白昼夢の中で

丹葉 菟ニ

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一時の休息 3

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21時前にはウトウトと船を漕ぎ始めた徹を無理やり立たせて歯磨きをさせる為に洗面所に連れていった義姉さんとゲーム機を片付け始めた兄さん、果物やお菓子を広げてた皿を仲良く下げる母さんと父さん。

今がチャンスとばかりに鈴を立たせてそれとなく俺の部屋に連れ込んだ。

「片付け手伝わなくてよかったの?」

やっと二人っきりなれるチャンスなのに鈴は他のことを気にし始めてしまった。

「俺は早く二人っきりになりたかった」

素直な気持ちをそのままに言葉に告げ 鈴の首筋に顔を埋め甘すぎる匂いを胸いっぱいに吸い込む。
俺だけの匂いに脳の奥が甘く痺れ愛おしい気持ちが膨れ上がり 思いのままに鈴の首筋に舌を這わせる。
ピクっとくすみ上がる鈴に構わず噛み跡に舐め吸い上げると 鈴の口から甘い声が漏れが 突然慌て始めてた。

「あっ、だ、ダメ!絶対にダメだから!!」

「ダメじゃない。鈴のここから物凄くいい香りで俺を誘惑してる」

よく見ないと分からない自分だけのモノだという証が紅く染まってることに満足すると もう一度同じ場所に舌を這わせ舐め上げる。

「ダメ!そ、それに まだ風呂にも入ってないから」

「後で一緒に入るからかまわない」

「俺はかまう!!物凄く構うから!!」

俺を引き剥がそうと藻掻くが、俺の腕の中で子猫があたふたしてる感じで可愛くて自由にさせてるが離すつもりはまったくない。

「もぉー 離せぇーー馬鹿力!」

全力で俺の腕を引き剥がしに来たが、力の差が歴然としてる為に俺には鈴に軽く指圧して貰ってる程度にしか感じない。

「俺は鈴と離れて寂しかったんだ もう少しだけ甘えさせて」

ヘンな唸り声を上げて無駄な抵抗をやめて大人しくなった鈴を抱き上げてベッドに押し倒すと プクっと頬を膨らませてはいるが全身を赤くしてる鈴に優しくキスをする。閉じてる唇を開けて欲しくてトントンと舌先でノックをすれば戸惑いを見せながらもゆっくりと唇が開いてくれた。
口腔を隙間なく舐めると今度は舌を絡めタップリとキスを堪能する。
我慢が効かない俺の手は既に服の中に潜り込ませて鈴の滑らかな肌を撫で回しながらもキスに夢中になってる間に服を脱がせる。やっと気が付き目を丸くして驚いてる鈴を見れば自然と笑顔が深くなる。

「晃さん てっ 絶対に軟体動物だよね。手足が何本ついてんの?」

「・・・俺も一応 哺乳類に分類されるけど、鈴が望むなら最高の軟体動物になるよ。その代わり ここは最高に硬くするけどな」

斜め上の回答をする鈴の手を取り既に硬く反り返ってしまってる自身を握らせたると目を丸くして固まってしまった。
そうなっても仕方ないか。ヒートを除けば鈴を抱いたのは片手で足りる。それだけ 大事な番を構えずに寂しい思いをさせてる俺の責任でもある。俺が忙しすぎるのが悪いと猛烈に深く反省し始めるが、何を思ったのか ぎこちない動きで緩く俺のを扱き始めた鈴。

それに 鈴は忘れてるが、俺との約束を破り佐々木に会ったこと思い出させるために口を開きかけたが先に話し始めてしまった鈴。

「えっと、こんなに溜めてるのも身体に悪そうだから・・・・出した方が・・・健康になる・・・かもよ、ほらデトックス効果とか。アハ」

目を固く瞑り何を言い出したかと思えば、射精を飛び越してデトックスとまで言い出した。

さっきまで言おうと思ってた事が俺の中で粉砕してしまった。

鈴。俺の精液は身体の毒素か?
いずれは この精液で俺と鈴の子を作りたいと、本気で幸せいっぱいな未来を見てるのに、俺の精液を毒素と言われてしまった俺は精液って・・・

鈴に扱かれて身体は気持ちよくても、心の何処かで運命の番を寂しい思いをさせた罰だと、このまま 抱く事は許さん。と、デモを興してる自分が居る。

番を毒素を抜く性処理だけの相手にしか見てない!などと思わせたら後に厄介事にしかならない。

「鈴 やっぱり 先にお風呂に入ろうか」

「え!でも、コレはどうするの?」

コレと、緩く握ってた俺のモノをキュと僅かに力を込めて握ったて来た。そのままの力でもう少しだけ激しく動かして欲しい。そうすれば。僅かに残ってる理性が駆け足で去り、快楽に純情な己が頭も体も支配してくれる。
俺の精液はデトックスではなく、俺と鈴の大事な子を作るための種がタップリと入ってると教えて、種の仕込み方もこのまま実地で教えてやると実行に移してしまえる。
でも、ダメだと後一歩で押しとどまる。

「大丈夫、気にするな。それよりも先に風呂入りたかったんだろ」

鈴は1度決めたら、嘘や隠し事でも出来る子だろう。それは俺が許せる範囲を逸脱する事のないように、俺自身が特に気を付けて見て行くが、咄嗟の嘘や隠し事は苦手な感じだ。その証拠に、風呂の言葉に喜びはしたものの、本当に大丈夫なのかと、俺のイチモツを気にしてる鈴の素直な反応を見せる。

「そもそも こんなに恥ずかしげもなくガチガチにしてんだ、他で出してない証拠だと思えよ」

「他で・・・へぇーーそうなんだ。ぅん、そうなんだ。でも、ほら、晃さんは数少ない貴重なα様だし、その、・・・ね、絶対にモテるし声を掛ければナンパ成功率100%でしょ。それに、・・・それは、番って言ったて俺なんだし気にすることない」

「前半はどうでもいい良いし、ナンパなんてするつもりはまたくない。後半は運命の番以外の人間は全く魅力を感じないし、反応しないし。もし、俺が浮気をすれば、不能だのインポだの世界中の笑い者になるな。そして、鈴にバレて土下座して許しを乞う。鈴が許してくれるならどんなみっともない姿でも晒すし、喜んで隷属になってやる」

思ったままを鈴に伝えると俺には抱きついてきた鈴。

「えっと、その気持ちだけでも嬉しいけど隷属は行き過ぎな感じもする」

既に俺の中では鈴の隷属だ、鈴には逆らえない。鈴が望むものが俺の望むものでもある。隷属の報酬は鈴自身の権利を俺だけのモノにする。全ては鈴の為、1歩間違えれば俺は危ない奴なのかも知れない。でも、鈴は俺にとっての光で有り太陽だ。間違った道に俺を誘うことは無い。

俺の意思としては、そのままコトにおよんでも支障はないが、身体の対話を楽しむよりは、言葉の対話を楽しみたい。鈴が望む答えを的確に選びだし、 鈴を抱きあげて風呂に向かう。それでも身体の何処かを触ってないと俺が寂しい思いをするので、言葉巧みに鈴の身体を隅々まで洗いお湯の中に一緒に浸かる権利をもぎ取った。


話の内容はどうでもいい内容だ。

鈴の好きな色や花。好きな香りは金木犀だったけど最近はレモンかはちみつレモンの香りになったと答える。何故と問えば目を潤ませながら、ふつうの時の俺の香りがレモンで、ヤってる時がはちみつレモンらしい。全く気が付かなかったが、俺自身はわかりやすい反応を見せてる体の様だ。そんな俺の匂いを好きだと言ってくれる鈴。

「俺も鈴の匂いが1番好きだ」

言葉を交わさなくても俺の首に腕を回してしがみついて来た鈴を抱き上げて風呂を出ると、今度は抵抗なく素直に俺に身を任せてくれる鈴は今、声を抑えるのに必死だ。そんな姿に意地悪くなってしまうのは仕方ない。俺は鈴の声が聞きたくて攻めを少し過激にしすぎてしまうと涙目で睨んでくる鈴に俺は自然と煽られてしまい 少々やり過ぎてしまった感は否めない。
ぐったりと横たわる鈴を抱き上げて風呂に入りシーツを替えて鈴を横たえる。
真っ白なシーツの上に天使が背を丸めてスヤスヤと眠る。この瞬間だけでも幸せを感じる俺は間違いなく世界一の幸せ者だ。
軽い布団を掛け、天使の横に自身も身を滑り込ませると擦り寄ってくる鈴に腕枕をしてそのまま抱きしめ眠りに付いた。

今日は充実した思い出に残る1日になった。

朝起きれば、家族の前でギクシャクして可愛い鈴。昨日、俺と鈴との間に何があったなんて言わなくても家族は分かってる。
そんな事は分かるはずもない鈴は、1人赤面してる鈴を見てはクスッと笑っている家族。俺の運命の番は家族に受け入れてもらえて改めて嬉しいと感じた。

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