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貞操の危機
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なかなか見応えのある試合が続き、残ったのはエド、スミス、ベアード、魔導師長と前衛のデニスだった。
一位となったベアードに賞金の大半は渡った。
二位は魔導師長、三位はエドとそれぞれ報償金を得た。
四位、五位は指名のみらしい。
賞金を手にしてほくほくのベアードはキスはいらんと満足している。
フェアリーの奥方に輸入品のプレゼントが買えると早速イグナスに交渉していた。
「ふざけんなぁ!離せぇ!」
がなるラウルを気にせず抱き締めて、報償金はなくともスミスはご満悦だ。
どうやら暴れたせいで魔導師長の縄が結局腕にまで頑丈に巻かれている。
「魔導師長!いい加減外してよ!」
「まだキスを終えてないからなぁ。エルフ同士の色っぽいのが見たい」
「この、淫乱の黒ウィッチ!」
「誉め言葉だ。ありがとう、ラウル」
罵声にも上機嫌に手を叩いて喜ぶ。
「ラウルからしてもらえるまで待つよ」
してもらえなくてもこうやって抱き締めていたいから構わないけどと喜んでいた。
「てめぇ、調子に乗りやがって、喰らえよ!」
ごんっとでかい音を立てて頭突きのようにスミスの顔に顔面を叩きつけた。
お互いに鼻血を出してしゃがみこみ、それでもスミスはラウルから手を離さない。
「…なんと色気のない。まあ、約束だから」
がっかりしつつもそう言ってすんなり外すとラウルが立ち上がってスミスを蹴り飛ばす。
「いってぇ!」
蹴られたスミスよりラウルの方が痛みで飛び上がり片足を跳ねて尻餅をつく。
スミスは顔面の痛みで顔を押さえながらも、片手はまだしつこくラウルを追うのを見て思わず顔をしかめた。
ボタボタ鼻血を流す男に迫られてさすがに同情する。
「ラウル!あっちにリーグが来ているぞ!」
声をかけて指をさすとそれを見たらうるは、ぱっと立ち上がって杖も放ったまま片足を跳ねさせてそちらへ向かった。
「ガード、連れていってやれ。いなかったら部屋に送れ」
「は、はぁ、分かりました」
リーグの二人のあしらいの上手さを知らないガードは一瞬戸惑っていたが、すぐにラウルに肩を貸して足早に人だかりを抜けていった。
スミスが追いかけようと走るのを首根っこ捕まえて頭をはたく。
「スミス、酔いを冷ませ。ついでにリーグから叱られてこい」
「え、どうしてですか?なんでリーグが?」
「そんな血だらけでしつこく迫られたら恐怖だ」
大概のことはどうでもいい私でも引く。
「ラウルにはリーグが取りなすだろう。土下座して謝ってこい。他団の副官補佐と揉めるのはやめろ」
背中を押すと大人しくとぼとぼと歩いて行った。
ため息をついて横を向くと、回りの注目を集めながらエドが腰を直角に曲げてジェラルド伯に頭を下げている。
エドが真っ赤になりながらジェラルド伯にキスはいらないからこれから文通などのやり取りをさせてほしいと頼んでいた。
ジェラルド伯は家同士の繋がりを欲していると考えているが、エドは憧れの君に汗を流しながら緊張していた。
今後とも親しくしてくれとジェラルド伯がにこやかに声をかけるとこうやって酒を飲んで親しく出来るなど夢みたいだと泣き出し、ジェラルド伯はぽかんとそんなエドを見つめていた。
その間にダリウスは色っぽく女体化した魔導師長に迫られている。
「さあ、ダリウス。男は嫌だと泣いていたから女体化してやったよ?」
「もとはしわくちゃのじいさんでしょうがぁぁ!」
「はは、気にしすぎだよ?若い男が私の本性だ」
魔法の縄で縛られて尻を引きずりながら後ずさったのにあっさりのし掛かられている。
「うわぁ、魔導師長は女性になっても綺麗ですねぇ」
色めき立つ周囲と似たようにエヴも盛り上がっている。
教育上良くないと目に手を被せて見るなと言うと意外と素直に頷いた。
「口を開ける気はないかぁ。仕方ない。これで我慢してやろう」
白い牙を念入りに舐められて、ひええっと叫んだ所をあっという間に口内まで。
「ううっ!やめ!うお!」
「ん~、強情だねぇ?」
サバトの露出趣味は回りの注目を浴びながら人前で脱がす勢いだ。
本当にしつこい。
途中、呆れたイグナスが続きは二人っきりでどうぞと止めるまでしつこかった。
「なら、このままもらっていくよ」
光る縄で編み込まれた大きな人形が立ち上がると肩にひょいっとダリウスを担いで歩き出す。
「ど、どこに!」
「ベッド」
青ざめたダリウスに今夜は楽しめそうだと囁いた途端、堪えきれなくなったダリウスがぶちぶちと縄を引きちぎった。
「え、ちぎるの?父親もだがお前もすごい馬鹿力だな」
「もう嫌です!勘弁してください!」
細い目を丸めて驚く魔導師長に涙ながらに怒鳴っていた。
ちぎった縄を投げ捨てるが、地面に叩きつけられる前に光の線がしゅわしゅわと溶けて消えた。
人形を殴り飛ばして腹を蹴り破り、ねじ切る。
まだしつこいなら剣をとりますとだばだば泣きながら詰め寄るので仕方ないと魔導師長も諦めた。
「私の特製の縄をちぎる奴は捕まえようがない。すごいね、君らは」
「もっと早くちぎればよかったんだ。馬鹿息子」
おいおい泣いて袖で顔を拭くダリウスの肩を叩いて遅い、はらはらした、とベアードが小言を言いながらも心配そうにしていた。
「だ、誰も助けてくれないぃ。ひどいよ、ヤンも親父も」
「当たり前だ。高位相手にどうやれと言うんだ」
そういうものは自分で守れとヤンが叱るが、背中をさすって慰めていた。
一位となったベアードに賞金の大半は渡った。
二位は魔導師長、三位はエドとそれぞれ報償金を得た。
四位、五位は指名のみらしい。
賞金を手にしてほくほくのベアードはキスはいらんと満足している。
フェアリーの奥方に輸入品のプレゼントが買えると早速イグナスに交渉していた。
「ふざけんなぁ!離せぇ!」
がなるラウルを気にせず抱き締めて、報償金はなくともスミスはご満悦だ。
どうやら暴れたせいで魔導師長の縄が結局腕にまで頑丈に巻かれている。
「魔導師長!いい加減外してよ!」
「まだキスを終えてないからなぁ。エルフ同士の色っぽいのが見たい」
「この、淫乱の黒ウィッチ!」
「誉め言葉だ。ありがとう、ラウル」
罵声にも上機嫌に手を叩いて喜ぶ。
「ラウルからしてもらえるまで待つよ」
してもらえなくてもこうやって抱き締めていたいから構わないけどと喜んでいた。
「てめぇ、調子に乗りやがって、喰らえよ!」
ごんっとでかい音を立てて頭突きのようにスミスの顔に顔面を叩きつけた。
お互いに鼻血を出してしゃがみこみ、それでもスミスはラウルから手を離さない。
「…なんと色気のない。まあ、約束だから」
がっかりしつつもそう言ってすんなり外すとラウルが立ち上がってスミスを蹴り飛ばす。
「いってぇ!」
蹴られたスミスよりラウルの方が痛みで飛び上がり片足を跳ねて尻餅をつく。
スミスは顔面の痛みで顔を押さえながらも、片手はまだしつこくラウルを追うのを見て思わず顔をしかめた。
ボタボタ鼻血を流す男に迫られてさすがに同情する。
「ラウル!あっちにリーグが来ているぞ!」
声をかけて指をさすとそれを見たらうるは、ぱっと立ち上がって杖も放ったまま片足を跳ねさせてそちらへ向かった。
「ガード、連れていってやれ。いなかったら部屋に送れ」
「は、はぁ、分かりました」
リーグの二人のあしらいの上手さを知らないガードは一瞬戸惑っていたが、すぐにラウルに肩を貸して足早に人だかりを抜けていった。
スミスが追いかけようと走るのを首根っこ捕まえて頭をはたく。
「スミス、酔いを冷ませ。ついでにリーグから叱られてこい」
「え、どうしてですか?なんでリーグが?」
「そんな血だらけでしつこく迫られたら恐怖だ」
大概のことはどうでもいい私でも引く。
「ラウルにはリーグが取りなすだろう。土下座して謝ってこい。他団の副官補佐と揉めるのはやめろ」
背中を押すと大人しくとぼとぼと歩いて行った。
ため息をついて横を向くと、回りの注目を集めながらエドが腰を直角に曲げてジェラルド伯に頭を下げている。
エドが真っ赤になりながらジェラルド伯にキスはいらないからこれから文通などのやり取りをさせてほしいと頼んでいた。
ジェラルド伯は家同士の繋がりを欲していると考えているが、エドは憧れの君に汗を流しながら緊張していた。
今後とも親しくしてくれとジェラルド伯がにこやかに声をかけるとこうやって酒を飲んで親しく出来るなど夢みたいだと泣き出し、ジェラルド伯はぽかんとそんなエドを見つめていた。
その間にダリウスは色っぽく女体化した魔導師長に迫られている。
「さあ、ダリウス。男は嫌だと泣いていたから女体化してやったよ?」
「もとはしわくちゃのじいさんでしょうがぁぁ!」
「はは、気にしすぎだよ?若い男が私の本性だ」
魔法の縄で縛られて尻を引きずりながら後ずさったのにあっさりのし掛かられている。
「うわぁ、魔導師長は女性になっても綺麗ですねぇ」
色めき立つ周囲と似たようにエヴも盛り上がっている。
教育上良くないと目に手を被せて見るなと言うと意外と素直に頷いた。
「口を開ける気はないかぁ。仕方ない。これで我慢してやろう」
白い牙を念入りに舐められて、ひええっと叫んだ所をあっという間に口内まで。
「ううっ!やめ!うお!」
「ん~、強情だねぇ?」
サバトの露出趣味は回りの注目を浴びながら人前で脱がす勢いだ。
本当にしつこい。
途中、呆れたイグナスが続きは二人っきりでどうぞと止めるまでしつこかった。
「なら、このままもらっていくよ」
光る縄で編み込まれた大きな人形が立ち上がると肩にひょいっとダリウスを担いで歩き出す。
「ど、どこに!」
「ベッド」
青ざめたダリウスに今夜は楽しめそうだと囁いた途端、堪えきれなくなったダリウスがぶちぶちと縄を引きちぎった。
「え、ちぎるの?父親もだがお前もすごい馬鹿力だな」
「もう嫌です!勘弁してください!」
細い目を丸めて驚く魔導師長に涙ながらに怒鳴っていた。
ちぎった縄を投げ捨てるが、地面に叩きつけられる前に光の線がしゅわしゅわと溶けて消えた。
人形を殴り飛ばして腹を蹴り破り、ねじ切る。
まだしつこいなら剣をとりますとだばだば泣きながら詰め寄るので仕方ないと魔導師長も諦めた。
「私の特製の縄をちぎる奴は捕まえようがない。すごいね、君らは」
「もっと早くちぎればよかったんだ。馬鹿息子」
おいおい泣いて袖で顔を拭くダリウスの肩を叩いて遅い、はらはらした、とベアードが小言を言いながらも心配そうにしていた。
「だ、誰も助けてくれないぃ。ひどいよ、ヤンも親父も」
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そういうものは自分で守れとヤンが叱るが、背中をさすって慰めていた。
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