まったり異世界観光 ~観光チートで異世界を楽しみつくす~

にしん

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現在、停車場にて休憩中。
旅の目的地であるケーラル出身のマリーという女性冒険者と、歓談している最中である。
今は彼女に地元のオススメスポットなどを聞いて、情報収集中。

「とにかく、ウチの自家製ウインナーはぜひオススメですよ」
「いいねぇ。他にも色々と教えて欲しいんだけど」
「いいですよ。外に出たとはいえ、ケーラルは大好きですから」

若者の笑顔がまぶしい。
俺もまだ30前ではあるけれど、あちらは20前後ぐらいの年齢。
こういう地元への素直な愛には、好感を持てる。
あっ、前世の年齢云々はノーカンな。

「情報料にコイツはどうだろう?」

そう言って、俺は独特なイラストの描かれた小さな紙袋を取り出す。

「フィガロのクッキーじゃないですか!」
フィガロとは王都で人気の喫茶店で、手作りのクッキーが名物なのである。
日持ちするためお土産としても人気でなかなか手に入りにくい。

「これっていつも午前中には、売り切れちゃうってやつですよね」
「ちょっとしたツテがあってね」

前にフィガロの店主の依頼で、浄水器の調整をしたことがあって、それ以来付き合いがある。
コーヒーやクッキーが好みにドンピシャだったので、あちらの厚意で定期的に取り置きしておいて貰っているのだ。
基本的に自分で消費する用だが、たまにちょっとした贈り物として人にあげると、こうやって喜んでもらえる。

「私、パーティメンバーが後2人いるんですけど、有益な情報なら上乗せもあったりとか?」

さらなる聖カを求めて、貪欲なマリー。冒険者としては、しごく正しいスタンスである。

「うーん、これも貴重だからねぇ。とりあえず地元民のオススメ飯から聞かせて貰いましょうか」
「じゃあじゃあ、本町にある――」


この後もだいぶ会話が弾んだ。
色々な情報も手に入って、クッキー3袋分の価値はあったかな。
こういうのは、チート頼りよりも自分で集めた情報の方が、より旅行気分が味わえるからな。
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