私の宝石を探して

ひちゅ

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11.週刊ケダーマも愛読書

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レディエラリアは資源が豊富な国でいつでも活気に満ち溢れていた、それ故に他国から狙われやすいとも言えるが協力な軍事力を持つ事でも知られよほどの大国でないと張り合う事は出来ないほど。
それ以前に王族や貴族のほとんどは穏健派というのも有名で、もう長いあいだ戦争する事無く平和が続くのは彼らが結んだ和平や人との繋がりのおかげだと誰もが思っている。

「バルト!ちょっとそこの書店に入っていい?」

突然のお出掛けで最初は戸惑ったものの、お互い久しぶりの外出とお買い物だったのであっという間に楽しくなり、気になった物を見つけては立ち寄って衝動買いをしていた。

「月刊モフスキー出てるかな...」

バルトは毛の長い生き物をこよなく愛しており世界の多毛の生物(魔物から昆虫すべて)を紹介する月刊モフスキーを愛読していた、好きなジャンルの本棚をふらふら見て回り会計所まで来たときにはお互い何冊か抱えている。

「あれ?珍しいね、絵本に、恋愛小説に...モフスキーも?同じのだから貸すよ?」

「いや、これは私のじゃなくて、その、【聖女】様にね、読むかなって思って」

突然勝手な理由で呼び出してとても不安だと思う、それに急に滞在している王宮からエメロード邸へ移動するとなって更に恐ろしく感じてしまうのではないかと申し訳なくなる。
少しでもこの世界の事を知ってもらって気を紛らわせる事が出来るならと考えて、簡単で女の子が好きそうな本を何冊か渡そうと思った。

「そっか、驚いたよ!知らない内にサナンの好きな本が変わったのかと思った」

「たまに違うジャンルの本も読むけど、やっぱり旅行の本は見ちゃうよー」

店員さんオススメの本も惹かれたため追加で購入してお礼を伝えたら顔を赤くして使って下さい!と言って栞を渡された、すでに持っているお気に入りの栞があるため使うのは先かな、と思っていたらバルトが横からぴっ!と栞をぶん取った。

「栞ほしかったの?」

「そう、もらっていい?」

「いいよ、私は持ってるからどうしようかと思っていたんだ、覚えてるかな?バルトが誕生日プレゼントにくれたやつ」

「あぁ、あれ、覚えてるよ、そっか...まだ使ってくれてたんだ」

どうやら照れているようで少しだけ赤くなった顔を見られたくないのか、荷物を預けてくるからここで待ってて!と言われ去っていってしまった。



***



「...後で兄さんに報告かな?」

従者に荷物を預けながらサナンが渡された栞を裏返してみれば書店の女性店員の住所と思われる字を発見、サナンの優しさは最大の長所でもあるが好意とは時に無用な争いを招く事があると良く分かる。

今日は引き付け役だから、招いてもいいんだけど

『バルトロメオ様、万事つつがなく』

「うん、先に戻りなさい」

代々公爵家に仕える猫目キャッツアイと呼ばれる者たちを秘密裏に行動させていた。
暗闇から除く猫の目が由来の名前がついた彼らは必要以上に話す事なく、報告が済めばいつもはすぐに消えるのだが。

『恐れながら申し上げます、【聖女】が王宮を抜け出したようです、御身のお近くに』

猫目キャッツアイの報告を聞くためにサナンから遠ざかった事を後悔する、早く戻ってこの場を離れようと身を翻した。

少し先にある人だかりが、どうかサナンとは関係ないと願って



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