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チャプター2:「凄惨と衝撃」
2-7:「Tentacles Dominance」
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町の城門――であった場所に、敷き詰まり積みあがった大量の瓦礫。
「あ゛ぁ……何が……」
その麓。そこに虫の息になりながら、地面を這っている一体のオークがいる。状況を全く理解出来ていないまま、弱弱しく藻掻くオーク。
――そのオークの目の前。積みあがった瓦礫が、無駄に盛大な音を立てて、吹き飛んだのはその瞬間であった。
「ひッ!?――な、何……!?――」
飛び散る瓦礫に、上がる埃や煙。
それを、正体不明の攻撃の再来かと思い、怯え狼狽える声を零すオーク。
「――こきぇッ」
しかし、次の瞬間。突如としてオークの口から、一転した乾いた悲鳴ともつかぬ声が漏れ上がった。
見れば、オークは何者かの足に踏みつけられている。
オークの首はあってはならぬ方向に曲がり、白目を向き泡を零している。すでに絶命――即死していた。
その直後。立ち込めていた埃煙が割れるように晴れ、オークの頭を踏みぬいた足の主が、その姿を現す。
「――っとぉ」
埃煙が割れて晴れると同時に、上がるそんな声。
足――戦闘靴を履く足と、その声の声の主は、誰でもない制刻であった。
「いらねぇクリティカルを、打っちまった」
オークの頭部を、意図せずして見事に踏み抜き仕留めた制刻は、しかしつまらなそうに零した。そして息絶えたオークの身体を、まるで散らばる瓦礫と区別していないかの様子で、蹴って除ける。
「ハンパねぇ図太さだ。まだいるかもな」
そして続け呟きながら、制刻は片腕を翳し、自身の背後に指先でジェスチャーを送る。その制刻の背後から、未だ微かに立ち込める埃煙を抜け、また別の人影が姿を現す。
敢日と、そして策頼だ。
制刻率いるエピックユニットは、瓦礫と化した城門を越え、埃煙を潜り抜け、この瞬間に町の内部へと踏み込んだ。
瓦礫の山を降り、制刻等は距離をいくらか取った雑把な隊伍を組む。そして城門を越えた先に設けられた小さな広場空間へ、警戒を周囲へ向けながら歩みを進める。
制刻は、敵地に踏み込んだ身とは思えない、悠然としたまでの動きで進んでゆく。その片手には、普段の93式5.56mm小銃から換装し装備した、M870MCSショットガンが見える。オークや触手等のモンスター類を相手取る上で、制圧力のある火器が必要であろうとの判断から、換装された物だ。
しかし当の装備者たる制刻は、それをあまりアテにはしてない様子で、適当に手先で弄んでいる。
そんな制刻の一方。
後続の敢日は、隙のない警戒の姿勢を取りながら進んでいる。その手に構えられている獲物は、彼の十八番であるお手製の工具改造武器。しかしそれは、それまでのネイルガンやエアライフルとも、何か違っていた。そして、さらにその斜め後ろを、策頼がM870MCSを構えて、警戒の姿勢を維持しつつ、殿を務めている。
「ッゥーー」
敢日は口を鳴らしつつ、視線と改造工具を右へ――スッと身を捻り向きを変え、左へ。頻繁な体勢姿勢の変更で、各方へ警戒の目と意識を配る。
そして敢日の身は、砲撃の影響で倒壊した、一軒の建物家屋の傍を通りかかる。
――その時であった。家屋の影――死角より、何かの物体が飛び出してきたのは。
蛸。いやヒトデ、イソギンチャクに類似しているだろうか。赤黒い色合いで、そして長く太い軟体が、固まったようだ物体。しかしその塊の大きさは、直径でおよそ3mはある。
その正体は、触手。
この異世界では、触手獣と呼ばれている魔物の一種。モンスター。
砲撃を生き延び、倒壊家屋に身を潜めていたのであろうその一個体が、飛び出し敢日に襲い掛かってきたのだ。
飛び出し跳躍し、敢日の頭上を取った触手のモンスター。その長く気色の悪い何本もの触手の先が、次の瞬間、打ち出されるように伸びる。
その先端で、敢日の身を貫く腹積もりか。何本もの触手が、今まさに敢日の身を襲う――
――ガンッ、と。
鈍い金属音のような物――いやまさにそれが響き渡ったのは、その時であった。
同時に、肉が弾け、裂かれるような嫌な音が響く。
敢日が餌食となった音か――否。
見れば、敢日は健在。そして視線を移せば、今その瞬間――先の倒壊家屋の残った壁の部分に激しく叩きつけられ、そして血と肉を飛び散らかす、触手の身体が見えた。
視線を戻せば、敢日は険しい眼と同時に、その手にした改造工具を触手に向けてる。
今敢日の手にあるそれは、〝ネイルシャワー〟。
それまでのネイルガンと同じく釘打ち機からの改造品。しかし、マシンガン的な運用をするネイルガンと異なり、それは束ね纏めて装填した多数の五寸釘を、一度にしてシャワー状に打ち出す機構を持つ。フレシェット弾に類似するか。ともかく釘を散弾として打ち出して相手を殺傷する、工具改造の凶悪な得物であった。
そんなえげつない代物からの、五寸釘のシャワー。それを諸に浴び、そのパワーで返り討ちにされ吹き飛ばされた触手個体は、叩きつけられた倒壊家屋の壁より、ずるりと落ちてべちゃりと地面に落ちる。
しかしその生態、特性から図太い生命力を持つのか。触手個体はすぐさま、再びその身を打ち出そうとするモーションを見せる。
が。それよりも早く、再びの鈍い金属音が響いた。
同時に触手個体を再び釘のシャワーが襲い、触手個体はその身を、肉を貫かれ削がれ、そしてその衝撃で弾け飛び地面を転がる。
それは疑うまでもなく、敢日からのネイルシャワーの二射目。
一撃目では触手個体を無力化できていないと、敢日は瞬時に判断。迷わず、すかさず、二射目を触手個体に叩き込んだのだ。
「ッ――」
さらに敢日は、触手個体との距離を必要最低限、数歩分詰める。同時にネイルシャワーのスライドレバー――再装填装置を引き、グレネードランチャーのように巨大なシリンダーに収められた、次の釘の束――シェルの再装填を完了させる。
そして容赦なく、触手個体に向けて三射目を叩き込んだ。
釘のシャワーの暴力に三度襲われ、触手個体は弾け転がる。そしてその先の隣接する倒壊家屋の片隅に、べちゃ、と叩きつけられる。
襲い掛かってきた当初の凶暴な様子はまるで鳴りを潜め、最早まともに動く事も叶わない様子で、触手個体は片隅で、ピクリピクリと痙攣している。
「――」
しかし敢日は、冷酷な眼でそれを見ながら再装填。触手個体に向けて、無慈悲に四射目の五寸釘の雨を叩き込んだ。
「――仕留めた」
ネイルシャワーを引き続き構えたまま、敢日は冷たく呟く。
彼の視線の先、足元には、触手個体――であった物。今や文字通りミンチとなり、ピクリとも動かなくなった肉の塊が、出来上がっていた。
「ッ――嫌なしつこさだ」
自信を襲撃してきた気味の悪いモンスターの撃退、無力化の成功した敢日。しかしそれに、凶悪な威力効果を持つネイルシャワーによる攻撃を、四射も要した事。その事から、触手個体の存在を改めて脅威と感じ、敢日は忌々し気に言葉を零した。
「解放。大丈夫か」
そんな難を逃れた敢日の元へ、声が飛んでくる。先行していた制刻からの、安否を問う声だ。
敢日が見れば、制刻はこちらに視線を向けつつ、引き続き手先でショットガンを弄んでいる。
「あぁ、なんとか……――ッ!!」
掛けられたその声に、戸惑い混じりに無事な旨を返そうとした敢日。しかし――敢日は直後に、その眼を見開いた。
敢日の視線の先。制刻の背後に、いくつもの巨大な影。触手の姿があったからだ。
5匹、いや6匹はいる。ミミズのような環形動物状だが、その全てが目測5m以上。胴の太さはまるで大木。今しがた敢日が屠った個体とは、比較にならない程の巨体を持つ。
まだ形を保っていた家屋建物に身を隠していたのであろう、その各所から現れた様子が分かる。
そして何よりその全個体が、一斉に制刻に向かい跳ね飛び、今まさに襲い掛からんとしていた。
「自由――ッ!!」
警告の怒号を発し上げる敢日。
だが瞬間。真っ先に迫った一匹の触手が、その巨体をしならせて、制刻の身を押し潰す――
――かに見えた。
しかし、それは起こらなかった。
なぜなら、襲い掛かった触手のその巨体は、目標である制刻の身を前にして、どういうわけか動きを止めていたから。
「――は?」
思わず声を零した敢日。
敢日はそこから、目を凝らしてよくよく先の光景を観察する。しかし、やはり光景は変わらない。触手は制刻の身に届く寸での所で、その巨体を停めている。
さらにそれは、真っ先に襲い掛かった一匹目に限らず、周囲の他個体も同様であった。
また、その他に確認できる変化といえば、制刻が背後。触手達の方向へと振り向いている事くらい。
――いや。それこそが、触手達が動きを止めた要因であった。
制刻は自身に迫った触手達を、その独特の眼からの視線で、見止め射貫いている。
そう。制刻はそれだけで、触手達の動きを封じたのだ。
一見、何の変哲もない行為。しかし、その視線に射抜かれた触手達に走ったのは――本能的な恐怖であった。
危機感。未知への恐怖。得ないの知れない、体の芯に直接訴える、生命の危険。
それ等が触手達を襲い震わせ、その巨体の動きを封じたのだ。
「――ステイだ」
そんな身を硬直させた触手達に向けて、人差し指を軽く突き出し翳し、一言発する制刻。
それに対して、身悶える。あるいは、身を少し引く等の動きを見せる触手達。恐怖と嫌悪を体現したような魔物達が、しかし制刻という存在を前に、狼狽え慄いている様子が、ありありと分かった。
「うっそだろ――」
そんな光景に、思わず零す敢日。
制刻とは長い付き合いであり、その規格外さについては、よくよく知っているつもりであった敢日。しかし、流石にモンスターを視線の一射抜きで封じて見せるとは、想定の範疇を越えていた。
「……ん?」
しかし、そんな動きを封じられた触手達の、その様子にさらなる異変が見えたのは、直後であった。
触手達の見せていた、身悶えの動き。それが異質に、明確に荒く激しくなり出している。いや、違う。触手達を襲っていたのは、激しい震え――痙攣だ。
震え、明確にその巨体に異変を見せ始めた触手達は、そして次の瞬間に、揃って激しく暴れ始めた。
その巨体をうねらせ、振り回し、のた打ち回る触手達。それはどう見ても、触手達自身の、意図した物には見えなかった。
まるで何かに苦しむように、暴れまわる触手達。挙句地面に自らその身を叩きつけ、あるいは倒壊した家屋に突っ込み、その巨体を傷つける。果ては、触手同士で身を叩きつけ愛、絡まり共倒れになる個体まであった。
「っと」
制刻の近くにも、一匹の触手がその巨体を叩きつけた。
しかしそれが自身の体を逸れ、支障ない物であると判別できていた制刻は、回避の手間すら取らずに、立ち構えた姿勢で、一言零すだけ。
そして巻き上がった土煙を、鬱陶しそうに払う。
「ッ――どうなってるッ」
一方の敢日は、唐突に暴走を始めた触手達の様子に、懐疑の言葉を零す。しかし零しつつも、その原因もまた制刻であろう事は、なんとなく予想がついていた。
「自由、そこを――ッ!?」
ともかく、暴走する触手の渦中にある親友に、退避を促そうと声をした敢日。しかしその時、敢日は自身の真横、すぐ傍に巨大な気配と、そして殺気を感じる。
横を向けばそこに、一体の巨大な触手の姿があった。
見るに、今制刻の周りで暴れている物と同種。そしてその巨体を、大きくしならせている。間違いなく、敢日を襲い叩き潰さんとするモーションだ。
(まず――ッ)
迎え撃つ。いや、回避――。
唐突な事態を前に生じた、一瞬の迷い。隙。
その遅れを突き、触手の巨体が敢日に迫る――
ギャチッ――と。
何かを叩くような。いや何が肉同士が激しくぶつかるような、心地の悪い音が響き聞こえたのは、その時であった。
「――ッ!」
そして、襲撃を前に覚悟し身構えていた敢日は、直後に目を向き驚く事となった。
彼の視線の先にあったのは、ぶつかり合い激しくしなり、仰け反る二匹の触手の、その巨体だ。
一体は、今しがた敢日に襲い掛かってきた個体。もう一匹は敢日の死角、別方向より突如現れた新手であった。
どうにも新手の方の触手が、敢日を襲おうとした方に、体当たりをかましたようだ。敢日を襲おうとした方の個体は、そのまま吹っ飛ばされて宙を舞い、その先の倒壊家屋に突っ込んだ。
「――敢日さん、大丈夫ですか」
先で巻き起こった光景に目を剥いていた敢日に、端より声が掛かった。
敢日が視線を移し向ければ、そこに居たのは、他でもない策頼であった。
そしてよく観察すれば、新手の触手の太く長い胴の先。尾にあたると思しき部分は、策頼の足元まで伸びている。そして策頼は履いた戦闘靴で、触手の尾を踏みつけていた。
「あ、あぁ……」
状況が飲めないまま、掛けられた安否確認の言葉に、生返事で返す敢日。
「何がどうなって……――ッ!」
続け、何か事態を掌握している様子な策頼に、尋ねる声を掛けようとした敢日。
だが、新たに感じ取った気配と殺気に、敢日はそれを中断し、視線を移す。
見れば、別方よりまたしても、身をしならせ襲い来る別個体の触手の姿があった。
「大丈夫――」
しかしそんな脅威の迫る状況に反した、冷静な声が策頼より飛ぶ。
「やれ」
そして策頼が続け発したのは、端的で冷たい、命令の一言。その相手は、尾を踏みつけている触手。そして策頼は同時に、踏みつけていた触手の尾を、より強く抓るように圧っした。
瞬間、尾を踏まれていた触手は、痛み――いやまるで恐怖するように、その巨体を跳ね上げ、身悶える。
そして次の瞬間、まるで追い立てられるように跳ね飛び、そして襲来した触手とぶつかった。
「ホントか――?アレを、操ってるのか……?」
再びの触手同士のぶつかり合いを眺めながら、敢日は呆気に取られた様子で呟き、続け策頼に尋ねる。
ここまでの、そして今しがたの様子流れから。策頼が触手を操り従えているらしい事は、最早想像に難くなかった。
「長くは持ちませんが、脅かせば少しの間は利用できます」
そんな敢日の尋ねる言葉に、策頼は冷たく。そしてどこかつまらぬ様子でそんな回答を返した。
そして視線で、先の触手達の方向を指し示す。
見れば、策頼の差し向けた触手は、襲い掛かってきた触手を退けていた。
しかし、その策頼に従っていた触手も、何か様子がおかしい事に、敢日は気付く。
触手のその動きは、目に見えて緩慢になっていた。そして、痙攣している事が遠目にもわかる。目に見えて観察できる触手の異常。そして次の瞬間、触手は持ち上げていた半身をぐらりと崩して落とし、地面に沈んで土煙を上げた。
「あぁ、ダメになった」
視線の先で、地面に体を沈めて痙攣する触手。
その姿を見ながら、策頼はつまらぬ様子で一言呟く。それは、まるで安物の玩具が壊れてしまったかのような物言いであった。
「……」
そんな策頼の冷酷を体現したような姿に、敢日はなんとも言えないといった表情を浮かべる。
「終わったようです」
そんな敢日の内心を知ってか知らずか、策頼は敢日に向けて、視線で周囲を促しながら、そう言葉を寄越す。
それに倣い敢日が周囲を見渡せば、周辺に見えたのは、今しがたの触手同様に、地面に沈み虫の息となった数々の触手達の巨体。
さらに、先の迫撃砲の砲撃で無力化されたオーク達や、小~中サイズの触手の亡骸が、添え物のように散乱している。
どうやら町の入り口の無力化、制圧は完了したようであった。
「無事のようだな」
周囲を見渡していた敢日に、今度はまた別方向より、そんな声が掛かる。
振り向けば、先と変わらぬ位置に、最早疑うまでもなく健在の、制刻の立ち構える姿がった。
おまけに制刻の周囲には、虫の息の巨大な触手達が、弱弱しい動きで這い寄って来て、取り巻いている。そして触手達は震えながら、その頭に当たる部分をもたげてる。
まるで制刻を主と認識し、制刻に対して慈悲と救いを求めているかのようであった。
しかし制刻は、無慈悲にも触手の内、手前に居た一匹の頭を、片手間に踏みつけ潰す。
そして触手の頭を踏みつけて、その体躯に反した軽やかさで飛び越えると、最早触手達には興味も示さずに、敢日等の方へと歩み戻って来た。
「よぉ。何が全体どういう事なんだ……?」
歩み寄り合流した制刻に向けて、敢日はいの一番に正直な心情、疑問を発してぶつける。
「あぁ、そういや解放には、説明してなかったな」
それに対して、失念していたと言った様子で、端的に発する制刻。
「どうにも、俺や策頼は、特定のモンスターをパーにできる体質らしい」
そしてシンプルにそんな言葉で、ここまでの一連の現象。触手が暴走し、果てに無力化された理由を説明して見せた。
「どーいう理屈なんだ……?」
説明を受けた敢日は、しかし疑問が深まったといった様子表情で、続け質問の言葉を発する。
「カラクリは、まだ判明してねぇ。ともかく、俺等と一定距離まで近づいた特定のモンスターは、勝手にラリってダウンするようだ」
対する制刻は、今のところ判明している事実だけを、また淡々と告げて見せる。
「魔法現象に対しての耐性には、個人差があるようです。それに関係、延長するものかと思います」
制刻のその言葉に続け、端より策頼が補足する言葉を紡ぐ。
「まぁ、利用できるモンは、利用させてもらうだけだ」
最後に締めくくるように、制刻は淡々と発する。
「ったく……こっちに来て、怪物度合いがさらに増したな……」
そんな制刻の様子態度。それに敢日は、頼もしさ半分、呆れ半分といった様子で、紡ぎ返した。
「――ホロウストーム・コマンド、エピックだ。門の内側周辺はクリア。タコモドキモンスターの抵抗を受けたが、全部蹴っ散らかした」
制刻はそんな様子の敢日を端に、インカムで野戦指揮所へ通信を繋ぐ。そして町の出入り口を抑えた旨の報告を上げた。
「あ゛ぁ……何が……」
その麓。そこに虫の息になりながら、地面を這っている一体のオークがいる。状況を全く理解出来ていないまま、弱弱しく藻掻くオーク。
――そのオークの目の前。積みあがった瓦礫が、無駄に盛大な音を立てて、吹き飛んだのはその瞬間であった。
「ひッ!?――な、何……!?――」
飛び散る瓦礫に、上がる埃や煙。
それを、正体不明の攻撃の再来かと思い、怯え狼狽える声を零すオーク。
「――こきぇッ」
しかし、次の瞬間。突如としてオークの口から、一転した乾いた悲鳴ともつかぬ声が漏れ上がった。
見れば、オークは何者かの足に踏みつけられている。
オークの首はあってはならぬ方向に曲がり、白目を向き泡を零している。すでに絶命――即死していた。
その直後。立ち込めていた埃煙が割れるように晴れ、オークの頭を踏みぬいた足の主が、その姿を現す。
「――っとぉ」
埃煙が割れて晴れると同時に、上がるそんな声。
足――戦闘靴を履く足と、その声の声の主は、誰でもない制刻であった。
「いらねぇクリティカルを、打っちまった」
オークの頭部を、意図せずして見事に踏み抜き仕留めた制刻は、しかしつまらなそうに零した。そして息絶えたオークの身体を、まるで散らばる瓦礫と区別していないかの様子で、蹴って除ける。
「ハンパねぇ図太さだ。まだいるかもな」
そして続け呟きながら、制刻は片腕を翳し、自身の背後に指先でジェスチャーを送る。その制刻の背後から、未だ微かに立ち込める埃煙を抜け、また別の人影が姿を現す。
敢日と、そして策頼だ。
制刻率いるエピックユニットは、瓦礫と化した城門を越え、埃煙を潜り抜け、この瞬間に町の内部へと踏み込んだ。
瓦礫の山を降り、制刻等は距離をいくらか取った雑把な隊伍を組む。そして城門を越えた先に設けられた小さな広場空間へ、警戒を周囲へ向けながら歩みを進める。
制刻は、敵地に踏み込んだ身とは思えない、悠然としたまでの動きで進んでゆく。その片手には、普段の93式5.56mm小銃から換装し装備した、M870MCSショットガンが見える。オークや触手等のモンスター類を相手取る上で、制圧力のある火器が必要であろうとの判断から、換装された物だ。
しかし当の装備者たる制刻は、それをあまりアテにはしてない様子で、適当に手先で弄んでいる。
そんな制刻の一方。
後続の敢日は、隙のない警戒の姿勢を取りながら進んでいる。その手に構えられている獲物は、彼の十八番であるお手製の工具改造武器。しかしそれは、それまでのネイルガンやエアライフルとも、何か違っていた。そして、さらにその斜め後ろを、策頼がM870MCSを構えて、警戒の姿勢を維持しつつ、殿を務めている。
「ッゥーー」
敢日は口を鳴らしつつ、視線と改造工具を右へ――スッと身を捻り向きを変え、左へ。頻繁な体勢姿勢の変更で、各方へ警戒の目と意識を配る。
そして敢日の身は、砲撃の影響で倒壊した、一軒の建物家屋の傍を通りかかる。
――その時であった。家屋の影――死角より、何かの物体が飛び出してきたのは。
蛸。いやヒトデ、イソギンチャクに類似しているだろうか。赤黒い色合いで、そして長く太い軟体が、固まったようだ物体。しかしその塊の大きさは、直径でおよそ3mはある。
その正体は、触手。
この異世界では、触手獣と呼ばれている魔物の一種。モンスター。
砲撃を生き延び、倒壊家屋に身を潜めていたのであろうその一個体が、飛び出し敢日に襲い掛かってきたのだ。
飛び出し跳躍し、敢日の頭上を取った触手のモンスター。その長く気色の悪い何本もの触手の先が、次の瞬間、打ち出されるように伸びる。
その先端で、敢日の身を貫く腹積もりか。何本もの触手が、今まさに敢日の身を襲う――
――ガンッ、と。
鈍い金属音のような物――いやまさにそれが響き渡ったのは、その時であった。
同時に、肉が弾け、裂かれるような嫌な音が響く。
敢日が餌食となった音か――否。
見れば、敢日は健在。そして視線を移せば、今その瞬間――先の倒壊家屋の残った壁の部分に激しく叩きつけられ、そして血と肉を飛び散らかす、触手の身体が見えた。
視線を戻せば、敢日は険しい眼と同時に、その手にした改造工具を触手に向けてる。
今敢日の手にあるそれは、〝ネイルシャワー〟。
それまでのネイルガンと同じく釘打ち機からの改造品。しかし、マシンガン的な運用をするネイルガンと異なり、それは束ね纏めて装填した多数の五寸釘を、一度にしてシャワー状に打ち出す機構を持つ。フレシェット弾に類似するか。ともかく釘を散弾として打ち出して相手を殺傷する、工具改造の凶悪な得物であった。
そんなえげつない代物からの、五寸釘のシャワー。それを諸に浴び、そのパワーで返り討ちにされ吹き飛ばされた触手個体は、叩きつけられた倒壊家屋の壁より、ずるりと落ちてべちゃりと地面に落ちる。
しかしその生態、特性から図太い生命力を持つのか。触手個体はすぐさま、再びその身を打ち出そうとするモーションを見せる。
が。それよりも早く、再びの鈍い金属音が響いた。
同時に触手個体を再び釘のシャワーが襲い、触手個体はその身を、肉を貫かれ削がれ、そしてその衝撃で弾け飛び地面を転がる。
それは疑うまでもなく、敢日からのネイルシャワーの二射目。
一撃目では触手個体を無力化できていないと、敢日は瞬時に判断。迷わず、すかさず、二射目を触手個体に叩き込んだのだ。
「ッ――」
さらに敢日は、触手個体との距離を必要最低限、数歩分詰める。同時にネイルシャワーのスライドレバー――再装填装置を引き、グレネードランチャーのように巨大なシリンダーに収められた、次の釘の束――シェルの再装填を完了させる。
そして容赦なく、触手個体に向けて三射目を叩き込んだ。
釘のシャワーの暴力に三度襲われ、触手個体は弾け転がる。そしてその先の隣接する倒壊家屋の片隅に、べちゃ、と叩きつけられる。
襲い掛かってきた当初の凶暴な様子はまるで鳴りを潜め、最早まともに動く事も叶わない様子で、触手個体は片隅で、ピクリピクリと痙攣している。
「――」
しかし敢日は、冷酷な眼でそれを見ながら再装填。触手個体に向けて、無慈悲に四射目の五寸釘の雨を叩き込んだ。
「――仕留めた」
ネイルシャワーを引き続き構えたまま、敢日は冷たく呟く。
彼の視線の先、足元には、触手個体――であった物。今や文字通りミンチとなり、ピクリとも動かなくなった肉の塊が、出来上がっていた。
「ッ――嫌なしつこさだ」
自信を襲撃してきた気味の悪いモンスターの撃退、無力化の成功した敢日。しかしそれに、凶悪な威力効果を持つネイルシャワーによる攻撃を、四射も要した事。その事から、触手個体の存在を改めて脅威と感じ、敢日は忌々し気に言葉を零した。
「解放。大丈夫か」
そんな難を逃れた敢日の元へ、声が飛んでくる。先行していた制刻からの、安否を問う声だ。
敢日が見れば、制刻はこちらに視線を向けつつ、引き続き手先でショットガンを弄んでいる。
「あぁ、なんとか……――ッ!!」
掛けられたその声に、戸惑い混じりに無事な旨を返そうとした敢日。しかし――敢日は直後に、その眼を見開いた。
敢日の視線の先。制刻の背後に、いくつもの巨大な影。触手の姿があったからだ。
5匹、いや6匹はいる。ミミズのような環形動物状だが、その全てが目測5m以上。胴の太さはまるで大木。今しがた敢日が屠った個体とは、比較にならない程の巨体を持つ。
まだ形を保っていた家屋建物に身を隠していたのであろう、その各所から現れた様子が分かる。
そして何よりその全個体が、一斉に制刻に向かい跳ね飛び、今まさに襲い掛からんとしていた。
「自由――ッ!!」
警告の怒号を発し上げる敢日。
だが瞬間。真っ先に迫った一匹の触手が、その巨体をしならせて、制刻の身を押し潰す――
――かに見えた。
しかし、それは起こらなかった。
なぜなら、襲い掛かった触手のその巨体は、目標である制刻の身を前にして、どういうわけか動きを止めていたから。
「――は?」
思わず声を零した敢日。
敢日はそこから、目を凝らしてよくよく先の光景を観察する。しかし、やはり光景は変わらない。触手は制刻の身に届く寸での所で、その巨体を停めている。
さらにそれは、真っ先に襲い掛かった一匹目に限らず、周囲の他個体も同様であった。
また、その他に確認できる変化といえば、制刻が背後。触手達の方向へと振り向いている事くらい。
――いや。それこそが、触手達が動きを止めた要因であった。
制刻は自身に迫った触手達を、その独特の眼からの視線で、見止め射貫いている。
そう。制刻はそれだけで、触手達の動きを封じたのだ。
一見、何の変哲もない行為。しかし、その視線に射抜かれた触手達に走ったのは――本能的な恐怖であった。
危機感。未知への恐怖。得ないの知れない、体の芯に直接訴える、生命の危険。
それ等が触手達を襲い震わせ、その巨体の動きを封じたのだ。
「――ステイだ」
そんな身を硬直させた触手達に向けて、人差し指を軽く突き出し翳し、一言発する制刻。
それに対して、身悶える。あるいは、身を少し引く等の動きを見せる触手達。恐怖と嫌悪を体現したような魔物達が、しかし制刻という存在を前に、狼狽え慄いている様子が、ありありと分かった。
「うっそだろ――」
そんな光景に、思わず零す敢日。
制刻とは長い付き合いであり、その規格外さについては、よくよく知っているつもりであった敢日。しかし、流石にモンスターを視線の一射抜きで封じて見せるとは、想定の範疇を越えていた。
「……ん?」
しかし、そんな動きを封じられた触手達の、その様子にさらなる異変が見えたのは、直後であった。
触手達の見せていた、身悶えの動き。それが異質に、明確に荒く激しくなり出している。いや、違う。触手達を襲っていたのは、激しい震え――痙攣だ。
震え、明確にその巨体に異変を見せ始めた触手達は、そして次の瞬間に、揃って激しく暴れ始めた。
その巨体をうねらせ、振り回し、のた打ち回る触手達。それはどう見ても、触手達自身の、意図した物には見えなかった。
まるで何かに苦しむように、暴れまわる触手達。挙句地面に自らその身を叩きつけ、あるいは倒壊した家屋に突っ込み、その巨体を傷つける。果ては、触手同士で身を叩きつけ愛、絡まり共倒れになる個体まであった。
「っと」
制刻の近くにも、一匹の触手がその巨体を叩きつけた。
しかしそれが自身の体を逸れ、支障ない物であると判別できていた制刻は、回避の手間すら取らずに、立ち構えた姿勢で、一言零すだけ。
そして巻き上がった土煙を、鬱陶しそうに払う。
「ッ――どうなってるッ」
一方の敢日は、唐突に暴走を始めた触手達の様子に、懐疑の言葉を零す。しかし零しつつも、その原因もまた制刻であろう事は、なんとなく予想がついていた。
「自由、そこを――ッ!?」
ともかく、暴走する触手の渦中にある親友に、退避を促そうと声をした敢日。しかしその時、敢日は自身の真横、すぐ傍に巨大な気配と、そして殺気を感じる。
横を向けばそこに、一体の巨大な触手の姿があった。
見るに、今制刻の周りで暴れている物と同種。そしてその巨体を、大きくしならせている。間違いなく、敢日を襲い叩き潰さんとするモーションだ。
(まず――ッ)
迎え撃つ。いや、回避――。
唐突な事態を前に生じた、一瞬の迷い。隙。
その遅れを突き、触手の巨体が敢日に迫る――
ギャチッ――と。
何かを叩くような。いや何が肉同士が激しくぶつかるような、心地の悪い音が響き聞こえたのは、その時であった。
「――ッ!」
そして、襲撃を前に覚悟し身構えていた敢日は、直後に目を向き驚く事となった。
彼の視線の先にあったのは、ぶつかり合い激しくしなり、仰け反る二匹の触手の、その巨体だ。
一体は、今しがた敢日に襲い掛かってきた個体。もう一匹は敢日の死角、別方向より突如現れた新手であった。
どうにも新手の方の触手が、敢日を襲おうとした方に、体当たりをかましたようだ。敢日を襲おうとした方の個体は、そのまま吹っ飛ばされて宙を舞い、その先の倒壊家屋に突っ込んだ。
「――敢日さん、大丈夫ですか」
先で巻き起こった光景に目を剥いていた敢日に、端より声が掛かった。
敢日が視線を移し向ければ、そこに居たのは、他でもない策頼であった。
そしてよく観察すれば、新手の触手の太く長い胴の先。尾にあたると思しき部分は、策頼の足元まで伸びている。そして策頼は履いた戦闘靴で、触手の尾を踏みつけていた。
「あ、あぁ……」
状況が飲めないまま、掛けられた安否確認の言葉に、生返事で返す敢日。
「何がどうなって……――ッ!」
続け、何か事態を掌握している様子な策頼に、尋ねる声を掛けようとした敢日。
だが、新たに感じ取った気配と殺気に、敢日はそれを中断し、視線を移す。
見れば、別方よりまたしても、身をしならせ襲い来る別個体の触手の姿があった。
「大丈夫――」
しかしそんな脅威の迫る状況に反した、冷静な声が策頼より飛ぶ。
「やれ」
そして策頼が続け発したのは、端的で冷たい、命令の一言。その相手は、尾を踏みつけている触手。そして策頼は同時に、踏みつけていた触手の尾を、より強く抓るように圧っした。
瞬間、尾を踏まれていた触手は、痛み――いやまるで恐怖するように、その巨体を跳ね上げ、身悶える。
そして次の瞬間、まるで追い立てられるように跳ね飛び、そして襲来した触手とぶつかった。
「ホントか――?アレを、操ってるのか……?」
再びの触手同士のぶつかり合いを眺めながら、敢日は呆気に取られた様子で呟き、続け策頼に尋ねる。
ここまでの、そして今しがたの様子流れから。策頼が触手を操り従えているらしい事は、最早想像に難くなかった。
「長くは持ちませんが、脅かせば少しの間は利用できます」
そんな敢日の尋ねる言葉に、策頼は冷たく。そしてどこかつまらぬ様子でそんな回答を返した。
そして視線で、先の触手達の方向を指し示す。
見れば、策頼の差し向けた触手は、襲い掛かってきた触手を退けていた。
しかし、その策頼に従っていた触手も、何か様子がおかしい事に、敢日は気付く。
触手のその動きは、目に見えて緩慢になっていた。そして、痙攣している事が遠目にもわかる。目に見えて観察できる触手の異常。そして次の瞬間、触手は持ち上げていた半身をぐらりと崩して落とし、地面に沈んで土煙を上げた。
「あぁ、ダメになった」
視線の先で、地面に体を沈めて痙攣する触手。
その姿を見ながら、策頼はつまらぬ様子で一言呟く。それは、まるで安物の玩具が壊れてしまったかのような物言いであった。
「……」
そんな策頼の冷酷を体現したような姿に、敢日はなんとも言えないといった表情を浮かべる。
「終わったようです」
そんな敢日の内心を知ってか知らずか、策頼は敢日に向けて、視線で周囲を促しながら、そう言葉を寄越す。
それに倣い敢日が周囲を見渡せば、周辺に見えたのは、今しがたの触手同様に、地面に沈み虫の息となった数々の触手達の巨体。
さらに、先の迫撃砲の砲撃で無力化されたオーク達や、小~中サイズの触手の亡骸が、添え物のように散乱している。
どうやら町の入り口の無力化、制圧は完了したようであった。
「無事のようだな」
周囲を見渡していた敢日に、今度はまた別方向より、そんな声が掛かる。
振り向けば、先と変わらぬ位置に、最早疑うまでもなく健在の、制刻の立ち構える姿がった。
おまけに制刻の周囲には、虫の息の巨大な触手達が、弱弱しい動きで這い寄って来て、取り巻いている。そして触手達は震えながら、その頭に当たる部分をもたげてる。
まるで制刻を主と認識し、制刻に対して慈悲と救いを求めているかのようであった。
しかし制刻は、無慈悲にも触手の内、手前に居た一匹の頭を、片手間に踏みつけ潰す。
そして触手の頭を踏みつけて、その体躯に反した軽やかさで飛び越えると、最早触手達には興味も示さずに、敢日等の方へと歩み戻って来た。
「よぉ。何が全体どういう事なんだ……?」
歩み寄り合流した制刻に向けて、敢日はいの一番に正直な心情、疑問を発してぶつける。
「あぁ、そういや解放には、説明してなかったな」
それに対して、失念していたと言った様子で、端的に発する制刻。
「どうにも、俺や策頼は、特定のモンスターをパーにできる体質らしい」
そしてシンプルにそんな言葉で、ここまでの一連の現象。触手が暴走し、果てに無力化された理由を説明して見せた。
「どーいう理屈なんだ……?」
説明を受けた敢日は、しかし疑問が深まったといった様子表情で、続け質問の言葉を発する。
「カラクリは、まだ判明してねぇ。ともかく、俺等と一定距離まで近づいた特定のモンスターは、勝手にラリってダウンするようだ」
対する制刻は、今のところ判明している事実だけを、また淡々と告げて見せる。
「魔法現象に対しての耐性には、個人差があるようです。それに関係、延長するものかと思います」
制刻のその言葉に続け、端より策頼が補足する言葉を紡ぐ。
「まぁ、利用できるモンは、利用させてもらうだけだ」
最後に締めくくるように、制刻は淡々と発する。
「ったく……こっちに来て、怪物度合いがさらに増したな……」
そんな制刻の様子態度。それに敢日は、頼もしさ半分、呆れ半分といった様子で、紡ぎ返した。
「――ホロウストーム・コマンド、エピックだ。門の内側周辺はクリア。タコモドキモンスターの抵抗を受けたが、全部蹴っ散らかした」
制刻はそんな様子の敢日を端に、インカムで野戦指揮所へ通信を繋ぐ。そして町の出入り口を抑えた旨の報告を上げた。
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