赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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川には入らない
少しでも危険だと思えば帰ること 
森には入らない
遠くに行かない
例えかすり傷でも怪我は怪我 直ぐに帰ること
適度に休憩を挟むこと
演習に行ってる人達よりも前に帰ること

お前さんは俺の親父かってなくらい口喧しいけど、適当にハイハイと聞いてたら復唱しろと来た。3つ答えられだけど後が駄目だった為に頭から繰り返し聞かされて復唱させられてやっと許可が降りた川釣。



演習に出向いて行く騎士団を見送るとロバーツさんについて初めての川釣りに来ていた。

教えてもらいながら何度か餌を取られながらもコツを掴むと1匹釣り上げると次々と釣り上げる。

「お上手ですよイオリさん。その調子なら今晩の夕飯が一品増えて豪華になります」

ロバーツさんは22歳の第三騎士の団員だ。既婚者で2人の子持ちとかスゴすぎい。俺はよく分からない反抗期だったしな。

「ロバーツも先程から 止まらないですね。うわぁ 大っきい」

「この魚は身がピンク色で この時期は脂がよく乗って美味しんですよ」

シャケと似てるのかな?それなら美味いだろうな。

「イオリさん!引いてますよ」
「あっ!ホントだ 、よっと・・・ロバーツと一緒ですよ」

「私もまた 来ました」

『その川魚は市場に出せば1番人気で 美味い、いっぱい釣れば皆 喜ぶはずだ』

『そうかな?喜んでくれると嬉しいな』

時間いっぱいになり、心配した仲間の騎士の人が迎えに来てくれたことで、大量に釣れた魚を持って帰ると 調理担当のブロッドさん達が手早く捌いて ムニエルに焼いていく。

ブロッドさんに頼み一匹だけ素焼きにしてもらい 桔梗に食べてもらった。

「桔梗 おいしい?」

『最高に美味しい』

「そっか 良かった」

「ただいま イオリ。沢山釣ったそうだね。イオリは釣りの才能があるのかな」

「それはロバーツの教え方が上手かったからですよ。お子さんが2人いらっしゃるとかで理想の優しいお父さんそのままで 憧れますね」

「イオリのお父さんは厳しい方だった?」

「父親は居ません 顔も知りません」

「そう、母親は」

「俺を生んでくれた人は居ると思いますが知りません。俺の母親は桔梗です。ね、桔梗」

俺なりに考えた答えが、つらつらと出る。母親を桔梗にしたのは人の言葉が喋れないから好都合だったから。

「番の証って聞いたことない?」

「・・知りません?なんですか?」

俺は女性と恋したい。男とか ましてや人知を超えたやつなんてとんでもない。

「そう、キキョウとはどれくらい居るの?」

「気がついたら側に何時も居てくれたのが桔梗でした」

「ここが何処か知ってる?」

「馬鹿にしてます?森の中ですよね?その位わかります」

「いや、馬鹿にしてるつもりは無い。悪かった。この演習が終われば、私と共に私の家に住まないか?」

「いや、 絶対に嫌。桔梗と離れるなんて出来ない」

ちょっと 大袈裟な演技で桔梗の首回りに腕を回して拒否の意向を表して見せた。

「あぁ イオリお願いだから悲しまないで。大丈夫、大丈夫だからキキョウも一緒に私の家に住めばいい。不自由はさせない」

嫌々 それは困る 俺は貴方とでは無く女の人が良いから。

「・・・考えてみます」

「困った・・・・」

困ったなんて言いながらも笑っていられるって事は本気で困った事にはならないってことだろ?





「イオリが釣ってきた魚だと思うとより一層美味しさが増す、最高のディナーになったよ」

すっげぇ 大袈裟な表現力はこの星のやり方なのかもしれない。慎み穏やかさが売りの地球の日本人の俺に大袈裟パホーマンスはちょっと痛い人に見えてきた。

人間性に付いて聞いてこなかった俺の責任だな。
大袈裟パホーマンスと人知を超えてさえければもう少しマシなのかも知れない。




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