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足取り重く二人は俺のアパートに来た。まるで蕎麦屋にでも並んでるかのように1人ずつ玄関に入る。

「あ、ここで靴脱いでもらって」

もう、俺の靴はスリッパのように重ねて置くしか場所がない!

「ここは一体…」

異世界でよく聞くセリフが聞けてよかった。まるで魔界でも入った様な言い方ですが。
ここは…うちです。

「うちのアパートです。1人暮らしなので狭いですがどうぞあがって下さい」

「ありがとうございます」

男の声と表情が合ってないぞ。そら、狭いさ!すまん、若くして財を持てる能力俺にはない!地道な通常運転が好きな俺には無理!

とりあえず、座ってもらうか。フィグは前回の事もあり、お手のもので靴を脱いだ。もう1人はフィグに肩を貸してもらっている。

「良かったらそこのソファーにでも座ってください」

「ありがとうございます」

何かよくわからない防具みたいな物を男が外す。服装はフィグとそんなに変わらないけど、それなりに装飾のある服にマントにベルト鞄?みたいな感じだった。

前回より緊張感あるのはもう1人いるからなのか…それとも緊張感ではなく絶望感が漂うってこういう感じなのか。

「あ」

俺は思い出した。フィグの防具全てを家具の様に使っている事を。

フィグは俺の鞄が掛けてある自分の剣を見ていた。

「あ、ごめん。もう会えないと思って。それに重たくて動かせなかった」

「いや…大丈夫だ」

もう1人の男はビックリしていた。

すみません。

「防具は?」
「あ、そこの掛け布団の下に」

男が座っていたがゆっくり布団を捲る。ビックリして慌ててそこから退く。

すみません。

「靴は…」
「見たから分かる」

そうです、邪魔で俺がフィグの靴の上に自分の靴を置いたのだ。

「あの…ご飯は…」
「…まだだが…気にしなくていい」

自分だけ作って食べれない!!二人に見られながらなんて無理!

「一応三人分作れそうなので作ります。食べれなかったらそれはそれでいいから」
「わかった」

気まずい…あ、こんな時は。

「良かったらこれ食べて待ってて」

「これは?」

今日コンビニで買ってきたアイスだ。包丁で半分に切り皿に出した。

「多分食べれると思う。アイスって言う冷たい甘いお菓子」

二人は一口食べた後、手を休める事なく食べた。

「これ、オムライス」
「おむ、」
「オムライス」
「おむらいす」

おうむ返しも懐かしい。
狭い机に三人で食べる。

「食べれる?」
「まぁ、」

やっぱり旨くはないんだな!

明日の食材やらなんやら買いに行かねば…ちょっと行ってくるか。フィグいるしいいよな。

「フィグ、ちょっと行ってくるから。すぐ戻る、お風呂入っていいから」
「わかった」

前回買った物が役に立って良かった。隣の人にも説明してくれるはず。

何だかんだ1時間ぐらいたってしまった。

「ただいま」

「やまと」

フィグが買った服を着ていた。そして俺に抱きついてきた。あ、ちょっと買い物長かったかな?
なーんて、思ったりして。

もう1人の男の人も買った服着てる。あれ、近づいてきた。ん?この人も抱きついてきた。

え…なんで。

「あの…」

「なんだ」

「これって」

「帰って来たから挨拶だろ」

誰だよ。前回どこいってたんだよ、寂しかったですフラグとか言った奴。

「ですよね」
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