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花に出会った日

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4月下旬の朝
暗い部屋の中、私は色々と悩んで気分がすごく落ち込んでいる。

今日は土曜日で仕事もなく予定も別に何も無い。
私は社会人になったばかりで新入社員だ。
色んな会社に何度も落ちて何とか今の働いている会社に入社できた。

入社し一生懸命働いて頑張っていこうという気持ちで働いてもうすぐで1ヶ月が経つ。
働いている中で悩むことが増えていき今ではもうやる気が出なくなってきている。

悩んでいることは主に人間関係だ。
誰しも人間関係で悩むことはある。私もその中のたった1人にすぎない。
人間関係は生きているかぎり必要不可欠だ。
私は誰にも相談が出来る人がいなくて今はとても楽しい気分になる事が難しい。

私が働いている部署には新入社員は私1人で他の人たちは部長や先輩達だ。
入った当初は初めての事ばかりなので先輩達は優しく教えてくれていたし私自身も楽しく仕事が出来ていた。
ある日がきっかけで部長や先輩達の態度が一気に変わった。

入社し1週間が経つころに私が働いている部署で大きなミスが出てしまった。
工場勤務なのだが先輩が1人大怪我をしたのだ。
クレーンで吊っていた部品が先輩の上に落ちてきて避けたが間に合わず上半身は大丈夫だったのだが下半身が巻き込まれた。
幸い骨折だけだったみたいだ。

その次の日に仕事に行くと明らかに態度が違う。
先輩達が話している声が耳に入ってきた。

「あいつがしっかりとクレーンに物を掛けていないのに大丈夫とか言ったみたいだぞ」

「ありえないだろ。あいつのせいで先輩は亡くなりかけたんだ。骨折ですんでよかったがこれからあいつには仕事させられないな」

と喋っているのが聞こえたが私は入院している先輩と仕事をしていないし誰かが嘘をついて話が広まっているらしい。

私は先輩達に私ではありません。とハッキリと言ったが聞く耳持たずで部長に呼び出され私は怒鳴られて仕事はさせてもらえず掃除だけになった。
それからは私が掃除していると目の前にゴミを落としてきたりされている。
まだ入社したばかりなのに何故こういった扱いをされないと行けないのかすごく悔しい。
辞めることも考えたが辞めたら負けだと思いとどまった。

それで今は気分がすごく落ち込んでいるのだ。
暗いと余計に辛くなるのでカーテンを開けると晴天で散歩が気持ちよさそうだと思い予定も何もないので散歩することにした。

財布と携帯だけ持ち家を出て行先も決めず何も考えずただひたすらと歩く。
もう何時間歩いただろうか。周りは田んぼや畑、川などになっている。
そろそろ喉も乾いてきていたので近くにコンビニが無いか見渡すとポツンとコンビニがあったのでそこで飲み物を買いまた歩き始めた。

それから1時間ほど歩いていると山道になっていて古くさい看板があり気になって読んでみるとそこには

←「ここから先あなたの気分が変わります。
       そして新たな自分に出会うでしょう。  」

と文字は薄くなってきていて読みづらいがそう書かれていた。
私は看板に書かれていたことが気になり左に細い道がありその道に入っていった。

15分ほど歩いただろうか。とてもいい匂いがしてきた。

「このいい匂いはなんだろうか」

と思いながら歩いていると私は言葉を失った。こんなにも素敵な景色初めて見た。生まれて1度も見たことが無い。

そこには丘一面色んな花が咲いている。私は花のことにはあまり詳しくないが名前を知っている花も咲いている。
チューリップやカーネーション、ネモフィラなど知っている花もあれば初めて見た花もたくさんある。

丘に花々に囲まれている細い道が続いている。私はゆっくりと花を見て携帯で花を調べながら進む。

花には花言葉と言うものがある。花言葉にはその花全体の言葉と花の色で分かれているものもある。良い意味や悪い意味などあるが私は花々の個性だと思った。

最初に目にした花はカーネーションだ。
カーネーションには色々な色がある。赤や白、ピンク、黄色、紫、青のカーネーションが咲いている。
花言葉を調べてみると私の心に響いた花言葉があった。
カーネーション全体の花言葉は『無垢で深い愛』そして紫の花言葉は『誇り』『気品』だ。
私は今働いている会社の仕事に誇りを持っている。
この気持ちはなんだろうか。何とも言えない感情だがそのまま歩く。

色んな花々がある中ネモフィラに目がいった。空の上にいるんじゃないかと思うぐらい美しい。私はネモフィラの花言葉を知っていたから少し元気が出てきた。
ネモフィラの花言葉は『可憐』『どこでも成功』だ。
今の働いている会社で成功出来るよと言われているように感じた。
それからも色んな花々を見て花言葉を調べたりして進んでいたら丘の上に着いた。
そこには藤棚があり下にはベンチが置いてありベンチに座る。
風が吹き藤のいい匂いがしてとても癒される。
藤の花言葉は『優しさ』『歓迎』だ。
私はこのとても美しく絶景な場所に歓迎されたのだと思いとても嬉しくなった。

ベンチから花々を上から見渡すと下から見ていた景色も良かったが上から見た景色はそれ以上に美しい。
その時、涙が溢れ出した。
私はもう一度会社に分かってもらえなくてもちゃんと伝えてみようと思った。
落ち着いてきたのでこの景色を目に焼きつけて私は帰宅することにした。

帰宅途中あの景色が脳裏に浮かぶ。
あんなにも素敵な景色があるのに知らない人がたくさんいるんだと思うと私だけの秘密だとちょっと嬉しくなった。
帰宅し疲れていたのかそのままぐっすりと寝てしまった。

月曜日の朝
私はあの景色を見てから元気になっていた。会社に行くと周りの態度は変わってはいないが私は大丈夫と言う自信があった。

私は部長に話をしに行きちゃんと経緯を話したが部長は嘘だと思っているみたいで入院している先輩に電話をして話があっているか聞いていた。
そうすると私が話ている事が本当だと分かり部長は今までの態度を謝ってくれた。部長はみんなを呼び私の話をみんなにしてくれた。

先輩達もその話を聞いて私に嫌な態度をとっていた事やイジメをした事を謝ってくれたので私は許すことにした。
それからは人間関係は良く入院していた先輩も帰ってきて仕事に誇りを持ち一生懸命仕事が出来ている。

私の気持ちを変えてくれて新たな自分を教えてくれたあの花々には本当に感謝だ。
私は花がとても好きになった。
これから先は何でも出来る気がしている。

「私はあの素敵な景色を決してこれから先忘れることはないだろう。」

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