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異世界人てやつは
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しおりを挟むあの後ナグマに帰ったら皆が飛び付いて迎えてくれた。俺、そんな酷い置き手紙した?ラーメンとチャーハン食べに行きますって本当は書きたかったんだけどわかんなくて絵にしただけなのに。
クラムさんは半泣き、ライムさんとソルベさんは何度もフィグを頼むと言ってきた。本人は相変わらずそっぽ向いていた。そんなこんなで、次回からは誰かに言うか一緒に帰ることに決めた。
それから着々と婚儀の準備は進んでいる。というか急ピッチな気がする!クラムさんが鬼のように働いている。
そしていつもの会議室に集まり婚儀の打ち合わせをしたいとライムさんとソルベさんに呼ばれた。
「クラム、やまとの婚儀の準備は順調?」
「はい、二人の王にも協力していただきありがとうございます。少し早まる予定です」
「そっか、楽しみだね」
「服や儀式の練習は?」
「今からです」
「なるべくやまとには簡素の方がいいかもね」
「そうだな、儀式だけでもいいし。練習なら付き合う」
「儀式は必要ない」
「王!」
あれ、儀式しなくていいの?クラムさんが焦ってるけど多分しないといけないよね。
「やまとにもナグマの婚儀がどんなのか知ってもらいたいし。嫌ならその後考えればいいだろ?」
「それに、練習すれば大丈夫だろ?」
「はい、宜しくお願いします!」
「……。」
「やまとさんも、ああ言ってますし!」
「……わかった」
で、いろいろ練習があるようで俺は明日からそれに挑む。
「フィグ、練習は俺でもできる?」
「できるが……やはり練習も儀式もしなくていい」
「え!いや、ぶっつけ本番は流石に。それにやらないといけないでしょ?」
「なら俺も一緒に行く」
今日も夜這いに来ているフィグは俺の隣で文字を見せてくれている。アイコンタクトもしてくれて、一方的だがフィグの気持ちがわかるようになってきた。
最近それが分かるようになると、クラムさんが叱っている時によくしてくる。俺に今日も夜行くやら昼ごはん一緒に食べるやら言うので「わかった」と答えるとクラムさんにバレて更に叱られる。当然だけど。
こんな感じで毎回何かとクラムさんに叱られる。明日もそんな予感がしないでもない。
「クラムさん一生懸命なんだから、怒らしたらだめだよ」
「わかった。やまと、いつもの」
「…恥ずかしいんだけど毎回」
「大丈夫か?」
「んっ…大丈夫」
ちなみに前回クラムさんの前で危うくいきかけたのでフィグが寝る前に玩具を常にいれっぱなしにするようなりました。
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