バンパイアガール

秋月

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*真実

真実#12

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リュク「ほら、君達の武器だ
これで思う存分戦えるだろう?」

リーダー「いつの間に…サンキューリュク」

依月「ありがとう」

リュクが取り返してくれた銃を握る
私達を助けると同時に武器まで回収してくれるなんてリュク素早い…
うん、しっくりくる
これを握ってるだけで闘志が沸き上がる

山下「馬鹿な…
あれだけのバンパイアを一人で倒したのか!?」

リュク「…僕の魔力を少し手に入れただけで僕に敵うはずないだろう?
何故僕に勝てないか教えてあげようか?
僕には誰も敵わないからさ
だから僕はバンパイアの中でも伝説と言われる存在なのさ
愚かな人間よ
お前の欲望もここまでさ」

リュクの赤く染まった瞳が山下を鋭く捕らえた

山下「そんな事はないっ
たかがバンパイアが調子に乗るのも大概にしろ
お前等いつまでも呆けてる!
こっちに来い!更なる力をお前等に与えてやる!」

そう豪語した山下は自分のショーケースから赤い薬品の入った注射器を取り出した

山下「まだ研究段階の試薬だがやむ終えん」

リーダー「何をするつもりだ!?」

リュク「あの中身…ベースは君達純血の血だね」

そして山下は2体のバンパイアにその試薬を躊躇うこと無く打ち込んだ
そして打ち込まれたバンパイアは血が身体中を巡るようにビキビキと微かに風貌が変化していく

リーダー「おいおい…顔つき変わりすぎたろう
あれじゃ本当に化け物じゃないか」

風が渦巻くように、そして魔力を感じない私達でも気圧される程の威圧感
そして落とされた腕も即座に再生する能力
あれは不死身と言っても過言じゃない
あんなの…いくらなんでも敵わないと戦う前から失望させられた
体が、銃を握る手が震えてるもの…

リュク「唯奈震えてるの?
こんなに震えて可哀想に…
僕の唯奈をこんなに怯えさせるなんて許せないな
唯奈も玲音も僕の後ろに下がってて」

そう言って私達の前に立ったリュク

依月「リュク…?」

リュク「2人も本能で感じてる通りあいつ等には敵いっこないよ
だからここは僕に任せてよ」

リーダー「…大丈夫なのか」

リュク「僕の心配してくれてるの?
信じてよ、君が信じる僕の力をさ」

リーダー「分かった、頼むリュク」

リュク「御安い御用さ♪」

山下「殺れお前等!」

山下の合図で凶暴化したバンパイアが私達の目には止まらない早さでリュクへ立ち向かった

リュクス「はぁ…あの薬でどんな力を手に入れたか知らないけど、僕を甘くみるな」

そして私達が気が付いた時にはリュクの脇をザァ…と灰だけが通りすぎていった

依月「え!?バンパイアはどこ行ったの…!?」

リーダー「今の塵…まさかバンパイアの…?」

確かにバンパイアの塵にしか見えなかった
でもリュクが動いたようには見えなかったし、それに銀の武器以外で塵になるなんて聞いたことない…

依月「何が起こったの…?
リュクが何かしたの?」

山下「…!?」

リーダー「リュクお前、俺達にまだ秘密があったみたいだな」

依月「その…オレンジ色の目…」

赤く染まっていたリュクの瞳がまるで星の輝きのようにオレンジ色に染まっていた
その目でバンパイアに何かしたの…?

リュク「君達は運が良いね
この目は滅多に見せないからさ
サニーアイ、別名太陽の瞳」

太陽の瞳…?

リュク「バンパイアが太陽の光が嫌いなのは知ってるね
まぁ今はほとんどのバンパイアが数分なら太陽の下でも活動は出来るけど、長い間太陽の光を浴びれば塵になって死ぬ
つまり僕のサニーアイは太陽の光と同じって事さ
僕と目を合わせただけで塵になってしまうのさ」

リーダー「矛盾してるだろそれ
何でそんな力をリュクが持ってるんだよ」

リュク「僕は色々と特別だからね
太陽の下でも普通に活動していただろう?」

確かに子どもの頃、リュクと遊んでいたのは昼間だったし、苦しそうな姿は見たことなかったけど…
リュクって規格外のバンパイアなんだ…
目が合ったら塵になってしまう瞳…
まさか私達も…っ?
怖くなってパッとリュクから目を反らした

リュクス「あ、心配しないで唯奈
この目はバンパイアにしか効果ないんだ
人間には効かないよ
さて…お前の味方をしていたバンパイアはもう全員いないよ、人間」

赤い瞳に戻ったリュクが冷ややかに山下を睨み付けた

リーダー「年貢の納め時だ山下」

リュク「僕の友達を利用し傷付け、バンパイアの名に泥を塗った事、許さないよ」

依月「バンパイアと内通して仲間と陽香を殺したあんたは生かしておけない」

私達はゆっくり銃口を向けながら山下に歩み寄っていった

山下「くそっ!!」

咄嗟に取り出した銃を私達に向けた山下だったけど、リーダーの弾丸が意図も簡単に山下の手から弾きとんだ

山下「っ!」

リーダー「あんた銃を撃った経験ないだろう?
素人と早撃ち勝負なんて結果は目に見えてるだろ」

だけど山下は簡単に敗北を認めなかった
次の瞬間、真っ白な煙に包み込まれた
これは煙幕っ!?
次から次へと用意周到なんだから!

リュク「…っ体が痺れる
これバンパイア用の痺れガスだね」

リュクの動きが鈍ったと同時に山下が私達から逃げる足音が聞こえた

リーダー「カッコつけといてやられてんなよリュク!逃げられるぞ!」

リーダーはこの濃い煙幕が漂う中、追いかけようとした

依月「待ってリーダー、私がやる」

私はその場で長距離で殺傷能力の高いライフル弾に持ち変えて構えた

リーダー「やるって…ここからか!?
視界は煙幕で何も見えない
それに山下は動いてる
当てられるのか!?」

依月「この煙幕の量と広がり方からかなり規模が大きい
これじゃ山下も煙幕の中だよ
それに元々暗く足元も悪い森の中だからね
何も見えず慎重に進んでるはず
そんなに遠くに逃げてない
私も目は駄目だけど
血の匂い、荒い呼吸、草木を掻き分ける音…
見えなくても全身で感じ取る」

意識を全身に巡らせて集中して聞き分け、狙いを定めた
――…ここだ!
私が引き金を引くと甲高い銃声が鳴り響いた
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