103 / 130
おっさん達乱戦す
しおりを挟む
「安心しろシービー、ルクスは俺が守る」
俺は二人を背にして、電子レンジの扉を構えた。
「おのれぇい、こうなったら先にあの男を魔法で拘束じゃ! 行けっ幹部ども!」
鬼の形相を浮かべたドルガスの声が玉座の間に響き渡る。
すぐさま、バンボルトの十本の腕から炎と雷の魔法が渦を巻き、骸骨の魔物は死霊の瘴気を撒き散らした。他の幹部たちも続けざまに詠唱を重ね、空気そのものが重圧に押し潰されるような異様な気配に満ちていく。
くっ、やべぇ……! 電子レンジの扉はドルガスの兵器は防げても、普通の魔法は無理だ。
「任せろっ!」
真っ先に吠えたのはサンダルフォンだった。バスターブレードを振り回しながら、矢のように幹部の前へ突っ込む。大剣を振るうたびに空気が震え、放たれた炎の魔法を強引に切り裂いていく。
「助太刀致す!」
クレアの声が重なる。鋭く踏み込んだ彼女の剣が、骸骨の魔物の杖を弾き飛ばした。火花が散るほどの剣戟、重厚な金属音が耳を劈く。
「私もっ、魔法防御なら任せてください!」
ステラは両手を震わせながらも詠唱を始めた。淡い青色の障壁が俺とシービー、それにルクスを覆い、骸骨の放った瘴気を弾き返す。
「加勢します!」
ジェダはオークから元の姿に戻り、鱗に覆われた手で幹部たちの魔弾を叩き落とす。小さな爆発があちこちで起きるが、奴は怯まず突進した。
「みんな……ありがとな」
俺もレンジの扉を盾に掲げながら、スタンガンブレードを取り出す。手が震えていたが、もう引けねぇ。シービーもルクスも必ず守ってみせる。
「ぬおおおおおっ!」
バンボルトの十本の腕が一斉に振り下ろされ、火炎と稲光が嵐のように迫る。
「やらせんっ!」
サンダルが大剣を振り回し、炎を真っ二つに切り裂いた。だが雷は裂けず、背に焼き焦げるような衝撃が走る。奴は唇を噛んで踏みとどまった。
「甘いっ!」
骸骨が杖を叩きつけると、床から無数の黒い手が伸びてクレアの足を掴む。
「くっ……!」
彼女は渾身の力で斬り払い、必死に前へ進む。その姿勢は一歩も怯んでいなかった。
「電次郎さん、来ます!」
ステラの声と同時に、瘴気の奔流が障壁を叩いた。バチンと音が鳴り、青い光がひび割れる。
「ちぃっ、持たない……!」
「なら俺が前に出るっ!」
俺はスタンガンブレードを構え、光る刃を幹部の魔物に叩きつけた。
「ぐぅぉっ!?」骸骨の体に電撃が走り、バラバラに砕けて床へ散る。
だが、カラカラと音を立ててすぐさま元の骸骨に戻る──不死身かよ。
矢継ぎ早に、別の幹部が火球を放ってきた。
「やばっ!」
電子レンジの扉を前にかざす。火球が弾け、炎が俺の頬を舐める。熱い……でも貫通はしなかった。
「電次郎!」
ルクスの声が背後から響く。俺は振り返らずに叫んだ。
「大丈夫だ! お前は後ろで見てろ!」
「小癪なぁぁ!」
ドルガスがさらに兵器を起動させる。マナ消滅光線の砲口がこちらに向いた。
「またそれかよ……!」
俺は息を呑む。
光線が当たってもシービーの件があるから、AEDを使えばルクスを助けられるかもしれないが、こんな乱戦状態じゃ無理がある。心肺停止してから時間の猶予なんてない。
俺は、スタンガンブレードを投げ捨てて、電子レンジをもう一つ取り出して扉を切り離し、両手に持ってルクスの前で仁王立ちした。
ステラが叫ぶ。
光線が放たれ、白光が視界を焼き尽くす。
だが──
「なっ……!?」
ドルガスの声が驚愕に染まる。
光は再び、ガラス扉に阻まれ、床へ霧散して消えた。
「たかが扉が……! ふざけおって!」
俺は荒い息を吐きながら、振り返った。
ルクスは驚きに目を見開いていたが、その奥にほんのわずかな笑みが浮かんでいた。
「安心しろルクス。お前の領土も、命も……全部、俺が守る」
俺は二人を背にして、電子レンジの扉を構えた。
「おのれぇい、こうなったら先にあの男を魔法で拘束じゃ! 行けっ幹部ども!」
鬼の形相を浮かべたドルガスの声が玉座の間に響き渡る。
すぐさま、バンボルトの十本の腕から炎と雷の魔法が渦を巻き、骸骨の魔物は死霊の瘴気を撒き散らした。他の幹部たちも続けざまに詠唱を重ね、空気そのものが重圧に押し潰されるような異様な気配に満ちていく。
くっ、やべぇ……! 電子レンジの扉はドルガスの兵器は防げても、普通の魔法は無理だ。
「任せろっ!」
真っ先に吠えたのはサンダルフォンだった。バスターブレードを振り回しながら、矢のように幹部の前へ突っ込む。大剣を振るうたびに空気が震え、放たれた炎の魔法を強引に切り裂いていく。
「助太刀致す!」
クレアの声が重なる。鋭く踏み込んだ彼女の剣が、骸骨の魔物の杖を弾き飛ばした。火花が散るほどの剣戟、重厚な金属音が耳を劈く。
「私もっ、魔法防御なら任せてください!」
ステラは両手を震わせながらも詠唱を始めた。淡い青色の障壁が俺とシービー、それにルクスを覆い、骸骨の放った瘴気を弾き返す。
「加勢します!」
ジェダはオークから元の姿に戻り、鱗に覆われた手で幹部たちの魔弾を叩き落とす。小さな爆発があちこちで起きるが、奴は怯まず突進した。
「みんな……ありがとな」
俺もレンジの扉を盾に掲げながら、スタンガンブレードを取り出す。手が震えていたが、もう引けねぇ。シービーもルクスも必ず守ってみせる。
「ぬおおおおおっ!」
バンボルトの十本の腕が一斉に振り下ろされ、火炎と稲光が嵐のように迫る。
「やらせんっ!」
サンダルが大剣を振り回し、炎を真っ二つに切り裂いた。だが雷は裂けず、背に焼き焦げるような衝撃が走る。奴は唇を噛んで踏みとどまった。
「甘いっ!」
骸骨が杖を叩きつけると、床から無数の黒い手が伸びてクレアの足を掴む。
「くっ……!」
彼女は渾身の力で斬り払い、必死に前へ進む。その姿勢は一歩も怯んでいなかった。
「電次郎さん、来ます!」
ステラの声と同時に、瘴気の奔流が障壁を叩いた。バチンと音が鳴り、青い光がひび割れる。
「ちぃっ、持たない……!」
「なら俺が前に出るっ!」
俺はスタンガンブレードを構え、光る刃を幹部の魔物に叩きつけた。
「ぐぅぉっ!?」骸骨の体に電撃が走り、バラバラに砕けて床へ散る。
だが、カラカラと音を立ててすぐさま元の骸骨に戻る──不死身かよ。
矢継ぎ早に、別の幹部が火球を放ってきた。
「やばっ!」
電子レンジの扉を前にかざす。火球が弾け、炎が俺の頬を舐める。熱い……でも貫通はしなかった。
「電次郎!」
ルクスの声が背後から響く。俺は振り返らずに叫んだ。
「大丈夫だ! お前は後ろで見てろ!」
「小癪なぁぁ!」
ドルガスがさらに兵器を起動させる。マナ消滅光線の砲口がこちらに向いた。
「またそれかよ……!」
俺は息を呑む。
光線が当たってもシービーの件があるから、AEDを使えばルクスを助けられるかもしれないが、こんな乱戦状態じゃ無理がある。心肺停止してから時間の猶予なんてない。
俺は、スタンガンブレードを投げ捨てて、電子レンジをもう一つ取り出して扉を切り離し、両手に持ってルクスの前で仁王立ちした。
ステラが叫ぶ。
光線が放たれ、白光が視界を焼き尽くす。
だが──
「なっ……!?」
ドルガスの声が驚愕に染まる。
光は再び、ガラス扉に阻まれ、床へ霧散して消えた。
「たかが扉が……! ふざけおって!」
俺は荒い息を吐きながら、振り返った。
ルクスは驚きに目を見開いていたが、その奥にほんのわずかな笑みが浮かんでいた。
「安心しろルクス。お前の領土も、命も……全部、俺が守る」
10
あなたにおすすめの小説
神様転生~うどんを食べてスローライフをしつつ、領地を豊かにしようとする話、の筈だったのですけれど~
於田縫紀
ファンタジー
大西彩花(香川県出身、享年29歳、独身)は転生直後、維持神を名乗る存在から、いきなり土地神を命じられた。目の前は砂浜と海。反対側は枯れたような色の草原と、所々にぽつんと高い山、そしてずっと向こうにも山。神の権能『全知』によると、この地を豊かにして人や動物を呼び込まなければ、私という土地神は消えてしまうらしい。
現状は乾燥の為、樹木も生えない状態で、あるのは草原と小動物位。私の土地神としての挑戦が、今始まる!
の前に、まずは衣食住を何とかしないと。衣はどうにでもなるらしいから、まずは食、次に住を。食べ物と言うと、やっぱり元うどん県人としては……
(カクヨムと小説家になろうにも、投稿しています)
(イラストにあるピンクの化物? が何かは、お話が進めば、そのうち……)
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる