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記録その2
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翌日。琴美は最悪な気分で目が覚めた。
寝る前にシャワーを浴びたはずなのに汗で気持ち悪い上に毛布が掛けられていなかった。
眠っている間に暑くなってどかしてしまったのだろうか?
しかも気だるい上になぜか身体が敏感になっている。
まるで性的な興奮を覚えたようだったが、寝る前にそんなことをした覚えはない。
そう、彼女も退魔士とはいえ一人の人間。
空腹になれば眠くもなる。さらにいえば欲情して自分で自身の身体を慰めたこともあった。
だが、訓練や妖魔退治の後に疲れていればそんなことはしない、体力を余計に消耗したくないからだ。
しかし、自分の身体を見ると乳首が立っている上に股が若干濡れている。
「……」
無意識のまま自慰をしようとしたが顔を振って自制した。
(やらしい妖魔じゃあるまいし、そんなことばかりしてられないのよ!!)
自分の欲情した感覚に怒りをぶつけると、ベッドから起きた。
時計を見ると遅刻寸前。
急いで汗を流す程度のシャワーを浴びた後、学校へ行く支度を最速で済ませる。
正直匂いが気になるが制汗スプレーで誤魔化し、飛び出すように出ていった。
―――教室に着いてすぐに担任が入ってきて朝のホームルームが始まる。
内容は昨日の妖魔についてだった。
ここは表向きには普通の学院だが、裏では妖魔退治のための養成所でもあった。
もちろん全ての生徒がそうではなく、専用に退魔士を育てる科が存在する。
それは、普通科特進コース。
本来の学校では少人数のクラス編成で一人ひとりに手厚い指導を行うためのコースだが、ここではその制度を利用して未来への退魔士を集め指導している。
勿論ここの少数のクラスメイトも退魔士仲間、教師もそのことを知っている上にかなりの猛者である。
「――というわけで、もし遭遇しても一人で対処できなければすぐに撤退し応援を呼ぶこと」
担任の話。それは最近増えてきたと噂の中級以上の対処しにくいタイプの妖魔だった。
近年ではすでに珍しい存在だが、それでも全くいないわけではない。
そのため、今年卒業した優秀な退魔士はすぐに出没地帯へ派遣される。琴美も例外ではない。
彼女は中学卒業後、退魔士としての能力を評価されこの特進科の生徒になったのだ。
だが現在、授業中にもかかわらず琴美は机の下で携帯を弄っていた。
(うーん、やっぱりあの時見たのは夢じゃないみたいね……)
昨日のあやふやな記憶。
まるで全身を複数の者に弄ばれたような嫌な感覚。
誰かが部屋に入った?
でも鍵は掛かっていたし結界も破られた形跡がない。
本当に夢だったの?
夢だったとしたらなんなのか、夢占いのサイトを探して自分の深層心理になんらかの異常があるのか調べるしかないのか?
そう疑問に思っていたその時、琴美は頭に衝撃を受けた。突然のことで驚きながら顔を上げる。
するとそこには、鬼のような形相で睨む女性担任がいた。
「まだホームルーム中だというのに余裕だな、琴美」
「あ、えと、それは……」
辺りを見回す琴美に対し、クラスメート達が担当への恐怖で目をそらす。
教師の名は酒匂舞(さかいまい)。
白いワイシャツに黒のタイトスカート。
大人の魅力溢れる身体にゆるくウェーブが掛かった髪の容姿をしているが、勉学・訓練ともに厳しい鬼教官でもあった。
「昨日も夜遅くに妖魔退治ご苦労、だが、それとこれとは別だ」
「あ、はい、それなんですが……」
「なんだ? 言い分があるなら聞いてやろう」
琴美は話すかどうか悩んだ。
夜、眠っている間に身体をまさぐられたかもしれないと。
しかし、そんな恥ずかしいことは口に出来ないし夢だったのであれば尚更である。
よくよく考えれば部屋に侵入者の痕跡がない以上夢の可能性が高いという結論に達してしまった。
故に、なにも言えない。
「どうした? 何もないのか?」
「あ、えと、そう、です……」
「そうか、なら放課後の訓練の量を増やしてやる」
「ええぇぇ!?」
「ん? 足りないのか?」
「い、いえ、頑張ります」
訓練量が増えるのは辛いが、これ以上増やしたら倒れる。
被害を最小限に食い止めるため、ここで大人しく従うことにした。
―――休み時間。
ようやく訪れた安堵の時間に琴美は大きく息を吐いた。
「やっと一息つける……」
そんな彼女の近くに別のクラスメートが近づいていく。
「もしかして雑魚妖魔に手こずったの?」
半笑いしてからかうように言ってきた相手は荒井風香(あらいふうか)。
セミロングの髪に琴美より控えめなボディーラインの持ち主で、なぜかことあるごとに絡んでくる。
「五月蝿い」
虫を追い払うように手を振るが、風香は遠ざからない。
せっかくの休息時間にさらに消耗したくないというのに。
「まあ、私ならもっと上手くやれるけどね」
「逃げ方が?」
「はぁ!? そうじゃないし!! 私だって一人で中級妖魔とか倒せるし!!」
「倒したことは?」
「え、あ、いや、ないけど……」
「もういいから離れて、貴女と話したくない」
琴美は風香を手を振って払う。その様子に周りの生徒達はクスリと笑っていた。
風香は顔を真っ赤にして琴美を睨み付ける。
が、大した反論も出来そうになかったため、そのまま教室を出ていった。
琴美は溜息をつき、机に突っ伏す。
いつものことだ。
特にこの特進科は10人程度の少人数クラス。
同じ面々に同じやりとり。
もし自分が退魔士ではなく普通の生徒でもっと大勢のクラスにいたらどんな日々を過ごしていたのだろうか。
そう思いながら僅かな休憩時間を寝て過ごした。
―――午後の授業。
琴美の身体に異変が起きていた。
大袈裟なことではないが、それでもおかしい感覚だった。
下着や服が肌を擦れる度に敏感に感じてしまっているのだ。
午前は疲労感と貧血を起こしたような感覚だったため、それほど気にならなかった。
だが今、昼食を済ませ体力や体調もある程度回復すると如実に感じてくる。
(なん……で……)
昨日の妙な夢のせいだろうか、授業中だというのに性的に興奮して紅潮してしまっていたのだ。
以前ネットのSNSで『若い男子は年中発情している』という書き込みを見て眉をひそめたが、今は人の事が言えない。
授業の内容も頭に入らない。
「――で、あるからにして我々退魔士は……愛園、顔が赤いぞ」
担任である酒匂先生が心配そうに見つめてくる。
朝のホームルームでの鬼の形相が嘘のようだった。
「先生、その、ちょっと……」
上がった体温と興奮しているせいで言い訳が思い付かない。
そんな彼女の額に、酒匂が手を当てる。
「熱っぽいな、保健室で休め」
「これくらい、なんとも……」
「体調が優れないなら回復に専念しろ、倒れたら余計に人手が必要になって他の者の迷惑になるだろ」
言い方は厳しいが、決して身体が壊れるまで無茶はさせないのが酒匂の教師としての方針だった。
もう余裕がない琴美はその言葉に甘えることにした。
「すみません、保健室で、休んで、きます……」
「一人で行けるか?」
「はい、なんとか……」
おぼつかない足取りのまま教室を後にした。
いつもなら何て事はない保健室までの距離が遠くに感じた。
そうして歩いていると、とある事に気がついてハッとなる。
下着が濡れているのだ。
座っている時は身体中の汗と体温でそこまで気が回らなかった。
だが、歩いていて明らかに別の体液で濡れているのがようやく分かった。
(最悪っ最悪っ最悪っ!!)
学舎で、しかも人々を守る退魔士ともあろう自分がこんな場所で興奮して濡らすなんて―――
教室を出る前よりさらに顔が赤くなっていく。
どうするべきか?
いっそこのまま帰ってしまうか?
だが、そんなことをすれば酒匂先生は激怒して何をされるか分からない。
なによりこんな弱って興奮した状態で無事に帰れるのか?
(……)
出来れば何処か人が入ってこない場所で自分の身体を慰めたい。
と、一瞬甘い考えが過ったが、すぐに頭を振って邪念を払おうとする。
(バカッバカッバカッ!!!! 何考えてるのよ!!)
自分を叱責すると、煩悩で満たされた脳で何とか二つ手段を考える。
一つ。トイレに行って濡れている大事な場所を拭き取り、下着を捨てる。
二つ。そのまま保健室へ行って何食わぬ顔で横になり、服は干して全裸のまま乾くまで休む。
(……私って馬鹿?)
普通に考えて突っ込みどころが多々ある選択だが、もう予備案を考える気力がない。
授業中のため、誰もいない廊下をフラフラしながら保健室へ向かう。
やがて辿り着くと、中に誰もいないことを願いながら開けた。
(お願い!!)
そこには、いつもならいる保険室の女性の先生がいない。
しかも、他のベッドは一つも使われていない。
まさに誰もいない状況だった。
(ラッキー)
今日の出来事の中で一番幸運だった。
すぐ一番奥のベッドへ向かうと、目隠し用のカーテンを閉め、倒れるように横になった。
まるで熱中症でも起こしたかのように視界が右往左往するが、とりあえずは一安心といった状況だった。
しかし、同時にある欲求が頭を過る。
(誰もいないなら、今のうちに……)
手を秘所へ伸ばす。
だが、すぐに自分の頬を叩いた。
(ダメだって!! もう……)
出来れば下着を脱いで何処かへ干したかったが、もう立ち上がる気力がない。
なのに興奮状態が収まらない。
そこで、訓練中に言われたことを思い出す。
『頭に血が上った状態では冷静な判断は出来ん、敵が近くにいないのであれば深呼吸して心拍数を下げろ』
酒匂先生からの教訓通りに仰向けのまま深呼吸する。
自分の身体を触って慰めたいという想いを押し殺しながら、疲労感に従うように目を閉じた。
寝る前にシャワーを浴びたはずなのに汗で気持ち悪い上に毛布が掛けられていなかった。
眠っている間に暑くなってどかしてしまったのだろうか?
しかも気だるい上になぜか身体が敏感になっている。
まるで性的な興奮を覚えたようだったが、寝る前にそんなことをした覚えはない。
そう、彼女も退魔士とはいえ一人の人間。
空腹になれば眠くもなる。さらにいえば欲情して自分で自身の身体を慰めたこともあった。
だが、訓練や妖魔退治の後に疲れていればそんなことはしない、体力を余計に消耗したくないからだ。
しかし、自分の身体を見ると乳首が立っている上に股が若干濡れている。
「……」
無意識のまま自慰をしようとしたが顔を振って自制した。
(やらしい妖魔じゃあるまいし、そんなことばかりしてられないのよ!!)
自分の欲情した感覚に怒りをぶつけると、ベッドから起きた。
時計を見ると遅刻寸前。
急いで汗を流す程度のシャワーを浴びた後、学校へ行く支度を最速で済ませる。
正直匂いが気になるが制汗スプレーで誤魔化し、飛び出すように出ていった。
―――教室に着いてすぐに担任が入ってきて朝のホームルームが始まる。
内容は昨日の妖魔についてだった。
ここは表向きには普通の学院だが、裏では妖魔退治のための養成所でもあった。
もちろん全ての生徒がそうではなく、専用に退魔士を育てる科が存在する。
それは、普通科特進コース。
本来の学校では少人数のクラス編成で一人ひとりに手厚い指導を行うためのコースだが、ここではその制度を利用して未来への退魔士を集め指導している。
勿論ここの少数のクラスメイトも退魔士仲間、教師もそのことを知っている上にかなりの猛者である。
「――というわけで、もし遭遇しても一人で対処できなければすぐに撤退し応援を呼ぶこと」
担任の話。それは最近増えてきたと噂の中級以上の対処しにくいタイプの妖魔だった。
近年ではすでに珍しい存在だが、それでも全くいないわけではない。
そのため、今年卒業した優秀な退魔士はすぐに出没地帯へ派遣される。琴美も例外ではない。
彼女は中学卒業後、退魔士としての能力を評価されこの特進科の生徒になったのだ。
だが現在、授業中にもかかわらず琴美は机の下で携帯を弄っていた。
(うーん、やっぱりあの時見たのは夢じゃないみたいね……)
昨日のあやふやな記憶。
まるで全身を複数の者に弄ばれたような嫌な感覚。
誰かが部屋に入った?
でも鍵は掛かっていたし結界も破られた形跡がない。
本当に夢だったの?
夢だったとしたらなんなのか、夢占いのサイトを探して自分の深層心理になんらかの異常があるのか調べるしかないのか?
そう疑問に思っていたその時、琴美は頭に衝撃を受けた。突然のことで驚きながら顔を上げる。
するとそこには、鬼のような形相で睨む女性担任がいた。
「まだホームルーム中だというのに余裕だな、琴美」
「あ、えと、それは……」
辺りを見回す琴美に対し、クラスメート達が担当への恐怖で目をそらす。
教師の名は酒匂舞(さかいまい)。
白いワイシャツに黒のタイトスカート。
大人の魅力溢れる身体にゆるくウェーブが掛かった髪の容姿をしているが、勉学・訓練ともに厳しい鬼教官でもあった。
「昨日も夜遅くに妖魔退治ご苦労、だが、それとこれとは別だ」
「あ、はい、それなんですが……」
「なんだ? 言い分があるなら聞いてやろう」
琴美は話すかどうか悩んだ。
夜、眠っている間に身体をまさぐられたかもしれないと。
しかし、そんな恥ずかしいことは口に出来ないし夢だったのであれば尚更である。
よくよく考えれば部屋に侵入者の痕跡がない以上夢の可能性が高いという結論に達してしまった。
故に、なにも言えない。
「どうした? 何もないのか?」
「あ、えと、そう、です……」
「そうか、なら放課後の訓練の量を増やしてやる」
「ええぇぇ!?」
「ん? 足りないのか?」
「い、いえ、頑張ります」
訓練量が増えるのは辛いが、これ以上増やしたら倒れる。
被害を最小限に食い止めるため、ここで大人しく従うことにした。
―――休み時間。
ようやく訪れた安堵の時間に琴美は大きく息を吐いた。
「やっと一息つける……」
そんな彼女の近くに別のクラスメートが近づいていく。
「もしかして雑魚妖魔に手こずったの?」
半笑いしてからかうように言ってきた相手は荒井風香(あらいふうか)。
セミロングの髪に琴美より控えめなボディーラインの持ち主で、なぜかことあるごとに絡んでくる。
「五月蝿い」
虫を追い払うように手を振るが、風香は遠ざからない。
せっかくの休息時間にさらに消耗したくないというのに。
「まあ、私ならもっと上手くやれるけどね」
「逃げ方が?」
「はぁ!? そうじゃないし!! 私だって一人で中級妖魔とか倒せるし!!」
「倒したことは?」
「え、あ、いや、ないけど……」
「もういいから離れて、貴女と話したくない」
琴美は風香を手を振って払う。その様子に周りの生徒達はクスリと笑っていた。
風香は顔を真っ赤にして琴美を睨み付ける。
が、大した反論も出来そうになかったため、そのまま教室を出ていった。
琴美は溜息をつき、机に突っ伏す。
いつものことだ。
特にこの特進科は10人程度の少人数クラス。
同じ面々に同じやりとり。
もし自分が退魔士ではなく普通の生徒でもっと大勢のクラスにいたらどんな日々を過ごしていたのだろうか。
そう思いながら僅かな休憩時間を寝て過ごした。
―――午後の授業。
琴美の身体に異変が起きていた。
大袈裟なことではないが、それでもおかしい感覚だった。
下着や服が肌を擦れる度に敏感に感じてしまっているのだ。
午前は疲労感と貧血を起こしたような感覚だったため、それほど気にならなかった。
だが今、昼食を済ませ体力や体調もある程度回復すると如実に感じてくる。
(なん……で……)
昨日の妙な夢のせいだろうか、授業中だというのに性的に興奮して紅潮してしまっていたのだ。
以前ネットのSNSで『若い男子は年中発情している』という書き込みを見て眉をひそめたが、今は人の事が言えない。
授業の内容も頭に入らない。
「――で、あるからにして我々退魔士は……愛園、顔が赤いぞ」
担任である酒匂先生が心配そうに見つめてくる。
朝のホームルームでの鬼の形相が嘘のようだった。
「先生、その、ちょっと……」
上がった体温と興奮しているせいで言い訳が思い付かない。
そんな彼女の額に、酒匂が手を当てる。
「熱っぽいな、保健室で休め」
「これくらい、なんとも……」
「体調が優れないなら回復に専念しろ、倒れたら余計に人手が必要になって他の者の迷惑になるだろ」
言い方は厳しいが、決して身体が壊れるまで無茶はさせないのが酒匂の教師としての方針だった。
もう余裕がない琴美はその言葉に甘えることにした。
「すみません、保健室で、休んで、きます……」
「一人で行けるか?」
「はい、なんとか……」
おぼつかない足取りのまま教室を後にした。
いつもなら何て事はない保健室までの距離が遠くに感じた。
そうして歩いていると、とある事に気がついてハッとなる。
下着が濡れているのだ。
座っている時は身体中の汗と体温でそこまで気が回らなかった。
だが、歩いていて明らかに別の体液で濡れているのがようやく分かった。
(最悪っ最悪っ最悪っ!!)
学舎で、しかも人々を守る退魔士ともあろう自分がこんな場所で興奮して濡らすなんて―――
教室を出る前よりさらに顔が赤くなっていく。
どうするべきか?
いっそこのまま帰ってしまうか?
だが、そんなことをすれば酒匂先生は激怒して何をされるか分からない。
なによりこんな弱って興奮した状態で無事に帰れるのか?
(……)
出来れば何処か人が入ってこない場所で自分の身体を慰めたい。
と、一瞬甘い考えが過ったが、すぐに頭を振って邪念を払おうとする。
(バカッバカッバカッ!!!! 何考えてるのよ!!)
自分を叱責すると、煩悩で満たされた脳で何とか二つ手段を考える。
一つ。トイレに行って濡れている大事な場所を拭き取り、下着を捨てる。
二つ。そのまま保健室へ行って何食わぬ顔で横になり、服は干して全裸のまま乾くまで休む。
(……私って馬鹿?)
普通に考えて突っ込みどころが多々ある選択だが、もう予備案を考える気力がない。
授業中のため、誰もいない廊下をフラフラしながら保健室へ向かう。
やがて辿り着くと、中に誰もいないことを願いながら開けた。
(お願い!!)
そこには、いつもならいる保険室の女性の先生がいない。
しかも、他のベッドは一つも使われていない。
まさに誰もいない状況だった。
(ラッキー)
今日の出来事の中で一番幸運だった。
すぐ一番奥のベッドへ向かうと、目隠し用のカーテンを閉め、倒れるように横になった。
まるで熱中症でも起こしたかのように視界が右往左往するが、とりあえずは一安心といった状況だった。
しかし、同時にある欲求が頭を過る。
(誰もいないなら、今のうちに……)
手を秘所へ伸ばす。
だが、すぐに自分の頬を叩いた。
(ダメだって!! もう……)
出来れば下着を脱いで何処かへ干したかったが、もう立ち上がる気力がない。
なのに興奮状態が収まらない。
そこで、訓練中に言われたことを思い出す。
『頭に血が上った状態では冷静な判断は出来ん、敵が近くにいないのであれば深呼吸して心拍数を下げろ』
酒匂先生からの教訓通りに仰向けのまま深呼吸する。
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