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最果ての森編
27. 耐性
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「ウィル君、鼻を押さえて、どうしたんだい?」
くっ、イケメンにはイケメンの攻撃は効かないのか···!僕が大ダメージを受けているそばで、ライが不思議そうに聞いてくる。
「どうかしたのか?···魔力に乱れはないようだが」
あなたがイケメン過ぎて流血しそうになったんです。
「あ、あう~」
説明できたとしても理解してもらえる気がしないので、とりあえず笑顔で誤魔化す。
「何ともないならいいんだけどね。ちょっといきなり詰め込み過ぎちゃったかな?」
ライがシュンとした顔で心配している。
こ、心が痛い···!イケメンにシュンとされると、こんなに心臓が軋むのか。思わず胸を押さえそうになったが、また心配されそうなので鋼の意志で我慢する。
「今日はもう寝るか?」
ジルも心配そうに聞いてくる。
あああ、申し訳ない!僕にイケメン耐性がないばかりに!もうすぐ、もうすぐステータスに追加されると思うんだ!
「あーう」
まだ大丈夫、と首を横に振る。
「そうか?だが、今日の勉強はもう終わりにしよう」
「そうだね、ウィル君には時間があるんだし、急ぐことはないよ」
優しい大人達だ。僕の内心を知らないため、純粋に心配してくれている。これはもう、本当に申し訳ない。
「それじゃあ、私はそろそろお暇しようかな。ジル、夕食ありがとうね」
「ああ、あれくらいしか出来ないが、また食べに来てくれ」
「ふふ、ありがとう。ジルの料理はすごく美味しいよ。それじゃあ、ウィル君、また教えに来るね。あ、そうだ!本は置いていくね!」
そう言ってライがバッグから本と、それから服を出す。どんどん出す。え、そんなに入ってたの?すでにバッグの大きさ以上の量の荷物が出ている。もしかして、これも魔道具というやつなのだろうか。
「お前···」
ジルが若干呆れている。
僕はテーブルにできた本と服の小山を呆然と見上げる。
「ふふ、楽しくていっぱい持ってきちゃった。ウィル君、本は気が向いたら読んでみて。それから、服も着てくれると嬉しいな!それじゃあ二人とも、おやすみ!」
そう言って、ライが爽やかな笑顔で家を出る。···あれで、徹夜明けなんだよな。僕は手を振って眩しいイケメンを見送った。
さっきまで一緒にいた人がいなくなると、何とも言えない寂しさを感じる。まだ短い間だけど、僕はジルやライ達と一緒にいるのが自然なことだと感じているのかな、と思った。ジル達も、そう感じてくれたらいいな。
ライが買って来てくれた服を見る。外出するときに着ると良さそうな服もあるし、それにパジャマだろうか、生地が柔らかくて寝るときに着ると良さそうな服もある。柄や色合いはどれもシンプルで落ち着いたものばかりだ。ライは無難なものになったと言っていたけど、僕の精神が十代だと見抜いたのはライだ。あまり可愛すぎるのはやめておいてくれたのかもしれない。
「ウィル、まだ眠くないようだが、部屋には戻っておこう」
ジルにそう言われたので、小山の中からパジャマの上下セットを掴む。
「あう」
「これ着て寝るか?」
「あうあう」
「そうか」
ジルが僕の頭を優しく撫で、パジャマを掴んだ僕を抱えて部屋に連れて行ってくれた。
部屋で早速お着替えだ。今着ているのは、前開きのスナップボタンタイプなので、ぱちぱちっと自分でボタンを外す。パジャマは頭からすぽっと着るタイプで自分だけでは難しいので、ジルに手伝ってもらう。
「あう~」
両手を上げて、ジルがすぽっとしてくれるのを待つ。
「その前に、これも着替えるか」
ジルが手にしているのは、白い柔らかそうな生地の服。あ、これは肌着かな?肌着も着替えがあるなら、着替えさせていただこう。
なんだか、ぷくぷくの赤ちゃんボディが恥ずかしい。あ、でも今日お腹にりんごを光らせて見せたんだっけ。···ふっ、もうバレているのなら仕方ない。こうなったら、この流線美を見せてやろう。
僕はカッコよく流し目をキメながら肌着を着替えさせてもらった。
そして、パジャマも上下着せてもらう。新しい服を着ると、うきうきしてくるのはなんでだろうか。
肌着もパジャマも、肌触りが良くて気持ちいい。きっとライは良い物を買ってくれたのだろう。ありがたいな。いつか、恩返しをしたい。
「さっき少し眠そうな顔だったが···もう寝るか?」
え、僕そんな顔してたっけ?
あっ···。あの、あれは、流し目なんです···。
どうやらカッコよく半目がキマっていたようで、眠そうだと思われたらしい。むう。これも練習しなくては。
眠くないと思っていたが、パジャマを着るとなんだか寝るスイッチが入る感じがする。
「あうあう」
今日はもう寝ようかな。
ベッドに入ると、ジルがふんわり毛布を掛けてくれた。
「おやすみ」
「あう、おあしゅみ」
「!」
ジルが、おやすみと言えてドヤ顔をしている僕の頭を撫でて部屋を出る。
さて、寝る前にチェックをしなきゃ。消えろと念じて消えたから、出すのも念じるだけでいいのかもしれない。そう考えて、『ステータス』と念じる。
するとブォンッとステータス画面が現れた。よし、予想通りだ。
名前:ウィル
種族:人族
年齢:1
レベル:27
スキル:成長力促進、言語理解、魔力操作、魔力感知
魔法:土弾、灯
耐性:
加護:リインの加護
称号:異世界からの転生者、黒龍帝の愛息子、雷帝の愛弟子
···どうやらまだ耐性はついていないようだ。
僕がダメージを受ける日々は、もう少し続きそうだ。
ところで、称号が増えているのだが···雷帝って、誰だ?
くっ、イケメンにはイケメンの攻撃は効かないのか···!僕が大ダメージを受けているそばで、ライが不思議そうに聞いてくる。
「どうかしたのか?···魔力に乱れはないようだが」
あなたがイケメン過ぎて流血しそうになったんです。
「あ、あう~」
説明できたとしても理解してもらえる気がしないので、とりあえず笑顔で誤魔化す。
「何ともないならいいんだけどね。ちょっといきなり詰め込み過ぎちゃったかな?」
ライがシュンとした顔で心配している。
こ、心が痛い···!イケメンにシュンとされると、こんなに心臓が軋むのか。思わず胸を押さえそうになったが、また心配されそうなので鋼の意志で我慢する。
「今日はもう寝るか?」
ジルも心配そうに聞いてくる。
あああ、申し訳ない!僕にイケメン耐性がないばかりに!もうすぐ、もうすぐステータスに追加されると思うんだ!
「あーう」
まだ大丈夫、と首を横に振る。
「そうか?だが、今日の勉強はもう終わりにしよう」
「そうだね、ウィル君には時間があるんだし、急ぐことはないよ」
優しい大人達だ。僕の内心を知らないため、純粋に心配してくれている。これはもう、本当に申し訳ない。
「それじゃあ、私はそろそろお暇しようかな。ジル、夕食ありがとうね」
「ああ、あれくらいしか出来ないが、また食べに来てくれ」
「ふふ、ありがとう。ジルの料理はすごく美味しいよ。それじゃあ、ウィル君、また教えに来るね。あ、そうだ!本は置いていくね!」
そう言ってライがバッグから本と、それから服を出す。どんどん出す。え、そんなに入ってたの?すでにバッグの大きさ以上の量の荷物が出ている。もしかして、これも魔道具というやつなのだろうか。
「お前···」
ジルが若干呆れている。
僕はテーブルにできた本と服の小山を呆然と見上げる。
「ふふ、楽しくていっぱい持ってきちゃった。ウィル君、本は気が向いたら読んでみて。それから、服も着てくれると嬉しいな!それじゃあ二人とも、おやすみ!」
そう言って、ライが爽やかな笑顔で家を出る。···あれで、徹夜明けなんだよな。僕は手を振って眩しいイケメンを見送った。
さっきまで一緒にいた人がいなくなると、何とも言えない寂しさを感じる。まだ短い間だけど、僕はジルやライ達と一緒にいるのが自然なことだと感じているのかな、と思った。ジル達も、そう感じてくれたらいいな。
ライが買って来てくれた服を見る。外出するときに着ると良さそうな服もあるし、それにパジャマだろうか、生地が柔らかくて寝るときに着ると良さそうな服もある。柄や色合いはどれもシンプルで落ち着いたものばかりだ。ライは無難なものになったと言っていたけど、僕の精神が十代だと見抜いたのはライだ。あまり可愛すぎるのはやめておいてくれたのかもしれない。
「ウィル、まだ眠くないようだが、部屋には戻っておこう」
ジルにそう言われたので、小山の中からパジャマの上下セットを掴む。
「あう」
「これ着て寝るか?」
「あうあう」
「そうか」
ジルが僕の頭を優しく撫で、パジャマを掴んだ僕を抱えて部屋に連れて行ってくれた。
部屋で早速お着替えだ。今着ているのは、前開きのスナップボタンタイプなので、ぱちぱちっと自分でボタンを外す。パジャマは頭からすぽっと着るタイプで自分だけでは難しいので、ジルに手伝ってもらう。
「あう~」
両手を上げて、ジルがすぽっとしてくれるのを待つ。
「その前に、これも着替えるか」
ジルが手にしているのは、白い柔らかそうな生地の服。あ、これは肌着かな?肌着も着替えがあるなら、着替えさせていただこう。
なんだか、ぷくぷくの赤ちゃんボディが恥ずかしい。あ、でも今日お腹にりんごを光らせて見せたんだっけ。···ふっ、もうバレているのなら仕方ない。こうなったら、この流線美を見せてやろう。
僕はカッコよく流し目をキメながら肌着を着替えさせてもらった。
そして、パジャマも上下着せてもらう。新しい服を着ると、うきうきしてくるのはなんでだろうか。
肌着もパジャマも、肌触りが良くて気持ちいい。きっとライは良い物を買ってくれたのだろう。ありがたいな。いつか、恩返しをしたい。
「さっき少し眠そうな顔だったが···もう寝るか?」
え、僕そんな顔してたっけ?
あっ···。あの、あれは、流し目なんです···。
どうやらカッコよく半目がキマっていたようで、眠そうだと思われたらしい。むう。これも練習しなくては。
眠くないと思っていたが、パジャマを着るとなんだか寝るスイッチが入る感じがする。
「あうあう」
今日はもう寝ようかな。
ベッドに入ると、ジルがふんわり毛布を掛けてくれた。
「おやすみ」
「あう、おあしゅみ」
「!」
ジルが、おやすみと言えてドヤ顔をしている僕の頭を撫でて部屋を出る。
さて、寝る前にチェックをしなきゃ。消えろと念じて消えたから、出すのも念じるだけでいいのかもしれない。そう考えて、『ステータス』と念じる。
するとブォンッとステータス画面が現れた。よし、予想通りだ。
名前:ウィル
種族:人族
年齢:1
レベル:27
スキル:成長力促進、言語理解、魔力操作、魔力感知
魔法:土弾、灯
耐性:
加護:リインの加護
称号:異世界からの転生者、黒龍帝の愛息子、雷帝の愛弟子
···どうやらまだ耐性はついていないようだ。
僕がダメージを受ける日々は、もう少し続きそうだ。
ところで、称号が増えているのだが···雷帝って、誰だ?
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