ヴァーチャル美少女キャラにTSおっさん 世紀末なゲーム世界をタクティカルに攻略(&実況)して乗り切ります!

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Chapter2:「ガン&バニー」

Part13:「その彼女(彼)、血盟の装甲騎士」

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 途中、紆余曲折、悲喜こもごもを挟んだが。ともあれNPCでありコンパニオンキャラ、ファースの身の救出に成功。
 物資アイテムの回収もでき、あとはこのモールから脱出するのみ。新たにファースを加え、三人は脱出を目指して施設内を駆け進めていた。
 今はモール裏手の従業員用通路を進んでいる。

 ちなみにバニーガール姿の美少女二人withぴっちりボディスーツの美女な彼女等(内二人は本来は彼)の、その姿は目に嬉しくも。陰鬱な現在のモール空間の内では大変に浮いているのは、さもありなん。
 そして星宇宙自身も、その違和感や気恥ずかしさは今も感じていたが。しかし状況から気にしてばかりもいられず、モカとファースと共に警戒隊形を組み、互いを援護しながら通路を進む。

「――改めて。わたしはファース、血盟の装甲騎士団の一員だ」

 移動を行いながらも、ファースは改めての自己紹介の言葉を紡ぎ寄越す。

「俺等は今に言った通り、フリーの仕事屋――〝ToB〟は、噂を良く聞いているよ」

 それに星宇宙も改めての自己紹介で答え、合わせてファースの所属する血盟の装甲騎士団についても知っている事を答える。
 ToBとはThe armor knights of blood alliance――血盟の装甲騎士団の略称だ。

 ToBはこの荒廃し理不尽な暴力がまかり通るTDWL5の世界で。力による「正義・善の実行、人々の救済」を目的として掲げる大きな武力集団、派閥組織だ。
 潤沢な火力装備を、そして確たる組織力を持ち、それをもって目的を遂行して人々を助ける一方。目的のためには時に強引な手段をも辞さない姿勢を持ち、それを良く思わない人々も多く存在した。
 ファースはそのToBの一部隊の所属であり、ToBの本拠地よりTDWL5の部隊であるこの地方。ゲーム中で「プライマリー・ダウンワールド」と呼ばれているこの地方に進出して来たという設定だ。

 順を追ってのプレイの流れであれば、ファースとの接触が同時にToBとの初接触となるパターンが多く。ここでToBについての色々を知る流れがメジャーであったが。
 星宇宙についてはすでに周回プレイの経験から、ToBについても良く知っており。その旨をファースに向けて返した。

「そうか、それが良い噂である事を祈りたいな」

 それに、そう返答を返すファース。
 ファース自身もToBの評判が良いものばかりでは無い事を知っているのだろう。今は美女のその顔には、微かに渋い色が浮かんでいた。

(っ)

 そして。
 そのファースの何気無く返した一言に、しかし星宇宙は気を留めた。
 明かせば今に星宇宙が掛けた一言は、本来のゲームプレイ中に選択できる回答から、少し崩して一言を加えたものであった。
 そして、それにファースが返した今の回答と様子は、本来のゲームプレイでは見聞きする事の無いもの。星宇宙が知らないだけの可能性も捨て切れなかったが。
 しかしファースの返した言葉と見せた顔色には、彼女(彼)自身の意思が。感情が確かに宿ったもののように、星宇宙は感じていた。

(……)

 星宇宙は次には、チラと後ろ側方を見る。
 そこには星宇宙等に追従しつつ、周囲を警戒する真剣な色のモカが。普段の元気溌剌でお調子者な彼女の、一転して凛とした姿があった。
 そう。何より現状には、モカというイレギュラーがまず存在する。

(ただのプログラムされたゲームじゃない……この世界の皆には、確かな自我と感情がある……?)

 それらの目の当たりにした姿から。星宇宙はその事実に確信を覚える言葉を、内心で零した。


「私の率いるユニットは、この周辺エリアの偵察行動に出ていた。しかしそこでオータントの大規模な集団の待ち伏せにあってしまったんだ……」

 移動行動を続けながら、話はファースがなぜ囚われたのかを経緯を説明する流れに入る。
 実の所、周回プレイから星宇宙はその詳細さえもすでに知っていたが。
流石にそんな事を先回りして。ましてただのゲームキャラでは無く、確たる自我がある様子のファースに明かしてしまえば、怪しく思われるのは必然だ。
 なので今は状況情報の再確認も含めて、ファースの話に耳を傾けている。

「ユニット、部下たちはなんとか逃がすことが出来たが、私は不覚にも囚われてしまった……皆が無事だといいが……」

 そしてファースが言葉で紡ぎ、合わせて見せたのは。己の不覚を恥。何より仲間の身を案じての、苦い言葉と険しい表情。
 己が窮地(?)にあったというのに、それを悔いそして仲間の身を真っ先に案じるその様子に、ファースという人の確かな人柄が現れていた。
 そしてそこから感じ取れるは、やはり確かな「感情」。

「きっと無事さ」

 その色、様子を見ながら。星宇宙は、今かけられる最低限精一杯の一言を掛ける。

「星ちゃん、ファースさんっ。その先だよっ」
「了」

 そのタイミングで、後続のモカから言葉が投げかけられる。
 進行方向の向こうで、駆け進んでいた裏手の従業員通路は終わり。そこにはその向こう側へ通じる両扉が設けられている。
 星宇宙はそれに答えると同時に、流れるような動きで扉の元へと駆け込み、その側へ取り付きカバーする。
 続く動きでモカとファースも、両扉の反対隣にカバー。無駄のない動きで突入に備えた態勢に入る。

「二人とも、準備は?」
「おっけ」
「いつでも問題ない」

 星宇宙は二人に尋ね、それぞれからは問題ない旨が返される。

「よし――GOっ」

 それを聞き、そして直後。
 星宇宙は静かに、しかし素早く扉を押開き、そして得物のSCAR-Hを構えて、するりと滑らかな動きで向こうへと突入した。
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