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バラバラの絆
16話:こいつは誰だ?
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突然現れた少年を前に、元樹は不思議そうに尋ねる。
「なんだ、美園の知り合いか?」
呑気な元樹をよそに、すでに事態を把握しつつある栄子が、顔を強ばらせ美園に問いかける。
「進藤つかさ? ひょっとして、お父様は……」
「進藤仁」
美園がそう言うや否や、栄子はコンマ数秒の速さでつかさに歩み寄り、顔に営業スマイルを貼り付ける。
「まぁまぁ、いらっしゃい。美園と同じ学校だということは伺っていたけど、こんな素敵な方だったとはねぇ。お父様には以前、記事を書いてもらったご縁があるのよ」
「勝手に入ってきちゃってすいません。何度もチャイムを鳴らしたんですけど、誰も出てこないから。でもドアが開いてるし……」
「あらあら、そんなこと気にしないで。私たち家族でお話をすると夢中になっちゃって周りのことが耳に入らないのよ、ホホ。さぁさぁ座ってくださいな」
何故か美園の隣へつかさを座らせる栄子。
つかさは美園と目を合わせて「よっ」と声をかけてくる。美園は心の中で「しまった」と、毒づいた。城島のことで手一杯で、専属契約の件を一言も家族に話していない事を思い出したのだ。
「それにしても2人が友達だったなんて知らなかったわ」
強ばった笑みを浮かべ栄子が美園を見る。あれだけ用心しろといったのに、という言葉が顔に書いてある。
「いえ、今までは喋ったことなかったんですよ。知り合ったのはつい最近です」
含みをもたせた笑みでつかさが美園を見たので、家族一同、不審気な表情をする。
「2人は、その……友達だよな?」
不機嫌になりつつある元樹を前に、つかさは堂々と言い放った。
「はい、今は。でも僕としてはそれ以上の関係に……」
バコン!
元樹は手にしていた湯呑みごと、つかさへ投げつけた。
――が、動揺しまくった元樹のコントロールは恐ろしいほど悪く、何故か栄子の頭へ直撃した。
「キャア、ママ!」
悲鳴をあげた美園が栄子に駆け寄る。
頭を抑えて床にしゃがみこんだ栄子は、お茶を滴らせながら元樹を睨みつける。
「い、いやぁ手元が狂って」
「あなた……ワザとでしょ」
「な、何言ってるんだ。俺はこのカス男にだな」
「パパ!」
モデルファミリーという家族像が崩れかけてきそうになったため、美園がいち早くセーブをかけてフォローを差し入れる。
「蚊でしょ。蚊がいたんだよね。進藤君の横に。だからつい反射的に湯呑み投げちゃって。もう、危ないなぁ」
美園の意図に気付いた家族一同は、文字にするなら「ハッ」という言葉と同時に、姿勢を正して穏やかな世良田一家を演じ始めた。
「いやぁ、そうなんだ。参ったな。栄子、本当にごめんな。頭痛くないか」
「え、ええ。大丈夫よ。元樹さんたらおっちょこちょいなんだから。間違ってつかさ君に当たったらおおごとだったわよ」
そう言った後、栄子は改めて言葉の重大さに気が付いた。
それは残りの家族とて同じ。僅か何秒かの間で互いに視線を交わしあい、ハハハハと異様な笑い声を漏らした。
「なんだ、美園の知り合いか?」
呑気な元樹をよそに、すでに事態を把握しつつある栄子が、顔を強ばらせ美園に問いかける。
「進藤つかさ? ひょっとして、お父様は……」
「進藤仁」
美園がそう言うや否や、栄子はコンマ数秒の速さでつかさに歩み寄り、顔に営業スマイルを貼り付ける。
「まぁまぁ、いらっしゃい。美園と同じ学校だということは伺っていたけど、こんな素敵な方だったとはねぇ。お父様には以前、記事を書いてもらったご縁があるのよ」
「勝手に入ってきちゃってすいません。何度もチャイムを鳴らしたんですけど、誰も出てこないから。でもドアが開いてるし……」
「あらあら、そんなこと気にしないで。私たち家族でお話をすると夢中になっちゃって周りのことが耳に入らないのよ、ホホ。さぁさぁ座ってくださいな」
何故か美園の隣へつかさを座らせる栄子。
つかさは美園と目を合わせて「よっ」と声をかけてくる。美園は心の中で「しまった」と、毒づいた。城島のことで手一杯で、専属契約の件を一言も家族に話していない事を思い出したのだ。
「それにしても2人が友達だったなんて知らなかったわ」
強ばった笑みを浮かべ栄子が美園を見る。あれだけ用心しろといったのに、という言葉が顔に書いてある。
「いえ、今までは喋ったことなかったんですよ。知り合ったのはつい最近です」
含みをもたせた笑みでつかさが美園を見たので、家族一同、不審気な表情をする。
「2人は、その……友達だよな?」
不機嫌になりつつある元樹を前に、つかさは堂々と言い放った。
「はい、今は。でも僕としてはそれ以上の関係に……」
バコン!
元樹は手にしていた湯呑みごと、つかさへ投げつけた。
――が、動揺しまくった元樹のコントロールは恐ろしいほど悪く、何故か栄子の頭へ直撃した。
「キャア、ママ!」
悲鳴をあげた美園が栄子に駆け寄る。
頭を抑えて床にしゃがみこんだ栄子は、お茶を滴らせながら元樹を睨みつける。
「い、いやぁ手元が狂って」
「あなた……ワザとでしょ」
「な、何言ってるんだ。俺はこのカス男にだな」
「パパ!」
モデルファミリーという家族像が崩れかけてきそうになったため、美園がいち早くセーブをかけてフォローを差し入れる。
「蚊でしょ。蚊がいたんだよね。進藤君の横に。だからつい反射的に湯呑み投げちゃって。もう、危ないなぁ」
美園の意図に気付いた家族一同は、文字にするなら「ハッ」という言葉と同時に、姿勢を正して穏やかな世良田一家を演じ始めた。
「いやぁ、そうなんだ。参ったな。栄子、本当にごめんな。頭痛くないか」
「え、ええ。大丈夫よ。元樹さんたらおっちょこちょいなんだから。間違ってつかさ君に当たったらおおごとだったわよ」
そう言った後、栄子は改めて言葉の重大さに気が付いた。
それは残りの家族とて同じ。僅か何秒かの間で互いに視線を交わしあい、ハハハハと異様な笑い声を漏らした。
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