月紅の鬼姫

みぞれ飴

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天空の島

第九話 その出会いは必然と

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「芹…疲れてる?」
 旅に出て二日目の朝、芹は私との二人旅で夜もあまり寝ていない。
「いや、疲れてないよ」
「…芹は寝てて!私一人で行ってくる」
「はぁ!ふざけるな。その方が寝れねーよ」
 何よ!過保護ねぇ。私だって自分の事ぐらい守れるもん。
「いざとなったら逃げるから平気よ!」
「…」
 彼は私を見つめ、それから諦めたように…
「わかった。でも質屋と服屋だけだ。それが終わったら戻ってこい。一緒に天空宮に行こう」
「わかったわ」


 宿の外に出て、新鮮な空気を吸いながら、思いっきり伸びをした。
 さて、まずは質屋に行って、これ全部売るっと!

「って、重い!」
 思わず道の真ん中で叫んでしまった。みんなが私を見てる…恥ずかしい。
「嬢ちゃん大丈夫か?持とうか?」
「ありがとうございます。でも大丈夫です」
 声をかけてくれたのは体格の良いお兄さん。
「それ、どこまで運ぶんだ?」
「えっと…質屋まで」
「質屋!?俺、質屋の人間なんだけど…」
「え、そうなんですかぁ!」
「ここからちょっと遠いからやっぱり持つよ」
「すみません。ありがとうございます」

 結局、お兄さんに持ってもらい、質屋に着いた。
「ところでこれ何が入ってるんだ?」
「あ、開けても良いですよ。むしろ見てもらわなきゃ」
 袋を開けた途端、お兄さんが驚いた顔をして、私の方を見た。まぁそうだろうね…だって金があしらわれた物がたくさんあるんだもの。
「嬢ちゃんこれ盗んでないよな…?」
「盗んでません!」
 そうきたか。でもちゃんと全て誰にもらったか覚えているから大丈夫な…はず。
「こんなにたくさんどうしたんだ?」
「もらったんです。男達から」
「どんな奴らだ?」
「貴族です。お金持ちの私を嫁にしようと金目の物を持ってきて」
 怪しいと言うような目で見つめられた。確かに証明するには、この人は私を知らなすぎる。それに王女だということもあまり言えない…

「こんにちは瀬兎さん」
「うわぁ!渼月さん!?」
 ぎょっとした…気配が全くなかったからだ。彼は何も無かったかのように笑っている。
「よぉ渼月、今日は何がお目当てだ?」
「これ…あります?」
 何やら質屋のお兄さんに、紙を見せている。
「んーうちには無いが、嬢ちゃんが持ってきたやつの中にあるんじゃないか?それにしても杏様にプレゼントか?」
「いいえ、パーティ用のアクセサリーです。瀬兎さんちょっとこの中、見ますね」
 そう言って私の袋の中をみる。まるでゴミ箱をあさる猫みたいに…金属加工の宝石達が小物に見えてきた。
「あ、これなんか良いですね。瀬兎さん、お一つください」
「え、良いけど…」
 彼は私が予想していた額より多くお金をくれた。
「それにしてもこんなにたくさんどうしたんですか?」
 またこの質問だ。今度こそ逃げられない
「男どもから貰ったんだと、嫁候補で」
「なるほど、貴族達ですか」
 渼月ってなかなか頭が回るのね。私はコクンとうなずいた。
「あ…もしかしてなんですけど、何かから逃げてきてます?」
「え、どうしてわかったの?」
 私は嘘をつくのが苦手だ。そのせいで、感の鋭い渼月にはバレバレのようだ。
「僕は曲がりなりにも、天空宮の人間なので…居ますよね。自分はお金持ちなんだぞ!ってアピールしてくる人」
 うんうんと頷きながら、渼月は私に共感してくれた。
「まぁ僕なら、こっちも王族なんだからお金持ってるけど?って言い返しますけどね」
 ニコニコしながら爆弾発言したぞこいつ。そんな事本当に言っていたら、反感どころじゃないと思うけどな…
「ま、誰かから逃げてこようが僕には関係ないですけど、逃げ切れると良いですね」
「え、えぇ。そうね」
 まるで無理だとでも言っている様な言い方。私はこの時、この男を怖いと感じた。


「では僕はこれで、杏様も待っていますので」
「あぁ、またパーティーでな」
 パーティーって女装大会の優勝者が招待されるあのパーティーかな。このお兄さんも行けるんだ…
 彼が出て行ってしまったので、私は慌てて外に出て声をかけようとした。
「あ、瀬兎さん後で天空宮に来ますよね?」
「え、どうして分かったの?」
 渼月は振り返って、私が言葉を口にする前に聞いてきた。彼はもうすでに女の姿になっている。
 渼月は私と芹の会話を聞いていたのかと思うほど私たちの行動をよく知っている。それにしても、暇なのかなぁ。
 杏様の護衛をしているなら、ずっと杏様の下にいるはずなのに、むしろ私達をつけている様な…
「君達は妖達の中で、騒がれていますからね。目をつけるのは当然ですよ」
「あなたやっぱり妖なのね!妖が…しかも男のあなたが杏様の下にいるのは、危険ではないの?」
 天空宮は男子禁制の場だ。いくら妖とはいえ、バレたら即終了の危険な場所に入るなんて…
「…あなたは私を馬鹿にしているんですか?」
 私の問いに渼月は、沈んだ低い声で返してきた。彼が振り返ってしまっていたので、顔は見えないが、明らかに怒っている。
「あなたは私が何年杏様に仕えてきたのか知らないでしょう?何年もあの天空宮にいて、私が男だとバレた事はございません。」
 手練れ…という事ね。
「私をその辺一階の妖と一緒にしないで頂きたい」
 それだけ言い捨て、羽を広げて飛んでいってしまった。

「嬢ちゃん、中に入りな」
 お兄さんに呼び込まれたので、彼を目で追うのをやめて店の中に入る。
「彼はとても神聖デリケートな妖だからね。他人の事情に漬け込むのは良くないよ」
 芹に言われた事と同じ、また私はやってしまった…他人の事に首を突っ込む。私のよくない癖だ。
「お兄さんも妖なの?」
「そうだよ。渼月とは長い付き合いなんだ」
 人間に化けている妖は霊力が強いと聞いたが、このお兄さんからは霊力を感じない。昔師匠が言っていた事を思い出した。

 妖の中には人間に化けて、さらに霊力まで隠す妖もいるのだそう。このお兄さん、あの渼月と知り合いって事もあり、相当な強さなのだと実感する。
「嬢ちゃん、残念だけどウチでは全部は買い取れない」
 私と渼月が話している間に全て見たのだろう。やはり高価なものが多いからか。
「じゃあ、買い取れない分は情報をください」
「情報?何のだ」
 今の私が欲しい情報は渼月の事。でも彼の事を聞くのはまた怒られてしまう気がしたので、控えめに…
「女装大会で渼月に勝つにはどうしたらいいですか?」
 今聞けるのはこれしかない。
「んー何とも言えないが、渼月の大会の時の写真見るか?」
「はい、みたいです!」
 お兄さんは店の奥から写真を取り出してきた。
そこに写っていたのは、着物やドレスなど、様々な衣装を着た渼月。女装大会では、妖も変化をして顔を整えてから出場するのを禁じられているため、これが本当の顔なのだと思う…
 栗色の髪に緑色の目そして元々の女顔。
「初めて会った時と同じ顔…」
 ボソっと、そんな言葉を発してしまった。
「渼月はこの顔で君に会ったのかい?」
 私の声を漏らさず聞いていた。
 お兄さんの質問、驚きを隠せない表情だ。さっき店で見た渼月は青い髪で青い目をしていたから、渼月は本当の姿を見せていないのだと思ったのだろう。
 この感じ…覚えがある。

「あの…渼月って鵺ですか?」
 他人には絶対に姿を見せない鵺。信頼する人にしか見せたことが無い姿。
「そっか、この姿を見せてたか…彼は複数の顔を持っていてね。会う人によって姿を変えるんだ。俺にはあの青髪の姿しか見せた事がない。だからこうして記録に残しているのに…そうだよ彼は鵺だ」

 疑いが確信に変わった瞬間。
 ただ、この写真と、私が見た渼月は少しだけ違っていて…姿は同じなのに、纏う雰囲気が違う。
 どう違うのかというと、写真では分からないほどの色々な彼の考えが、実際に会った時に彼が纏う霊力の色として、出ていたのだ。
「どうだった?渼月綺麗だった?」
「ええ、それはもちろん。でも私は、この写真の様に、何かで隠す様な事をしない、嘘偽りない純粋な渼月の方が好き」
「お?嬢ちゃん渼月狙いか?」
「ち、違いますよ!」
 何も隠していないただ女装しただけの渼月。とても可憐な女性にしか見えない。この姿には多くのファンがいるのだそう。
 私もこの顔は好きだ。
「でも、わざわざ姿を晒すような真似。あの鵺がどうしてやるんですかね?」
「あー、誰かを探してるって言ってたが」
「探してる…誰でしょうか」
「さぁな、それは本人に聞きな。まぁ教えてくれないと思うがね。」
 恐らくお兄さんも知らないのだろう。
「ま、渼月を狙うのはやめた方がいいぞ」
 なぜまたその話…違うと言ったはずだが…でもまぁ聞いておいて損はなさそうな話だ。
「どうしてやめた方がいいんですか?」
「杏様が渼月を好きだって噂」
「杏様は渼月が男だって知ってるんですか?」
 誰にもバレていないと言っていたけど、噂が広がってるって事は…
「杏様だけが渼月が男だと知っている。噂ってのは天空宮にいる人達が、杏様は女の渼月を好きなんじゃないかって妄想してるだけだけどね。でもこれは多分事実さ。杏様は渼月を必要としてるって事がね」
 つまり渼月にとって、杏様は危険ではないという事か。私はこの辺で断ち切った方が良いと判断して
「情報ありがとうございました」
 お金を貰ってその店から出た。

「渼月が鵺…か」
 旅に出て探していた鵺。こんなにも早く見つける事になるとは思わなかったけど、あの鬼のことは話してくれるだろうか…
 あわよくば仲間になってもらいたい。
 ただ、彼の纏う霊気が不思議だった。あの路地道の結界は優しい雰囲気だったのに…初めに彼に会った時は、喜怒哀楽に加えて、寂しさと愛、色々な物が混じっていた。きっと千年もの間に色んな事を感じたのだろう。

「さて、着物を買うんだったよね」
 気持ちを切り替え、やって来たのは服屋。でもこの国には着物が少なく、ドレスとかワンピースとかふわふわした服が多い…
「着物ってありますか?」
 お店の人に出してもらった着物は全部で五つ、これしか無いのか…でも多いよりは選びやすいし良いか。
「芹が大会で着てその後はどうせ私が着るんだから…」
 まぁ適当でいいかと買い物終了。それでは帰りましょう。



「芹ただいまー」
「遅かったじゃないか!」
 質屋のところで長居しちゃったからな。朝イチで出たはずなのにもうすでにお昼時。
「寝てなかったの?」
「お前が帰ってこないからそれどころじゃなかったぞ」
「ごめんごめん」
 全くこいつは心配性なんだから…武術の筋も良くて顔も良いのに…これだから女が寄ってこないんだよ。自由にさせてもらえない感じがあるらしい。ま、私は好き勝手させてもらってるけどね。
「大丈夫よ。この国は女の方が強いし私は人間だし、立場はわきまえているつもりよ?」
 貴族って事にして言っちゃったけど…ま、これは話さなくていいか。
「さっき渼月に会ったわ」
「は?何かされなかったか?」
「何でそうなるのよ…何も無かった。でも情報は手に入れたわ」
 座って話している時間はないので、大会の為の準備をしながら、私はさっきの事を全て話た。



「鵺…か。見つかんの早かったな」
 お昼を食べながら天空宮に向かっている途中、芹が話題に出したその妖。
「あの路地道の妖達に会って、ここにいる事はわかっていたけどね」
「お前…鵺を仲間にしたいか?」
「え、どうして?」
「だって妖四天王の一人でもいれば、今後の旅は楽になる。お前ならそう考えるだろ」
 芹はなんでもお見通しだ。
「でも渼月には杏様が居るし、そもそも渼月の事を妖だと知っているのかも怪しい」
 そう…この、鵺を仲間にする作戦の中で一番厄介なのが杏様だ。杏様については何の情報も無いから、どんな人なのか、皆目検討も付かない。
「それもこれも大会で優勝すればわかる…か」
「あ、でも二位になれば良いのよね」
「それは一位が渼月の場合だろ?」
 一位が渼月の場合、二位になれば自動的に招待される。渼月は天空宮の人間だから必要無いもんね。


「さて天空宮に着いたは良いが何するんだ?」
「見たらすぐ帰る。そうでしょ?」
「あぁ、渼月に捕まると厄介そうだしな」
 私達の目の前にそびえ立つのは、白と青の美しく大きな建物だ。ここにある物は、何もかも風雅の都とは違う。きっとここに住んでいる王女はお姫様なのだろうな…そんな事を想像しながら宮殿を眺める私達。
 それにしても…本当に女性しか見かけない。男性はこの辺りを歩くのも許されないのかと思うほど、天空宮の門の前に立っているのも、武器を持った強そうな女達。護衛も女なのね…
 そう考えると、あの渼月はここで一人男なのか…色々考えものだ。
「さ、もう行くか。明日はいよいよ大会だ」
「そうね。最終チェックをしなきゃ」
 私達は天空宮を後にして、宿に戻る事にした。
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