔で説明してくれる可愛い番。だけど番の口から他の男の名前が当たり前に出るのは気に入らない。
「幼なじみで大親友ねぇ」
「家が斜め前の同い年だから自然と幼稚園から中学までは同じ。通ってた塾も成績もどんぐりの背比べなら選択出来る高校も同じになる。同じく大学も、どこもおかしな所は無いですから」
兄の指摘は的を射ている。おかしな所はどこもない。
頭ではわかってるのに感情だけが置いてきぼりになるのは初めてで上手くコントロールできない。
車は病院の正面玄関に停められ運転手が外からドアを開けた。
「ありがとうございます」
「ありがとうございました」
兄に習って素直な番は車から降りて丁寧に頭を下げてた。本当にいい子で良かった。兄に背中を押されながら病院内に入ったのを確認して運転手に声をかけた。
「ご苦労さま。何時になるか分からないから先に母さんの所に行って」
俺は帰国したばかりでまだ誰もついてない状態である。今運転手を務めてくれてるのは父さんが母さんのためにと立ち上げた民間のSP会社の社員だ。
「いえ、私は今日は美玲様に付くように仰せつかっておりますので」
父さんの指示はいつも的確で俺の先をいつも行く。簡単なことではないが父が母を守って来たように俺も今から朝陽を守っていかないと行けない。父を見習っていこう。
「ありがとう。外は暑いから中で待っててくれ、何かあれば電話するから」
「お気遣いありがとうございます」
SPを残してくれるなら先に言っておいてほしかったと思いながらも番の後を追いかけた。
そして、いつまで一緒に居るつもりなんだ。とはまだ言えない相手をどうやって穏便に帰ってもらうか考え始めたが、嫌われたり泣かせたくない番が居るので余り手荒な真似もできない。そもそも番と認めてはいるが信用はあまりされてる感じがしない相手に今までのような態度で接することも出来ない。本当にどう接していいか本気で悩む。
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