1 / 98
1、お姉様
しおりを挟む
「なぜ私が?」
いつものお姉様の口癖。
お姉様はいつも仰るの。
ーなぜ私がそんなことをしなくてはならないの?ー
なぜかしら、私はお姉様にそう言われると、その通りだわと妙に納得しておりました。
年の離れたお姉さまは、子供の私からしたらおとぎ話に出てくるような何でも出来る素晴らしい淑女です。
どんな楽器でも奏でられますし、歌は天使のよう。
絵筆を持てば大きなキャンバスにため息が出るような美しい風景を写し出し、マナー、外国語、算術などのお勉強の進みも素晴らしくて、一人で基礎を教えてらした家庭教師がお父様に専門の家庭教師をそれぞれ紹介して退職してしまった程です。
お姉様は何でも出来る、それが私が物心ついた時から当たり前のことでした。
もちろん、私もお姉様に憧れて同じように先生に学び楽器や絵筆を持ちました。
お勉強を頑張ろうと思ってもすぐ飽きて話を覚えられず、楽器を教わった通りに弾くのですが、何かおかしいらしく笑われるばかりでした。
絵を描いても、「何を書いたの?」と困惑され、私が好んで本を集めると食べ物や動物の生態など女の子らしくないものばかり選ぶので「どうしてそんなものを?」とますます困らせました。
お姉様は家庭教師に教わると出来るまで練習を重ねて家庭教師に教わった以上の完成を求めて粘り強く根気よく打ち込むのです。
ピアノなら1日中弾いて教えられた以上の美しさに仕上げますし、お勉強なら家庭教師に出題された課題が終わるまで机から離れないのです。
お姉様の真似をして自分の不出来を知り、お姉様の素晴らしさを理解しました。
でもお姉様は違っていたようで、怠け者の私に大変ご立腹されて見下すようになりました。
いつものお姉様の口癖。
お姉様はいつも仰るの。
ーなぜ私がそんなことをしなくてはならないの?ー
なぜかしら、私はお姉様にそう言われると、その通りだわと妙に納得しておりました。
年の離れたお姉さまは、子供の私からしたらおとぎ話に出てくるような何でも出来る素晴らしい淑女です。
どんな楽器でも奏でられますし、歌は天使のよう。
絵筆を持てば大きなキャンバスにため息が出るような美しい風景を写し出し、マナー、外国語、算術などのお勉強の進みも素晴らしくて、一人で基礎を教えてらした家庭教師がお父様に専門の家庭教師をそれぞれ紹介して退職してしまった程です。
お姉様は何でも出来る、それが私が物心ついた時から当たり前のことでした。
もちろん、私もお姉様に憧れて同じように先生に学び楽器や絵筆を持ちました。
お勉強を頑張ろうと思ってもすぐ飽きて話を覚えられず、楽器を教わった通りに弾くのですが、何かおかしいらしく笑われるばかりでした。
絵を描いても、「何を書いたの?」と困惑され、私が好んで本を集めると食べ物や動物の生態など女の子らしくないものばかり選ぶので「どうしてそんなものを?」とますます困らせました。
お姉様は家庭教師に教わると出来るまで練習を重ねて家庭教師に教わった以上の完成を求めて粘り強く根気よく打ち込むのです。
ピアノなら1日中弾いて教えられた以上の美しさに仕上げますし、お勉強なら家庭教師に出題された課題が終わるまで机から離れないのです。
お姉様の真似をして自分の不出来を知り、お姉様の素晴らしさを理解しました。
でもお姉様は違っていたようで、怠け者の私に大変ご立腹されて見下すようになりました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
367
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる