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23、理由
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「それでヨルンガはなぜ今回、こちらへ来たんだ?」
言われてみればそうです。
ただの使者なら他の者がいつも遣わされてました。
ヨルンガは重用されていてお父様が手放したがらないと聞いていたので私も不思議になりました。
「久々の里帰りではないの?」
違うの?と尋ねれば、お父様の指示で今年から私に遣えるようにと言い遣ったそうです。
「ヨルンガを私の侍従に?本当?」
私は驚きました。
確かにもうすぐデビューするのだから、ひとりくらいは側仕えが必要です。
お母様と相談して屋敷のメイドの誰か考えていたのですが、お姉様の対応で忙しくて後回しになっていました。
「でも…お父様のところはいいの?ヨルンガはすごい優秀だって聞いたわ。私の側仕えには勿体ないんじゃないかしら?」
いくら子供の頃、仲が良かったとはいえヨルンガを侍従にするのは抵抗がありました。
「なんだか、ヨルンガに悪いわ…」
現当主のお父様に遣えることと私に遣えることは立場として差がありすぎます。
はっきり言えば降格です。
「旦那様から大事なお嬢様を託されたのです。充分、名誉なことと考えています。」
「ふぉふぉっ、ヨルンガは戻れて嬉しかろう。」
「はい。ずっとそのつもりで念願が叶いました。」
「そうなの…?」
リリィ様のお世話は楽しいですからと嬉しそうにされたら、私は何も言えません。
せめてお姉様付きになった方が私の側仕えになるより立場が良いのですが、いじけたことを言うのは憚られます。
お父様がお決めになったことなのにお姉様のところに行けなんて我が儘を言われても、ヨルンガはどうすることも出来ないでしょう。
私も粛々と受け入れて、私がお嫁に行ったらまたお父様の元で頑張ってほしいと思いました。
言われてみればそうです。
ただの使者なら他の者がいつも遣わされてました。
ヨルンガは重用されていてお父様が手放したがらないと聞いていたので私も不思議になりました。
「久々の里帰りではないの?」
違うの?と尋ねれば、お父様の指示で今年から私に遣えるようにと言い遣ったそうです。
「ヨルンガを私の侍従に?本当?」
私は驚きました。
確かにもうすぐデビューするのだから、ひとりくらいは側仕えが必要です。
お母様と相談して屋敷のメイドの誰か考えていたのですが、お姉様の対応で忙しくて後回しになっていました。
「でも…お父様のところはいいの?ヨルンガはすごい優秀だって聞いたわ。私の側仕えには勿体ないんじゃないかしら?」
いくら子供の頃、仲が良かったとはいえヨルンガを侍従にするのは抵抗がありました。
「なんだか、ヨルンガに悪いわ…」
現当主のお父様に遣えることと私に遣えることは立場として差がありすぎます。
はっきり言えば降格です。
「旦那様から大事なお嬢様を託されたのです。充分、名誉なことと考えています。」
「ふぉふぉっ、ヨルンガは戻れて嬉しかろう。」
「はい。ずっとそのつもりで念願が叶いました。」
「そうなの…?」
リリィ様のお世話は楽しいですからと嬉しそうにされたら、私は何も言えません。
せめてお姉様付きになった方が私の側仕えになるより立場が良いのですが、いじけたことを言うのは憚られます。
お父様がお決めになったことなのにお姉様のところに行けなんて我が儘を言われても、ヨルンガはどうすることも出来ないでしょう。
私も粛々と受け入れて、私がお嫁に行ったらまたお父様の元で頑張ってほしいと思いました。
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