あの夏の向日葵

蚕月榎雨

文字の大きさ
上 下
1 / 1

あと31日で世界が終わる

しおりを挟む
ーあの夏の光景が今でもこの目に染み付いて離れないー
「ニュース速報です。今日未明、月、地球を含む太陽を除いた惑星の動きに異常が確認されました。気象庁によりますと、このままでは地球は7月31日に消滅するようです。」
テレビから聞こえてくるニュースの音。
葵はただなんとなくつけているだけのテレビの内容はいつも聞き流していた。
いつものように右耳から左耳へ抜けそうになった情報に反応する。
あっけにとられた葵はテレビに引き寄せられる。
信じられない…。これは…本当なの、?今日は7月1日。
つまり、今日をあわせてあと31日で世界が終わる、ってこと。
葵は驚きを隠せず無意識に少し口を開きテレビの方を向いたまま硬直していた。
…!やばい。8時だ、もう行かないと。
「…行ってきます」
暗くポツリと言った。
言う意味あったかな…、見送ってくれる人なんて、
居ないのに。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...