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第一章※本編
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「さてと、女買うかー!」
ちょいちょいキスをしたせいで昂ってるんだろう。
イルザンは見目のいい慣れた雰囲気の女を選んだ。
こそこそ何か女と話してると思ったら、無口な、細い若い女を勧めてきた。
ビスにも何か耳打ちしている。
「可愛くていいんじゃない?店のおすすめの子らしいよ。」
くすくす笑うが何のことか検討つかない。
まあ、いいかと夜の相手に決めたら、イルザンと女が笑った。
「あはは!やめたはなしですからね。旦那。」
黙っていた若い女の声にこっちも笑った。
どうやら男だったようだ。
「は、はは!やっぱりわからなかった!」
3人で賭けていたようだ。
「は、はは、わからなかったよ。それで誰が勝った?」
「イルザンだよ。ムスタファならわかると思ったのに。」
ビスは困った顔で笑っていた。
「お前は分かったのか?」
「骨格がね。女物の服で分かりづらかったけど分かるよ。」
「そうか、はは、」
ビスも女を選んでそれぞれ部屋に入った。
3人で飲んだのはそれっきりだ。
あとはイルザンとちょくちょく花街へ出掛けた。
イルザンの宿でキスしたり、抜いたりして女を買う。
気が向けば男も。
昔のように過ごしていたら、ビスが次第に不機嫌になった。
「こういうのは嫌いか?」
「回数がね。こう頻繁じゃ不安になる。」
「そうか。」
今のところ大きな穴は開けてない。
だが、気になるのは納得した。
「わかった。」
遊びを控えて真面目に過ごした。
イルザンは会いたがっていたが、こっちは仕事だ。
大事な時期だと思い直して会うのを控えた。
認めて貰えるかどうかの時期にポカを出したくなかった。
貧民街の治療が落ち着いて、ビスとは交代で休むようになった。
もうしばらくしたら出立する。
遊びに慣れたせいでムラムラしたが、ビスがいない時に自分で処理した。
「最近、遊ばないね。」
「ああ、仕事がいい。」
「ふうん。」
しばらくは薬の作成に費やした。
「ムスタファ。」
「なんだ?」
「男は抱くけど抱かれたことある?」
「ない。」
「へえ、そうなんだ。」
「冗談じゃねぇ。死んでもやだね。」
くくっと笑いが聞こえて目を向ける。
「イルザンと仲良さそうだったから。」
「ああ、親しいがそれはごめんだ。」
以前と変わらずケツは嫌だった。
ねだられたが断った。
「お前は潔癖かと思った。」
「ん?別に構わないよ。」
「そうか。」
出立をいつ頃にするか相談していたが、急患で呼ばれた。
一人でいいと言うのでビスに任せて旅の支度を整えた。
「ただいま。」
「おかえり。何を持って帰ったんだ?」
「もらった。」
壺を2つぶら下げて帰ってきた。
「患者は移民の商隊のひとり。お礼だって。」
手渡されて蓋を開けると懐かしい匂いがした。
「これ、酒だ。」
「へえ、そうなんだ。」
「親父や兄達がよく飲んでた。懐かしい。」
先代に弟子入りする前、家族とずっと一緒だった。
まだ幼くて飲めなかったが、寒い夜は少しだけ許されたんだ。
「飲もうぜ。」
返事も聞かずいそいそとグラスを出した。
かなり強い。
「…懐かしい。…美味い。」
「独特な風味だね。嫌いじゃないけど。かなり強いね。頭にガツンと来る。」
「お前でもか。」
「うん。おかわり、くれる?」
「お前が貰ったんだ。好きに飲め。」
おこぼれは俺だ。
「持っていけないから飲み干しちゃおうよ。」
「そうだな。」
好きなだけ飲んだ。
「ねえ、ムスタファは処女なの?」
「あ?」
「男の経験ないって言ってたから。軍ならそういうの多いじゃん?」
「はは、ケツのことか。守り通した。冗談じゃねぇよ。」
饒舌に、何があったかこれまでのことを話した。
「ヒヤッとしたのは、それだけかなぁ。…一度、二度かな。」
ふわふわ通り越して、ぐらんぐらんしてる。
目蓋が重い。
眠くて目をつぶって聞かれるままに答える。
「団長どもにちょっかいかけられたのと、貴族のくそやろー…」
「イルザンは?」
「イルザン?ああ、あいつも。あはは、だけど、ケツは嫌だった。他ので誤魔化した。気が向いたし。」
「他は?」
「あー…?…ハシント?あいつとヤるのは好きだった。…貸せだの言わねぇし。…女役専門。気持ち良かった。…鳴くと可愛いし。」
もう飲むのは終わりにしようかと思うのにグラスにまだ残ってる。
飲み干すのに減らない。
「もうダメだな。飲みすぎた。」
背もたれに体を預けてるがそれさえも崩れてる。
肘掛けに体重をかけて一度座り直した。
「あと少し、飲み干そうよ。」
グラスに注がれた。
「お前も飲めよ。」
「飲んでるよ。君より多く飲んでる。」
「そうか?」
「そうだよ。ひとりひと瓶。俺の分はこのグラスで最後
。」
目を開けてみるとビスの飲んでた瓶を揺すっていた。
何も音がしない。
自分の瓶をふらふらしながら揺するとそこの方からちゃぽちゃぽと聞こえた。
「お前、酒も強いのか。」
「まあね。」
「はは、すげー。あは、は」
「機嫌いいね。」
「ああ、なんでかな。悔しいはずなのに嬉しい。はは、」
笑いが止まらない。
涙も出てきた。
「あー、すげぇ笑える。あは、は、」
ニコニコ笑うビスに笑った。
「寝るならベッドに行きなよ。運ぶの無理だ。」
「いや、飲み干す。負けたくねぇ。あはは、」
「なら寝酒でいいじゃん。ベッドに行こう。」
「は、はは、頭いいな。」
ふらつきながら立ち上がって、ビスに支えられて寝室へ行った。
「お前は部屋に戻らねぇの?」
ベッドに転がって尋ねた。
もうひとつの部屋に戻るのかと思ったら、グラスを2つ持ってベッドの端に座ったからだ。
「寝酒に付き合うよ。」
「はは、どうも。」
「ひとりは嫌だろ?」
「ああ、嫌だ。」
「やっぱり。ふふ。」
グラスが空になる頃、少し、ふわふわが抜けてきた。
「楽しかった。もう寝る。」
「そう?これからじゃない?」
「何が?」
手に持ったグラスを取られた。
片方の手を俺の手首を掴んでる。
やべぇ、そう思った。
ちょいちょいキスをしたせいで昂ってるんだろう。
イルザンは見目のいい慣れた雰囲気の女を選んだ。
こそこそ何か女と話してると思ったら、無口な、細い若い女を勧めてきた。
ビスにも何か耳打ちしている。
「可愛くていいんじゃない?店のおすすめの子らしいよ。」
くすくす笑うが何のことか検討つかない。
まあ、いいかと夜の相手に決めたら、イルザンと女が笑った。
「あはは!やめたはなしですからね。旦那。」
黙っていた若い女の声にこっちも笑った。
どうやら男だったようだ。
「は、はは!やっぱりわからなかった!」
3人で賭けていたようだ。
「は、はは、わからなかったよ。それで誰が勝った?」
「イルザンだよ。ムスタファならわかると思ったのに。」
ビスは困った顔で笑っていた。
「お前は分かったのか?」
「骨格がね。女物の服で分かりづらかったけど分かるよ。」
「そうか、はは、」
ビスも女を選んでそれぞれ部屋に入った。
3人で飲んだのはそれっきりだ。
あとはイルザンとちょくちょく花街へ出掛けた。
イルザンの宿でキスしたり、抜いたりして女を買う。
気が向けば男も。
昔のように過ごしていたら、ビスが次第に不機嫌になった。
「こういうのは嫌いか?」
「回数がね。こう頻繁じゃ不安になる。」
「そうか。」
今のところ大きな穴は開けてない。
だが、気になるのは納得した。
「わかった。」
遊びを控えて真面目に過ごした。
イルザンは会いたがっていたが、こっちは仕事だ。
大事な時期だと思い直して会うのを控えた。
認めて貰えるかどうかの時期にポカを出したくなかった。
貧民街の治療が落ち着いて、ビスとは交代で休むようになった。
もうしばらくしたら出立する。
遊びに慣れたせいでムラムラしたが、ビスがいない時に自分で処理した。
「最近、遊ばないね。」
「ああ、仕事がいい。」
「ふうん。」
しばらくは薬の作成に費やした。
「ムスタファ。」
「なんだ?」
「男は抱くけど抱かれたことある?」
「ない。」
「へえ、そうなんだ。」
「冗談じゃねぇ。死んでもやだね。」
くくっと笑いが聞こえて目を向ける。
「イルザンと仲良さそうだったから。」
「ああ、親しいがそれはごめんだ。」
以前と変わらずケツは嫌だった。
ねだられたが断った。
「お前は潔癖かと思った。」
「ん?別に構わないよ。」
「そうか。」
出立をいつ頃にするか相談していたが、急患で呼ばれた。
一人でいいと言うのでビスに任せて旅の支度を整えた。
「ただいま。」
「おかえり。何を持って帰ったんだ?」
「もらった。」
壺を2つぶら下げて帰ってきた。
「患者は移民の商隊のひとり。お礼だって。」
手渡されて蓋を開けると懐かしい匂いがした。
「これ、酒だ。」
「へえ、そうなんだ。」
「親父や兄達がよく飲んでた。懐かしい。」
先代に弟子入りする前、家族とずっと一緒だった。
まだ幼くて飲めなかったが、寒い夜は少しだけ許されたんだ。
「飲もうぜ。」
返事も聞かずいそいそとグラスを出した。
かなり強い。
「…懐かしい。…美味い。」
「独特な風味だね。嫌いじゃないけど。かなり強いね。頭にガツンと来る。」
「お前でもか。」
「うん。おかわり、くれる?」
「お前が貰ったんだ。好きに飲め。」
おこぼれは俺だ。
「持っていけないから飲み干しちゃおうよ。」
「そうだな。」
好きなだけ飲んだ。
「ねえ、ムスタファは処女なの?」
「あ?」
「男の経験ないって言ってたから。軍ならそういうの多いじゃん?」
「はは、ケツのことか。守り通した。冗談じゃねぇよ。」
饒舌に、何があったかこれまでのことを話した。
「ヒヤッとしたのは、それだけかなぁ。…一度、二度かな。」
ふわふわ通り越して、ぐらんぐらんしてる。
目蓋が重い。
眠くて目をつぶって聞かれるままに答える。
「団長どもにちょっかいかけられたのと、貴族のくそやろー…」
「イルザンは?」
「イルザン?ああ、あいつも。あはは、だけど、ケツは嫌だった。他ので誤魔化した。気が向いたし。」
「他は?」
「あー…?…ハシント?あいつとヤるのは好きだった。…貸せだの言わねぇし。…女役専門。気持ち良かった。…鳴くと可愛いし。」
もう飲むのは終わりにしようかと思うのにグラスにまだ残ってる。
飲み干すのに減らない。
「もうダメだな。飲みすぎた。」
背もたれに体を預けてるがそれさえも崩れてる。
肘掛けに体重をかけて一度座り直した。
「あと少し、飲み干そうよ。」
グラスに注がれた。
「お前も飲めよ。」
「飲んでるよ。君より多く飲んでる。」
「そうか?」
「そうだよ。ひとりひと瓶。俺の分はこのグラスで最後
。」
目を開けてみるとビスの飲んでた瓶を揺すっていた。
何も音がしない。
自分の瓶をふらふらしながら揺するとそこの方からちゃぽちゃぽと聞こえた。
「お前、酒も強いのか。」
「まあね。」
「はは、すげー。あは、は」
「機嫌いいね。」
「ああ、なんでかな。悔しいはずなのに嬉しい。はは、」
笑いが止まらない。
涙も出てきた。
「あー、すげぇ笑える。あは、は、」
ニコニコ笑うビスに笑った。
「寝るならベッドに行きなよ。運ぶの無理だ。」
「いや、飲み干す。負けたくねぇ。あはは、」
「なら寝酒でいいじゃん。ベッドに行こう。」
「は、はは、頭いいな。」
ふらつきながら立ち上がって、ビスに支えられて寝室へ行った。
「お前は部屋に戻らねぇの?」
ベッドに転がって尋ねた。
もうひとつの部屋に戻るのかと思ったら、グラスを2つ持ってベッドの端に座ったからだ。
「寝酒に付き合うよ。」
「はは、どうも。」
「ひとりは嫌だろ?」
「ああ、嫌だ。」
「やっぱり。ふふ。」
グラスが空になる頃、少し、ふわふわが抜けてきた。
「楽しかった。もう寝る。」
「そう?これからじゃない?」
「何が?」
手に持ったグラスを取られた。
片方の手を俺の手首を掴んでる。
やべぇ、そう思った。
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