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最果ての森編
13. お昼ご飯
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「ジル、昼メシはなんだ?やっぱ動くと腹減るなー!」
「ぺこぺこだねー」
これはツッコんでいいのかな?
いいんだよね?
君達、寝てたよね?
「サラダと肉とスープとパンだ」
ジルが律儀に答える。すごくざっくりしているが。
「おおー!···おお?それだけじゃよく分からんな。ま、ジルが作るメシは何でも美味いからいいか!」
「そうそう、いつも美味しいよねー。体が伸びちゃうくらい美味しいー」
スライムは美味しいと伸びるのか。
「そ、そうか。早く席につけ」
喜んでる僕の父親、可愛い。
身長二十センチでどう席につくのだろう。
「ふふ、じゃあ私はウィル君を抱えておこうかな」
「!」
ジルがたっぷり数拍の間を置いて、僕をライの膝に乗せる。
「ふふふ、ウィル君、ふわふわだねえ。小さいねえ。可愛いねえ」
さっき出来なかったからか、ここぞとばかりにライが僕の頭を撫でる。
「すぐ準備する」
それを見てジルがものすごいスピードで動き始めた。目で追うのは早々に諦めた。
「おお、ジル急いでんなあ。珍しいな。そんなに腹減ってんのか?」
「違うよー、テム。ジルはね、早くウィルくんをかわいがりたいんだよー」
ファムの解説が恥ずかしい。
二人はどこからかクッションを集め、きちんと椅子にスタンバイしている。
「出来たぞ」
早い。テーブルにどんどん料理が置かれていく。
おお、美味しそう。
ジルのイケメンスキルが料理の分野にも遺憾無く発揮されているのは、昨日食べたスープでも十分に分かっている。期待が高まる。
全員揃ったところで、
「おいで」
とジルに手を伸ばされた。
『おいで』が頭の中でエコーする。
な、なんだこの破壊力は。
「ふふふ、ジル、すっかりお父さんだねえ」
満足したのか、ツヤツヤした顔でライがジルの膝に僕を乗せる。
ふむ。僕の定位置だ。
「食べよう」
ジルの言葉で、各々が食べ始める。
サラダは、青々とした葉野菜が数種類に、細かく砕いた木の実のようなものが散らされている。横に置いてあるボトルは、ドレッシングだろうか。
そういえば、家の周りに畑があったな。自分で育てているのだろうか。
「サラダ、食べてみるか?」
「あうあう」
ジルに聞かれて頷く。
細かくちぎった野菜にドレッシングをかけ、食べさせれくれる。
野菜がシャキシャキだ。噛むとほんのり甘いから、糖度が高いのだろう。木の実はローストしてあるのか、香りが立っている。野菜と木の実がフルーティーなドレッシングと合わされば、何とも言えない上品な味になる。
「んー!あむあむ!」
美味しくてもぐもぐ食べる。
「ふふ、ウィル君、美味しそうに食べるねえ」
だって美味しいんだもん。
「本当だな!笑顔で食ってるの見ると、こっちまで嬉しくなるぜ!」
テム、それは作った人のセリフでは?
「美味しいー。伸びそうだよー」
おおう。ファムの高さが半分ほどになってる。クッションもう一つ必要なんじゃない?
喋れるようになったら、僕はツッコミ係になるのだろうか。
「肉、食べるか?」
「あう!」
食べたい!
お肉からすごくいい匂いがしていて、それだけでも幸せな気持ちになる。
これも細かく切り分けて、食べやすくしてくれる。
僕も習得したい、このイケメンスキル。
「んー!」
美味い!
デミグラスソースのような複雑な味がする。お肉の味は牛肉に似ている。じっくり煮込んであったのかな?口に入れると繊維がほろりと解けて柔らかく、噛むとお肉に染み込んだ味がふわっと出てくる。
ああ、幸せとはまさにこのことか。
「あー!あうあう!」
スープは?スープも欲しい!
目がギラギラしてるかもしれないが仕方ない。
スープはあっさり目の味付けだ。数種類の野菜の旨みが感じられ、優しい味わいに飲むとほっとする。
胃の容量を無視すれば、お肉とスープで無限ループが出来そうだ。
そしてそこに穀物の香ばしい香りがするパンが追加されると、食欲が更に加速する。
だが残念なことに僕は一歳児。お腹一杯になってしまった。
ふー、食べた食べた。
ぽんと膨れたお腹をさすっていると、眠気がやってきた。
「部屋で寝るか?」
ジルが訊ねる。
うーん、眠たいけど、もう少し皆んなと一緒にいたい。
もぞもぞと体を反対に向けて、ジルのお腹にしがみつく。
うん。この向きもいいフィット感。
満足していると、優しく頭を撫でられ、すうっと眠りに落ちていった。
その後の会話。
「ふふ、ジル、顔が赤くないかい?」
「あはは、ぷるぷるしてるー」
「なんだあ?腹でも痛いのか?」
「テム、違うよー。ジルはね、ウィルくんがかわいくて悶えてるんだよー」
「ほほう、そうなのか。ま、確かにウィルはちっこくて可愛いな!」
「お、お前ら、うるさい。ウィルが起きるだろう」
「ふふ、そうだね。静かに可愛がろうね」
「あはは、そうだねー。ジル、かわいいねー」
「ブハッ。可愛いのはウィルだろ」
「えー、どっちもかわいいよー」
「ふふふ、そうだね、どっちも可愛いね」
「お前ら···」
「ぺこぺこだねー」
これはツッコんでいいのかな?
いいんだよね?
君達、寝てたよね?
「サラダと肉とスープとパンだ」
ジルが律儀に答える。すごくざっくりしているが。
「おおー!···おお?それだけじゃよく分からんな。ま、ジルが作るメシは何でも美味いからいいか!」
「そうそう、いつも美味しいよねー。体が伸びちゃうくらい美味しいー」
スライムは美味しいと伸びるのか。
「そ、そうか。早く席につけ」
喜んでる僕の父親、可愛い。
身長二十センチでどう席につくのだろう。
「ふふ、じゃあ私はウィル君を抱えておこうかな」
「!」
ジルがたっぷり数拍の間を置いて、僕をライの膝に乗せる。
「ふふふ、ウィル君、ふわふわだねえ。小さいねえ。可愛いねえ」
さっき出来なかったからか、ここぞとばかりにライが僕の頭を撫でる。
「すぐ準備する」
それを見てジルがものすごいスピードで動き始めた。目で追うのは早々に諦めた。
「おお、ジル急いでんなあ。珍しいな。そんなに腹減ってんのか?」
「違うよー、テム。ジルはね、早くウィルくんをかわいがりたいんだよー」
ファムの解説が恥ずかしい。
二人はどこからかクッションを集め、きちんと椅子にスタンバイしている。
「出来たぞ」
早い。テーブルにどんどん料理が置かれていく。
おお、美味しそう。
ジルのイケメンスキルが料理の分野にも遺憾無く発揮されているのは、昨日食べたスープでも十分に分かっている。期待が高まる。
全員揃ったところで、
「おいで」
とジルに手を伸ばされた。
『おいで』が頭の中でエコーする。
な、なんだこの破壊力は。
「ふふふ、ジル、すっかりお父さんだねえ」
満足したのか、ツヤツヤした顔でライがジルの膝に僕を乗せる。
ふむ。僕の定位置だ。
「食べよう」
ジルの言葉で、各々が食べ始める。
サラダは、青々とした葉野菜が数種類に、細かく砕いた木の実のようなものが散らされている。横に置いてあるボトルは、ドレッシングだろうか。
そういえば、家の周りに畑があったな。自分で育てているのだろうか。
「サラダ、食べてみるか?」
「あうあう」
ジルに聞かれて頷く。
細かくちぎった野菜にドレッシングをかけ、食べさせれくれる。
野菜がシャキシャキだ。噛むとほんのり甘いから、糖度が高いのだろう。木の実はローストしてあるのか、香りが立っている。野菜と木の実がフルーティーなドレッシングと合わされば、何とも言えない上品な味になる。
「んー!あむあむ!」
美味しくてもぐもぐ食べる。
「ふふ、ウィル君、美味しそうに食べるねえ」
だって美味しいんだもん。
「本当だな!笑顔で食ってるの見ると、こっちまで嬉しくなるぜ!」
テム、それは作った人のセリフでは?
「美味しいー。伸びそうだよー」
おおう。ファムの高さが半分ほどになってる。クッションもう一つ必要なんじゃない?
喋れるようになったら、僕はツッコミ係になるのだろうか。
「肉、食べるか?」
「あう!」
食べたい!
お肉からすごくいい匂いがしていて、それだけでも幸せな気持ちになる。
これも細かく切り分けて、食べやすくしてくれる。
僕も習得したい、このイケメンスキル。
「んー!」
美味い!
デミグラスソースのような複雑な味がする。お肉の味は牛肉に似ている。じっくり煮込んであったのかな?口に入れると繊維がほろりと解けて柔らかく、噛むとお肉に染み込んだ味がふわっと出てくる。
ああ、幸せとはまさにこのことか。
「あー!あうあう!」
スープは?スープも欲しい!
目がギラギラしてるかもしれないが仕方ない。
スープはあっさり目の味付けだ。数種類の野菜の旨みが感じられ、優しい味わいに飲むとほっとする。
胃の容量を無視すれば、お肉とスープで無限ループが出来そうだ。
そしてそこに穀物の香ばしい香りがするパンが追加されると、食欲が更に加速する。
だが残念なことに僕は一歳児。お腹一杯になってしまった。
ふー、食べた食べた。
ぽんと膨れたお腹をさすっていると、眠気がやってきた。
「部屋で寝るか?」
ジルが訊ねる。
うーん、眠たいけど、もう少し皆んなと一緒にいたい。
もぞもぞと体を反対に向けて、ジルのお腹にしがみつく。
うん。この向きもいいフィット感。
満足していると、優しく頭を撫でられ、すうっと眠りに落ちていった。
その後の会話。
「ふふ、ジル、顔が赤くないかい?」
「あはは、ぷるぷるしてるー」
「なんだあ?腹でも痛いのか?」
「テム、違うよー。ジルはね、ウィルくんがかわいくて悶えてるんだよー」
「ほほう、そうなのか。ま、確かにウィルはちっこくて可愛いな!」
「お、お前ら、うるさい。ウィルが起きるだろう」
「ふふ、そうだね。静かに可愛がろうね」
「あはは、そうだねー。ジル、かわいいねー」
「ブハッ。可愛いのはウィルだろ」
「えー、どっちもかわいいよー」
「ふふふ、そうだね、どっちも可愛いね」
「お前ら···」
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