―異質― 激突の編/日本国の〝隊〟 その異世界を掻き回す重金奏――

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チャプター7:「超常の最たる者等」

7-1:「ヴォイド――超常と安寧の超空間」

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飛び道具と言うか、反則技と言うか、超ド級チートと言うか。いよいよもって何でも有りです。


――――――――――


 超保こえほ 試製《しせい》――。
 それが豊原基地より、行方を眩ましたその人だ。

 歳は27歳。はっきりいって陰険そうで胡散臭い顔と容姿が特徴。
 陸隊に置いての現在の階級は二等陸士。
 所属は第54普通科連隊、第2中隊の第5分隊であったが。異世界への転移に巻き込まれ、その際の人員再編成の関係から、制刻や河義等の第4分隊に臨時に編入されていた。

 陸隊への入隊前は、生まれの地で区役所職員として勤務。
 しかしそこを、いくつかの何という事は無い諸事情都合から退職。そして同じく公務員と言う安易な選択理由から、陸隊へ入隊した。
 事実上の軍事組織である陸隊での勤務生活は、言ってしまえば合っているとは言えなかったが。それでも誤魔化し誤魔化し前後期の教育機関を終え、部隊配属後もいささか苦戦しつつも、その生活を軌道に乗せようと努めはしていた。

 その隊員が、その人が。豊原基地より突如として行方を眩ました者であった。
 まるで忽然と。何の前触れも無く、それこそ神隠しのように。



 ――そこはある、少なからず普通ではない空間施設。
 アパートのワンルーム程の広さの空間は、しかしどこかに物々しい。
 何か宇宙船の、宇宙ステーションの。あるいは研究施設にあるような、隔壁――エアロックのような空間施設。いや、まさにそのもの。
 そのエアロック空間に――突如として一人の人物が、姿を現した。
 音も無く。まるで映像加工で出現させたかのように。

「――はぁ」

 そしてその人物より響くは、どこか気だるげな溜息。まるで長い階段を上り切った直後のような、倦怠感の含まれるそれ。
 その主こそ、その人物こそ――超保 試製、その人であった。
 姿は陸隊の迷彩服を纏っておらず、シンプルな私服姿。
 そしてその両腕には、陸隊の隊舎居室より〝撤収〟させた私物を詰め込んだ、旅行鞄が二つ。
 そして、異様なエアロック空間に、まるで空間を跳躍するように降り立ったと言うのに。その超保自身はまるで驚く様子を見せていない。
 当然だ。
 その転移、空間跳躍とも言うべき行動は。
 全て、超保自身の意思。超保自身の手段手管によって、行われたものであったのだから。

《――クリア――試製さん、お帰りなさい》

 そのエアロック空間に、男性の物とも女性の物ともつかない電子音性が響き、超保の名を呼んだのは直後。

「――ん」

 超保は、それに適当のお手本のような声色様子で返す。
 そして、まさに超保を迎え入れるように。すぐそこにあったエアロック空間の物々しい隔壁扉が、機械音を立てて開かれた。
 その向こうに見え延びるのは、また宇宙船や宇宙ステーションモジュールの内部のような造りの廊下通路。
 また異質なその内を、しかし超保は遠慮なく。まるで自宅自室かのように、勝手知ったる様子で進んでいく。
 途中分岐通路もあるが、超保はまるで迷う様子無く進み。そしてその行く先で、また今度は先ほど物々しくない、シンプルな扉の前に辿り着いた。
 それにあっては機械式では無く、超保はその取っ手に手を掛け、無遠慮に開け放った。
 ――その向こうに広がったのは、また異なるスペースであった。
 そこはアパート3~4部屋分、畳数畳分と思しき面積を持つ、多角形の空間。
 何か物々しい多数の電子機器、多数のモニター、他、怪しいまでの機械類で無数に占められているかと思えば。
 冷蔵庫や電子レンジ、ヒーターなどなどの、生活臭い家具家電類がその中にいくつも混じって見え。適当に散らかり積まれた飲食物類が、また何者かの生活臭を漂わせている。

 そして。
 その多角形空間の中央。そこに置かれたリクライニングチェアの上に、超保とは別の一人の人物の姿があった。
 超保とはまた別種の、どこか陰湿そうで胡散臭く、印象の良いとは言えない顔立ち外見。服装は着崩した作業ツナギ。
 そんな怪しいまでの人物が、リクライニングチェアに優雅に座し。珈琲飲料の香りを漂わせるマグカップ片手に、手元のデスク上のノートパソコンのような機器を弄り、目を落して居る。

「――やぁ、試製。お帰り」

 そしてしかしその怪しい人物は。その片手間の行いながらも、超保の入室にはとうに気付いていた様子で。
 そして直後には視線を起こして向け、そんな迎える言葉を紡いで寄こして見せた。

「抜けて来た、帰想きそう

 その怪しい人物に対して、超保はと言えば挨拶も前置きも無く。そんな知らせる一言を真っ先に告げて見せ、合わせて人物の名と思しきものを口にして見せた。
 亜回あかい 帰想《きそう》――それが、その人物の名だ。

「割と頑張ったね。いつ抜けるのかと思ってたよ」
「後の面倒をできれば避けたかったからな。だが、キリが無さそうで流石に付き合いきれなくなった」

 告げた超保に、その怪しい人物改め亜回は。何か少し面白そうにそんな言葉を寄こす。
 それに超保はまた、倦怠感の含まれる、適当な様子で解答を返す。

 その会話は、超保の陸隊からの離脱。言ってしまえば脱柵――しかしそれにしてはあまりに異質すぎる、その行動行為に言及するものだ。

 まず先に、ここは何なのか。
 そして超保と亜回は何者なのかを説明しなければなるまい。

 ここは日本では、地球では――いや地球の存在する銀河宇宙では無い場所。そしてもちろん、日本国隊の転移した剣と魔法の異世界でもない。
 ここは、それらとはまったく時空次元を別とする――異空間。
 そこに設けられた、超保と亜回の、秘密の拠点であった――



 超保と亜回は、この異空間を〝ヴォイド〟と呼んでいた。
 無論、超保と亜回以外には。元の地球ではその存在すら知られていない、二人を例外に前人未到の場所。
 そしてそれを発見し、この空間にこの秘密の施設を生み出したのは――亜回であった。

 超保と亜回は、物心ついた頃より互いを知る、幼馴染の関係であった。
 保守的で目立つことを嫌う性格の超保と。
 どこまでも唯我独尊の姿勢を貫き、それに違わぬ知と体を有する亜回であったが。
 二人は不思議と、馬が合った。

 そしてその超保にとっての友たる亜回は――まさに異質をそのままにしたまでの知を、頭を持つ者であった。
 俗にいう天才。
 その片鱗は周りにも認められていたが、その根本的な本質を亜回が明かし見せたのは、幼馴染で親友たる超保だけであった。

 その亜回が、超常なまでの才により。この異空間――ヴォイドを発見したのは、まだ中学生から高校生に上がろうとする身空。
 そしてこの、地球世界を引っくり返さんまでの発見を。しかし亜回は公表せず、する気も無く。それを親友たる超保だけに明かし、二人だけの秘密とした。

 ヴォイドはただの空洞空間では無く。そこを起点とし、様々な並行世界へ、可能性世界へのアクセスを可能とする、まさに超次元的なものであった。

 亜回はそれに魅入られ。当時の超保も、少なからず冒険心に心躍らされた。
 しかし。それは保守的で安寧を求める気質の強い超保にとっては、あまりに巨大過ぎ。
 その感情は、すぐに恐怖へと変わった。

 自分等の手には、余り過ぎるそれ。
 だが恐怖する自分を他所に。もとより異なる者であった亜回は、どんどんその可能性に魅入られ没頭して行った。
 その、最早天才と言う表現すら生温い、脅威なまでの脳と才を持って。
 あらゆる可能性世界に手を伸ばし、足を踏み入れ。
 みるみる内に超越的な、人のそれを越えた存在へと成り代わっていく亜回。

 しかし。超保はその親友に恐怖すら感じながらも、その親友と関係を切る事を。
 亜回を一人。超常的で異質すぎる、手の届かぬ所に置き去りにすることは出来なかった。

 超保は元の地球日本で只人として、超常とは無縁たる生活を表立っては選び。学業を終えると同時に、区役所公務員の選択を選んだが。
 同時にその裏では、超常的異空間――ヴォイドに設けた秘密の空間に、たびたび足を運んでは亜回と時を過ごした。
 時に、人のそれから躊躇なく離れていく親友の姿に。不安と寂しいものを覚えながらも――


 ――そう亜回は。そして超保も。
 ある類の、異質な。超越的な存在と言える身なのであった。



 超保にあっては。亜回の成せる異質で超常的な力に頼る事は、極力避けていたのだが。
 しかし今回にあっては、別の存在の企みによって異世界に転移してしまうと言う、また別種の異質な現象に巻き込まれてしまい。
 少し様子状況を見たものの。結局やむを得ず、親友を頼りこのボイドの秘密空間へと退避を決断したのであった。

「公務員だからって安易に陸隊なんて選ぶから」
「最早、そういう問題じゃなかったが」

 帰想の寄こした揶揄うような言葉に、超保は少し不機嫌そうに、また気だる気に返す。

 実の所、亜回は。超保が異世界への転移に所属部隊ごと巻き込まれた事を、その当初より観測掌握していた。
 そしてしかし。超保自身がやろうと思えばいつでも自身の意思で、ヴォイドへ離脱退避できるため。
 そして超保が、亜回の力を頼る事を極力避けている事を。また、できれば陸隊への在籍の関係から、部隊と一緒に元の地球に戻る考えである事を知っていたため。当人の同行を見守っていたのだ。

「どうにせよ、結局ボクを頼る事になったね」

 その印象の良くない胡散臭い顔に、不気味な笑みを浮かべて揶揄う言葉を送る亜回。
 しかしその声色は弾んでいる。超保がこのヴォイドの秘密の空間に戻ってきた事を、うれしく思っている様子だ。

「あぁ、はいはい。その通りさ、帰想がいてくれて良かったよ」

 それに、ばつの悪い様子で投げやりに返す超保。
 実際。今回に在っては親友を、その力を頼ってしまったのが現実だ。

「――で。超保が巻き込まれた諸々の詳細、調べてあるけど?見る?」

 亜回はそこで、デスク近くに在る一つのアーム支えのモニターを引き寄せ。そんな促し尋ねる言葉を寄こす。

「後で見せてくれ。今は、まずひと眠りしたい」

 しかし超保は、そんな断る言葉を返した。

「はいはい、ちょっと休みな」

 それを亜回も承諾し、そんなまた促す言葉を寄こす。
 そんな亜回の言葉を受けつつ、超保は身を翻して歩み動き。その多角形空間の一角一点にある、また別のシンプルなドアを気だるげな動きで開き、中に踏み入った。

 その向こうに在り広がったのは。
 隣接する異質で物々しい多角形空間とはまるで異なる。フローリング張りの、まるでワンルームアパートの一室のような空間、いやそのもの。
 布団一式がど真ん中に万年床として置かれ。その周りにはデスクトップパソコン始め、ちょっとした家電や棚、家具、他。生活に必要な諸々が、お世辞にも綺麗ではない散らかった様子で置かれている。
 そこは、このヴォイドの秘密空間施設で。超保が寝泊まり生活する時のため、借りて用いている一室であった。
 超保はその一室空間の端に、持っていた旅行鞄を放ると。
 私服を脱ぎ去り。棚に適当に畳置いてあった着替え、シャツとハーフパンツに着替える。

「んぁ――」

 そして敷布団の上にドサっと座ると、少し体を解し。
 無造作に掛け布団を手繰り寄せてそれに潜り包まり、横になり。蕎麦殻枕に自身の頭をうずめ。
 その安心感と心地よさを、存分に貪りながら。
 程なくしてまどろみ始め、眠りに就いた――


――――――――――


ぼっくんの考えた最強で最凶でなんかすごい何らか。
自キャラにこういう生活させたいんですね。
こういう妄想を普段からしてます。うふふ。
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