可愛いは正義 では男前は?

丹葉 菟ニ

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番の思い

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思い過ごしとかではなく、思いのままにワガママを言ってきた自覚は物凄くある。それも時と場合によりけりだけど両親や兄はダメなものはダメとハッキリ言われたりもしたが、基本は兄がかなり甘やかしてくれると幼い時から気がついていたから兄には遠慮なく甘えてた方だと自覚してる。
特に自分が弱ると幼い時の兄を呼ぶ口癖が当たり前に出てるのも自分でもよくわかってるけど直せないでいる。
兄はきっと気がついてくれるとわかってるのでなおさらこの癖を治したいとも思わないし、注意もされたこともない。
Ω性にしては、両親や兄に守られながらも本当に伸び伸びやってきた方だと思う。けど、他のΩがどんな暮らしをしてるのか知らないので僕個人の意見になる。

「でも、なぜ迷惑をかけても美玲さんだけが叱られると思うのかな」

「うまく説明できないけど、僕が叱られたりしないように上手く立ち回ってくれて代わりに美玲さんが叱られてくれる?」

「それは、朝陽さんが悪いことをしても代わりに謝ってくれるって、ことで合ってるのかな?」

「うーん、どうだろ。一緒に?違うな、共犯になったら僕の分まで叱られてくれる?、でも共犯ではなく僕一人だと・・・謝ったら許してくれる?かな?」

自分で説明してても上手く説明出来てない。自分で言っていても頭がこんがらがってきた。感覚的なものの言い方と云うのか、それとも、自分の思い込みなのか、この様にして欲しい、と思う願望なのか?
そもそも、全く知らない人のことを説明すること自体おかしいのでは?と、思い始めた。

「まだよく分からない、って顔をしてますね。今の質問はまたの機会に会った時にしましょう。朝陽君の運命の人、つまり運命の番の方と一緒にシェルターを使ってないって本当ですか」

「シェルターには連れて行ってくれた時に美玲さんの腕の中は今まで感じた事ない安心感で・・・した」

シェルターに連れて行ってくれた時の事を思い出しながら話してたら全身からの火照りが蘇り恥ずかしさで頬が熱くなるのがわかった。

「安心出来たんですね。それは番として安心でしたか?」

「それは、分かりません。シェルターに着いた時、僕は美玲さんに居て欲しかった。僕だけ置いて行かれたくなかったから居て欲しいってお願いしたのに。ごめんって言われて捨てられた気持ちになった」

「それは辛かったですね」

「外で待ってる。って、言ってくれたから。少し安心、は出来たけど、でも、居なかったらって思ったら、辛くて、寂しくて、、」

本当に心にポッカリ穴が空いてしまった。どうやってもこの穴はあの人でないと埋められない穴。初めて会ったのに初めてじゃないと僕の奥底から叫んでる。辛くて寂しくてずっと涙が止まらずにいた時の事を、どう言葉にしたら伝わるか分からなくなり黙ってしまった。

「ヒートが終わってシェルターから出たらちゃんと待っててくれたんですよね」

「うん、待っててくれた」

「良かったですね。2日前にヒートが終わってますから突発ヒートも直ぐに治まったと思います。番に気持ちを左右される事は有りますが、朝陽君はかなり揺れ幅が大きいですね。もし、本当に運命の番なら直ぐに安定もすると思いますが、余り感情のままに動かず1度立ち止まってお兄さんの真陽さんに相談する様に心掛けて下さい。勿論、私でも構いませんよ」

いつもはヒートの事を聞かれたりするから少し苦手なんだけど、今日は少し素直に話せたなと思いながら阿南先生にお礼を言って心療内科は終わった。
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