双子の動物物語

秋月

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*生け贄の双子

生け贄の双子#1

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それは現代より何十年、何百年も大昔の話
今も静かに語り継がれる物語ー…
この山には"山神様"という神様が存在して居るという言い伝えがあった
その山のふもとに住む村人達は日々豊かに暮らし、村が繁栄するようにと山神様に捧げ物を捧げる儀式を行っていたそうだ
山神様が御守りくださるから私達は平穏に幸せに暮らせているのだと、村人達は信じ、山神様を日々称えていた
それまでは村の畑や川で取れた作物を捧げていたが、その年は村に災いが多く、山神様の祟りだと恐れた村人達は作物ではなく産まれたばかりの双子の赤子を生け贄にすることを決めたそうだ
産まれたばかりの赤子を生け贄に捧げるなど心痛ましかったが自分達の命には変えられなかった
生け贄の儀式の日
この日はいつも以上に天候が酷く、雨風が強く降り注ぎ、空は光り、ゴロゴロと雷が激しく鳴り響き渡って村人達を怖がらせていた
村人達はこの災いも山神様のお怒りだと恐れ、生まれたばかりの双子の赤子は村人達の為に山神様の怒りを静める為にその身を捧げられた
その瞬間、目も開けられぬほどの落雷が村人達の目の前に落ちたかと思うと、そこにはさっきまで居たはずの赤子が姿を消していたそうだった
そうして双子の赤子は山神様の貢ぎ物となった
村人達は赤子の事を禁句として決まりを決め、それからの村は平和な日々を送っていた
そして赤子を生け贄にとして差し出した村人達が死に絶えていき、幾度となく命の誕生と終わりを繰り返しながら年月が過ぎ去っていった
長い時は流れ―…現世へ
あの日、生け贄として犠牲になり姿を消した双子の赤子は長い長い年月の中で立派に成長していた
双子の姉の方をべに、妹の方はあおと名付けられていた
なんと生け贄に捧げられた双子は、生け贄にされてからその山に住む動物達とそして…山神様によって名を与えられ立派に育てられていた
あの儀式の日に消えた赤子は跡形もなく消えたのではなく、山神様によって山に迎え入れられていた
紅と青は人間でいうと15歳の少女の風貌だった
しかし、大昔に生け贄にされた2人が何十年、何百年の時代の流れの中で、何故まだ子どもの姿のまま生存しているのか…それには大きな秘密があった

当時、村人達の間では山神様は神と言う存在だけあって、本当に実在するのか分からない空想的存在だった
その昔、1人の若者が山を荒らしたところ、次の日から村に災難が振りかかるようになり、村人達は山の神様を怒らせたと山の神様を祀り儀式を行うようになった
そして称えられたのが"山神様"だった
村人達は姿のない山神様を災害を恐れ代々儀式を繰り返してきたが中には半ば半信半疑の者も居た
しかし山神様は確かに存在している
村人でも知らない山神様には大きな秘密があった
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