1 / 1
一時的な流行りに人生をかけてはいけないと思う
しおりを挟む
「聞いた?またらしいよ」
「え?またですか?知りませんでした。最近、お友達もお父様もお忙しいようでお手紙もあまり。……それで次はどちら?」
「ネリサ子爵の令嬢とコール侯爵の長男がクラリア公爵の令嬢に婚約破棄を言い渡したって」
「あら、マチルダ・クラリア様?格上の公爵家に?それでどうなりました?」
「宣言を聞いた公爵令嬢がティーカップを投げてキャットファイトに発展したとか」
「……腹に据えかねたのでしょう。……下から上へ破棄を宣言される方はおりませんでしたのに」
「だろうね」
「流行ってますわねぇ」
「困ったことにねぇ」
「……憚られますが、皇太子ご夫婦が切っ掛けですよね?」
「ああ、間違いなく」
「あの、皇太子妃様はそんなにお綺麗な方ですの?皇太子様が長年の婚約者より選びたくなるほど。多くの殿方が皇太子妃様を崇拝されていると聞きましたし。私は遠くからお見掛けしただけなので、お顔がはっきり分かりませんの」
「僕も」
「あら、皇太子様の側近のお一人なのに?」
「タイミングが合わなくて。皆が僕に雑用を回すから。専ら皇太子様のお側より文官の執務室に閉じ籠りっきり」
「だからとてもお忙しかったのですね。最近、お会いできなくて。さすがに心細くありました」
「んんっ、ごほっ、あの、……僕も」
「……はい」
「忙しくて。……ごめんね?」
「いえ、お顔を見せてくださるだけで嬉しゅうございます。毎日のお手紙も」
「……手紙なんて言えないよ。走り書きみたいなのばかりで。……婚約者に申し訳ないなぁ」
「お忙しいのに書いてくださっているのですね。お心がとても伝わりました」
「……そうか。……良かった。愛想をつかれるかと心配で。……逆婚約破棄も流行ってるから」
「そうらしいですねぇ。不貞の証拠を集めて逆に突きつけるとお聞きしました。女性もお強くなりましたねぇ。お調べする専門の職業の方々がいらっしゃるそうで」
「僕はしてないからね?………………なんで睨むの?」
「……すぐにそうやって否定すると怪しいそうです」
「……え?え?!そうなの?!ちょ、ちょっと、睨まないでっ、本当に何もしてないから」
「……信じていますけど。先人の知恵と申しますか。少し用心深くなります」
「僕は嫌だよ?君との婚約破棄は」
「……してないのは私共くらいですよ?皆さんは一度や二度、当たり前に経験されますもの」
「そうだけど。……そんなに睨まれるなら僕の信用が足らないのかな?落ち込むよ」
「……会わなかった時間のせいです」
「……そうか。うーん。……なんと言うか、君ほど僕を慕ってくれる婚約者に会える気がしないし。えー、……逆に君は?僕は嫌かな?」
「嫌なんてことは全くありませんけど。……経験はしてみたいですね」
「はぁ?経験?何をバカなことを?」
「申し訳ありません。一度もないとからかわれてしまうもので」
「あぁ、分かる。僕もだよ」
「殿方の世界も?」
「うん。年配に受けは悪いけど、同世代の友人達は婚約破棄した数を競い合ってる。よくそんなに縁談を見つけられるといつも感心するだけだから、バカにされてしまうんだ」
「まぁ、そうでしたのね。こちらも似てます。女性の間では一度は経験するべきというお話になってます」
「へー、そうなんだ」
「はい。破棄されたあとにもっといいご縁に出会う方も多くて、そちらの方がロマンチックだと好まれていますし、破棄の回数が多いのも殿方に好まれる証拠だとか」
「……君もそうしたいのか?」
「あ、いいえ、滅相もない。知らない殿方とまた新しく関係を築けるか不安ですもの。皆さんに感心してばかりで、でも私は経験がないので……」
「……バカにされるんだね」
「……はい。今のままで不満はないのですけど。……年下のご令嬢にまで言われると少し。申し訳ありません」
「確かにそれはいい気持ちしないね。あっ!傷つく気持ちは分かるだけだからね?一時の流行りに婚約破棄をしようなんて流されないでくれよ?すぐにこんな馬鹿げた流行も落ち着くし、僕らは気にしないで過ごそうよ」
「……流行りが落ち着くでしょうか?」
「?」
「皇太子妃様が皆様にぜひ略奪婚をするべきとお勧めになっているそうなんです」
「え?!なんで?!」
「人は困難を乗り越えて愛する者を奪い取るからこそ輝くとご令嬢方に指南されていると聞きました。皇太子ご夫妻をお手本にされよと」
「え、困る」
「そうですよねぇ」
「と、盗られる方はたまったもんじゃないのに。その話は本当なの?」
「私も盗られたくありませんけど。男爵から皇太子妃になられた皇太子妃様のようになりたいと憧れる方が多いので、皇太子妃様の恋愛指南を求めて皇太子妃様主宰のお茶会が人気なんです。先日、参加した友人から教えていただきました」
「本当なんだね。はぁぁ、なんてことを仰るんだ。皇太子妃は。こんな風潮を先導していたなんて。……そう言えば」
「何でございますか?」
「……皇太子も、同じようなことを仰っていた。婚前まえにお互いの熱い情熱が必要だと。婚約を破棄するほどの」
「まぁ」
「……正直、情熱とは違うけどね。……あれは婚前交渉で籠落されただけだ」
「え?何と仰いました?聞き取れなくて申し訳ありません」
「今のは失言だから聞かれなくて良かった。それより僕らは僕らのペースで行こう?それでいいかな?」
「はい。私も皇太子様のお話で反省しました。情熱が足らないのですね」
「え?」
「情熱的に頑張ります。盗られたくないので」
「ええ?え?盗られたくないって、そう思われるのは嬉しいけど。でも僕は今のままの君でいいんだよ?皇太子ご夫妻を手本に婚前交渉なんかまだいいからね?結婚後の楽しみに取ってるんだから」
「……婚前交渉?……何をするんですか?」
「あ……、分かってなかったならそれでいいよ。気持ちは分かったから、む、無理しないでね?」
「待ってください。婚前交渉というものが情熱の秘訣ですか?ぜひ、」
「違う違うっ。食いつかないでっ。何でもいいから結婚後の楽しみなのっ、今はダメ」
「知りたいですっ」
「ダメってば」
「……分かりまし、」
「調べるのもダメだからね!やめてくれよ?」
「むぅぅ」
「け、結婚後に僕が教えるんだから。それまでダメだよ?」
「……はい。でも少しくらい予習をしたいのですけど。分からないと不安ですし。ご存じなら教えてほしいです。少しだけ、だめでしょうか?」
「ううっ、誘惑だよぉ、それは。ううっ、ねだらないで。………ああ、もう。す、少しだけだよ?耳を貸して?大きな声では言えないから」
「はい」
「あのね、結婚したら、最初に、ヒソヒソ……だから、二人で、ヒソヒソ……………それで、婚前交渉というのは、ヒソヒソ…………」
「………え?…………………そ、そんな!ま、まぁぁっ、私ったら、は、はしたないことをお、お願いして、申し訳ありませんっ」
「だ、大丈夫だよ。泣かないでいいから。すごい緊張したけど、これはこれで楽しかったし」
「ううっ、恥ずかしいです」
「大丈夫だってば。………あのね、ここだけの話。略奪愛を皇太子ご夫妻がどんなに推奨されてもそのうち破綻するから。真似た人達も同じだよ」
「………?」
********************
「以前のお話は本当でしたね」
「まあね」
「まさか一粒種の皇太子様が嫡廃されるなんて」
「略奪愛を推奨するからだよ。皇太子妃は恋多き女と異名を取るほど相手を取っ替え引っ替え。皇太子様は妻を御せない寝盗られ男と有名になるし、緩んだ貴族令嬢に囲まれて放蕩三昧。そのくせお互いの浮気をひと目を憚らずに罵り合う。歪んだ倫理観に他国からの信頼は地の底だ」
「………ご成婚後、たった1年でしたね。婚約破棄の流行りに乗った方々も」
「信頼をなくすからねぇ。だいたい親の情があるんだ。我が子を蔑ろにされて黙る筈がない」
「破棄をされた令嬢は平和なようですね」
「………破棄返しをした令嬢は特にね。概ねそうらしいけど。……でもやはり心の傷になるようだ。少ないけど立ち直れないご令嬢の話も聞くよ。ご息女のことで悩まれる方が職場に多いから」
「時間が癒してくれますでしょうか」
「そうだと思うよ。もう今はそういう健気な女性が人気だからいい縁談も多いって聞いた。前皇太子妃とは真逆だから」
「まあ、殿方の世界ではそうですのね」
「うん。それのことでまた忙しいんだ。年配の方から適齢期の男を聞かれるし、逆に若い奴からも仲立ちを頼まれるし。本当に両方から。………俺だけいつも年配の中で仕事してたからだよねぇ」
「皆さんに頼られてますのね。嬉しいですわ。でもまたお忙しくなってしまいましたね。陛下の側近のお仕事もお忙しくされてますのに。喜ばしいけどお体が心配です」
「気にかけてくれるんだね。ありがとう。側近とはいえ文官の下っぱが意外だよね。生真面目さが買われて、陛下の側近になるとは思わなかった。昨日、次の皇太子が決まったら側近として派遣するように言われたよ」
「まあ、また皇太子様の側近と選ばれるなんて。他の方は皆さん、離職されたのに。ご栄進おめでとうございます」
「………君のおかげだと思う。ありがとう、僕を慕ってくれて」
「………いえ、私の方こそ、ありがとうございます」
~終~
「え?またですか?知りませんでした。最近、お友達もお父様もお忙しいようでお手紙もあまり。……それで次はどちら?」
「ネリサ子爵の令嬢とコール侯爵の長男がクラリア公爵の令嬢に婚約破棄を言い渡したって」
「あら、マチルダ・クラリア様?格上の公爵家に?それでどうなりました?」
「宣言を聞いた公爵令嬢がティーカップを投げてキャットファイトに発展したとか」
「……腹に据えかねたのでしょう。……下から上へ破棄を宣言される方はおりませんでしたのに」
「だろうね」
「流行ってますわねぇ」
「困ったことにねぇ」
「……憚られますが、皇太子ご夫婦が切っ掛けですよね?」
「ああ、間違いなく」
「あの、皇太子妃様はそんなにお綺麗な方ですの?皇太子様が長年の婚約者より選びたくなるほど。多くの殿方が皇太子妃様を崇拝されていると聞きましたし。私は遠くからお見掛けしただけなので、お顔がはっきり分かりませんの」
「僕も」
「あら、皇太子様の側近のお一人なのに?」
「タイミングが合わなくて。皆が僕に雑用を回すから。専ら皇太子様のお側より文官の執務室に閉じ籠りっきり」
「だからとてもお忙しかったのですね。最近、お会いできなくて。さすがに心細くありました」
「んんっ、ごほっ、あの、……僕も」
「……はい」
「忙しくて。……ごめんね?」
「いえ、お顔を見せてくださるだけで嬉しゅうございます。毎日のお手紙も」
「……手紙なんて言えないよ。走り書きみたいなのばかりで。……婚約者に申し訳ないなぁ」
「お忙しいのに書いてくださっているのですね。お心がとても伝わりました」
「……そうか。……良かった。愛想をつかれるかと心配で。……逆婚約破棄も流行ってるから」
「そうらしいですねぇ。不貞の証拠を集めて逆に突きつけるとお聞きしました。女性もお強くなりましたねぇ。お調べする専門の職業の方々がいらっしゃるそうで」
「僕はしてないからね?………………なんで睨むの?」
「……すぐにそうやって否定すると怪しいそうです」
「……え?え?!そうなの?!ちょ、ちょっと、睨まないでっ、本当に何もしてないから」
「……信じていますけど。先人の知恵と申しますか。少し用心深くなります」
「僕は嫌だよ?君との婚約破棄は」
「……してないのは私共くらいですよ?皆さんは一度や二度、当たり前に経験されますもの」
「そうだけど。……そんなに睨まれるなら僕の信用が足らないのかな?落ち込むよ」
「……会わなかった時間のせいです」
「……そうか。うーん。……なんと言うか、君ほど僕を慕ってくれる婚約者に会える気がしないし。えー、……逆に君は?僕は嫌かな?」
「嫌なんてことは全くありませんけど。……経験はしてみたいですね」
「はぁ?経験?何をバカなことを?」
「申し訳ありません。一度もないとからかわれてしまうもので」
「あぁ、分かる。僕もだよ」
「殿方の世界も?」
「うん。年配に受けは悪いけど、同世代の友人達は婚約破棄した数を競い合ってる。よくそんなに縁談を見つけられるといつも感心するだけだから、バカにされてしまうんだ」
「まぁ、そうでしたのね。こちらも似てます。女性の間では一度は経験するべきというお話になってます」
「へー、そうなんだ」
「はい。破棄されたあとにもっといいご縁に出会う方も多くて、そちらの方がロマンチックだと好まれていますし、破棄の回数が多いのも殿方に好まれる証拠だとか」
「……君もそうしたいのか?」
「あ、いいえ、滅相もない。知らない殿方とまた新しく関係を築けるか不安ですもの。皆さんに感心してばかりで、でも私は経験がないので……」
「……バカにされるんだね」
「……はい。今のままで不満はないのですけど。……年下のご令嬢にまで言われると少し。申し訳ありません」
「確かにそれはいい気持ちしないね。あっ!傷つく気持ちは分かるだけだからね?一時の流行りに婚約破棄をしようなんて流されないでくれよ?すぐにこんな馬鹿げた流行も落ち着くし、僕らは気にしないで過ごそうよ」
「……流行りが落ち着くでしょうか?」
「?」
「皇太子妃様が皆様にぜひ略奪婚をするべきとお勧めになっているそうなんです」
「え?!なんで?!」
「人は困難を乗り越えて愛する者を奪い取るからこそ輝くとご令嬢方に指南されていると聞きました。皇太子ご夫妻をお手本にされよと」
「え、困る」
「そうですよねぇ」
「と、盗られる方はたまったもんじゃないのに。その話は本当なの?」
「私も盗られたくありませんけど。男爵から皇太子妃になられた皇太子妃様のようになりたいと憧れる方が多いので、皇太子妃様の恋愛指南を求めて皇太子妃様主宰のお茶会が人気なんです。先日、参加した友人から教えていただきました」
「本当なんだね。はぁぁ、なんてことを仰るんだ。皇太子妃は。こんな風潮を先導していたなんて。……そう言えば」
「何でございますか?」
「……皇太子も、同じようなことを仰っていた。婚前まえにお互いの熱い情熱が必要だと。婚約を破棄するほどの」
「まぁ」
「……正直、情熱とは違うけどね。……あれは婚前交渉で籠落されただけだ」
「え?何と仰いました?聞き取れなくて申し訳ありません」
「今のは失言だから聞かれなくて良かった。それより僕らは僕らのペースで行こう?それでいいかな?」
「はい。私も皇太子様のお話で反省しました。情熱が足らないのですね」
「え?」
「情熱的に頑張ります。盗られたくないので」
「ええ?え?盗られたくないって、そう思われるのは嬉しいけど。でも僕は今のままの君でいいんだよ?皇太子ご夫妻を手本に婚前交渉なんかまだいいからね?結婚後の楽しみに取ってるんだから」
「……婚前交渉?……何をするんですか?」
「あ……、分かってなかったならそれでいいよ。気持ちは分かったから、む、無理しないでね?」
「待ってください。婚前交渉というものが情熱の秘訣ですか?ぜひ、」
「違う違うっ。食いつかないでっ。何でもいいから結婚後の楽しみなのっ、今はダメ」
「知りたいですっ」
「ダメってば」
「……分かりまし、」
「調べるのもダメだからね!やめてくれよ?」
「むぅぅ」
「け、結婚後に僕が教えるんだから。それまでダメだよ?」
「……はい。でも少しくらい予習をしたいのですけど。分からないと不安ですし。ご存じなら教えてほしいです。少しだけ、だめでしょうか?」
「ううっ、誘惑だよぉ、それは。ううっ、ねだらないで。………ああ、もう。す、少しだけだよ?耳を貸して?大きな声では言えないから」
「はい」
「あのね、結婚したら、最初に、ヒソヒソ……だから、二人で、ヒソヒソ……………それで、婚前交渉というのは、ヒソヒソ…………」
「………え?…………………そ、そんな!ま、まぁぁっ、私ったら、は、はしたないことをお、お願いして、申し訳ありませんっ」
「だ、大丈夫だよ。泣かないでいいから。すごい緊張したけど、これはこれで楽しかったし」
「ううっ、恥ずかしいです」
「大丈夫だってば。………あのね、ここだけの話。略奪愛を皇太子ご夫妻がどんなに推奨されてもそのうち破綻するから。真似た人達も同じだよ」
「………?」
********************
「以前のお話は本当でしたね」
「まあね」
「まさか一粒種の皇太子様が嫡廃されるなんて」
「略奪愛を推奨するからだよ。皇太子妃は恋多き女と異名を取るほど相手を取っ替え引っ替え。皇太子様は妻を御せない寝盗られ男と有名になるし、緩んだ貴族令嬢に囲まれて放蕩三昧。そのくせお互いの浮気をひと目を憚らずに罵り合う。歪んだ倫理観に他国からの信頼は地の底だ」
「………ご成婚後、たった1年でしたね。婚約破棄の流行りに乗った方々も」
「信頼をなくすからねぇ。だいたい親の情があるんだ。我が子を蔑ろにされて黙る筈がない」
「破棄をされた令嬢は平和なようですね」
「………破棄返しをした令嬢は特にね。概ねそうらしいけど。……でもやはり心の傷になるようだ。少ないけど立ち直れないご令嬢の話も聞くよ。ご息女のことで悩まれる方が職場に多いから」
「時間が癒してくれますでしょうか」
「そうだと思うよ。もう今はそういう健気な女性が人気だからいい縁談も多いって聞いた。前皇太子妃とは真逆だから」
「まあ、殿方の世界ではそうですのね」
「うん。それのことでまた忙しいんだ。年配の方から適齢期の男を聞かれるし、逆に若い奴からも仲立ちを頼まれるし。本当に両方から。………俺だけいつも年配の中で仕事してたからだよねぇ」
「皆さんに頼られてますのね。嬉しいですわ。でもまたお忙しくなってしまいましたね。陛下の側近のお仕事もお忙しくされてますのに。喜ばしいけどお体が心配です」
「気にかけてくれるんだね。ありがとう。側近とはいえ文官の下っぱが意外だよね。生真面目さが買われて、陛下の側近になるとは思わなかった。昨日、次の皇太子が決まったら側近として派遣するように言われたよ」
「まあ、また皇太子様の側近と選ばれるなんて。他の方は皆さん、離職されたのに。ご栄進おめでとうございます」
「………君のおかげだと思う。ありがとう、僕を慕ってくれて」
「………いえ、私の方こそ、ありがとうございます」
~終~
230
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気だと疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う幸せな未来を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
絶縁状をお受け取りくださいませ旦那様。~離縁の果てに私を待っていたのは初恋の人に溺愛される幸せな異国ライフでした
松ノ木るな
恋愛
アリンガム侯爵家夫人ルシールは離婚手続きが進むさなかの夜、これから世話になる留学先の知人に手紙をしたためていた。
もう書き終えるかという頃、扉をノックする音が聞こえる。その訪ね人は、薄暗い取引で長年侯爵家に出入りしていた、美しい男性であった。
婚約者を奪っていった彼女は私が羨ましいそうです。こちらはあなたのことなど記憶の片隅にもございませんが。
松ノ木るな
恋愛
ハルネス侯爵家令嬢シルヴィアは、将来を嘱望された魔道の研究員。
不運なことに、親に決められた婚約者は無類の女好きであった。
研究で忙しい彼女は、女遊びもほどほどであれば目をつむるつもりであったが……
挙式一月前というのに、婚約者が口の軽い彼女を作ってしまった。
「これは三人で、あくまで平和的に、話し合いですね。修羅場は私が制してみせます」
※7千字の短いお話です。
「恋もお付き合いもまだいいかなって思ってるんです~」と言いながら婚約者を盗んでいった聖女には、そいつ以外のすべてを盗み返してさしあげますわ
松ノ木るな
恋愛
国内外で名を轟かす剣豪を多く輩出したヴァレロ侯爵家の令嬢アネモネは、彼女自身も腕の立つ剣の使い手。剣士と雷魔術師のハーフで魔法バトルもお手の物だ。
そんな彼女は若き戦士の学び舎、王立学院・魔法クラスで6年学び、もうすぐ卒業というところ。
やはり高名な魔術師を多く抱える侯爵家の嫡男アドニスと婚約していたのだが、その彼が突然言い出した。
君とのパートナーシップを解消して、聖魔のミルアと卒業試験のドラゴン討伐に行ってくる、と。
それを解消するということは、婚約破棄も同義。
ちょっと待ちなさい! その子、ひとりでぜんぜん宿題できなくて、赤点ばかりで追試受けなきゃいけないって私に泣きついてきてたのよ!
やっぱり「かよわい聖女」がいいってこと?
私のこと野蛮だの脳筋だの言ってくる彼女に、もう仏の顔しませんから!
※
主人公アネモネの通う学院は
物理職クラス: 剣士、槍術士、弓使い、盗賊、etc.
魔法職クラス:(火・氷・雷・聖)魔術師 の
ふたクラスに分かれています。
みんな血筋で決まる専門の職業(ジョブ)に就いていますが、主人公のようにミックスだと副業を持っていたりします。
不貞の罪でっち上げで次期王妃の座を奪われましたが、自らの手を下さずとも奪い返してみせますわ。そしてあっさり捨てて差し上げましょう
松ノ木るな
恋愛
カンテミール侯爵家の娘ノエルは理知的で高潔な令嬢と広く認められた次期王妃。その隠れたもうひとつの顔は、ご令嬢方のあいだで大人気の、恋愛小説の作者であった。
ある時彼女を陥れようと画策した令嬢に、物語の原稿を盗まれた上、不貞の日記だとでっち上げの告発をされ、王太子に婚約破棄されてしまう。
そこに彼女の無実を信じると言い切った、麗しき黒衣裳の騎士が現れる。そして彼は言う。
「私があなたをこの窮地から救いあげる。これであなたへの愛の証としよう」
令嬢ノエルが最後に選んだものは…… 地位? それとも愛?
「お前を愛することはない」と言った夫がざまぁされて、イケメンの弟君に変わっていました!?
kieiku
恋愛
「お前を愛することはない。私が愛するのはただひとり、あの女神のようなルシャータだけだ。たとえお前がどんな汚らわしい手段を取ろうと、この私の心も体も、」
「そこまでです、兄上」
「なっ!?」
初夜の場だったはずですが、なんだか演劇のようなことが始まってしまいました。私、いつ演劇場に来たのでしょうか。
悪『役』令嬢ってなんですの?私は悪『の』令嬢ですわ。悪役の役者と一緒にしないで………ね?
naturalsoft
恋愛
「悪役令嬢である貴様との婚約を破棄させてもらう!」
目の前には私の婚約者だった者が叫んでいる。私は深いため息を付いて、手に持った扇を上げた。
すると、周囲にいた近衛兵達が婚約者殿を組み従えた。
「貴様ら!何をする!?」
地面に押さえ付けられている婚約者殿に言ってやりました。
「貴方に本物の悪の令嬢というものを見せてあげますわ♪」
それはとても素晴らしい笑顔で言ってやりましたとも。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
過去作ですがこちらも拝見。
ドストエフスキーの「貧しき人々」のような会話文(あちらは往復書簡ですが)で成り立つ素晴らしい仕上がり!
願わくば流行に左右される事無く仲睦まじいこの2人に幸あらん事を!!
面白いし、凄く印象深いです。
婚約破棄が流行ってて大変だーな、お話しも幾つか読んだ事が有りますが、
モブ視点!
会話のみ‼️
こんな設定を思い付くなんて凄い❣️
会話だけで描写が無いのにすんなり読めるし、ホント凄かった‼️有り難うございました❤️
ありがとうございます!!
こんなに誉められてしまって、どう感謝を表現していいやら……(〃ω〃)
プルルンリムル様のお褒めコメントのおかげで、嬉しすぎて語彙力崩壊という体験をできましたw(*´∀`*)
返信が遅くなって申し訳ありません💦