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「うんうん。魔力も満ちたから、余裕でいけるわね」
精霊の子どもというのは、要するに分霊のことである。
高い属性を宿す触媒に自らの魔力を分け与えることで、新たな精霊を生み出して、それを分霊とする。
分霊には自我こそあるが、感覚を共有することができ、数多くの分霊を抱える大精霊は、その地に鎮座しながら世界中の分霊から情報を得ているという。
「後は触媒だけど、あなたのバッグに何かいいもの、あるわよね?」
そういうと彼女は、にんまりと笑ってこっちを見る。
というか、魔力もほとんど俺由来のものの上に、触媒までねだる気だ。
少しは遠慮がちにしてほしいものだが、彼女はふてぶてしくこちらに催促の手を差し出す。
まぁ精霊を人間の尺度で測る方が間違いといわれれば、それもそうか。
「はぁ~、これをどうぞ」
俺はひとつの石を差し出す。
「ありがと、お兄さん!」
彼女は嬉しそうに石を受け取ると、その石をじっくりと調べ始める。
「おぉ~、いいじゃん! なんか、地元の懐かしい匂いがしてたのよね」
彼女に渡した石は、昨日秘密基地で手に入れた魔力石。
彼女の根源ともいえる場所の魔力が詰まったものなので、相性も当然ばっちりだ。
まぁもとより換金する気はなかったし、相応しい使い道が見つかったと思えばいいか。
「それじゃさっそく作るね」
彼女はそう言うと俺の目の前から、姿を消した。
その直後、場の魔力が一気に濃密となり雰囲気が一変する。
いや、あるべき姿を取り戻したというところか。
(やはり、精霊が鎮座する場は魔力が濃密になる。へたすりゃ擬似的な聖域になりかけてるな)
その潤沢な魔力がある1点、俺が渡した奥ケーラルの魔力石に、吸い込まれるようにして集まっていく。
魔力の可視化ができる人間ならば、この光景を奇跡と呼ぶのだろう。濃密な魔力の本流が渦を巻きながら、一点に向かって落ちてゆく。
『お兄さん、また魔力の注入ヨロ~』
耳ではなく今度は脳内へ直接声が響く。
まぁここまで来たら乗りかかった船なので、新たな精霊の誕生を見届けていこうかな。
なんて思っていたら、精霊様より催促の波動。
はいはい、やりますよー。
端から見たら、なんとも静寂な空間に見えるだろう。清らかな空気に包まれた場所で、男が1人、何も喋ることもなく、ただただ祈りを捧げている。
ただそんな一見凪の状態の中でも、実情はそうではない。
今もなお、濃密な魔力がゆっくりゆっくりと渦巻きながら魔力石へと向かっていき、魔力の濃度を高め続けている。水の魔力をこう表現するのはいささか無粋ではあるが、魔力がまるで地底のマグマのようにグツグツと煮えたぎっているのが、今の状態だ。
もしここでこの魔力が暴れ出して、奔流にでもなれば、ケーラル一帯に尋常ならざる被害が出ることだろう。
精霊とは、意志のある自然現象みたいなものなのだ。その自然現象の一端が、この小さな石の中に、勢いよく流れ込もうとしている。
ここまでくるとマジックユーザーでない普通の人にも、魔力を感じられるくらいだろう。
さて、そろそろ臨界点が近い。
『くるよー』
脳内に気の抜けた声が響いた。
精霊の子どもというのは、要するに分霊のことである。
高い属性を宿す触媒に自らの魔力を分け与えることで、新たな精霊を生み出して、それを分霊とする。
分霊には自我こそあるが、感覚を共有することができ、数多くの分霊を抱える大精霊は、その地に鎮座しながら世界中の分霊から情報を得ているという。
「後は触媒だけど、あなたのバッグに何かいいもの、あるわよね?」
そういうと彼女は、にんまりと笑ってこっちを見る。
というか、魔力もほとんど俺由来のものの上に、触媒までねだる気だ。
少しは遠慮がちにしてほしいものだが、彼女はふてぶてしくこちらに催促の手を差し出す。
まぁ精霊を人間の尺度で測る方が間違いといわれれば、それもそうか。
「はぁ~、これをどうぞ」
俺はひとつの石を差し出す。
「ありがと、お兄さん!」
彼女は嬉しそうに石を受け取ると、その石をじっくりと調べ始める。
「おぉ~、いいじゃん! なんか、地元の懐かしい匂いがしてたのよね」
彼女に渡した石は、昨日秘密基地で手に入れた魔力石。
彼女の根源ともいえる場所の魔力が詰まったものなので、相性も当然ばっちりだ。
まぁもとより換金する気はなかったし、相応しい使い道が見つかったと思えばいいか。
「それじゃさっそく作るね」
彼女はそう言うと俺の目の前から、姿を消した。
その直後、場の魔力が一気に濃密となり雰囲気が一変する。
いや、あるべき姿を取り戻したというところか。
(やはり、精霊が鎮座する場は魔力が濃密になる。へたすりゃ擬似的な聖域になりかけてるな)
その潤沢な魔力がある1点、俺が渡した奥ケーラルの魔力石に、吸い込まれるようにして集まっていく。
魔力の可視化ができる人間ならば、この光景を奇跡と呼ぶのだろう。濃密な魔力の本流が渦を巻きながら、一点に向かって落ちてゆく。
『お兄さん、また魔力の注入ヨロ~』
耳ではなく今度は脳内へ直接声が響く。
まぁここまで来たら乗りかかった船なので、新たな精霊の誕生を見届けていこうかな。
なんて思っていたら、精霊様より催促の波動。
はいはい、やりますよー。
端から見たら、なんとも静寂な空間に見えるだろう。清らかな空気に包まれた場所で、男が1人、何も喋ることもなく、ただただ祈りを捧げている。
ただそんな一見凪の状態の中でも、実情はそうではない。
今もなお、濃密な魔力がゆっくりゆっくりと渦巻きながら魔力石へと向かっていき、魔力の濃度を高め続けている。水の魔力をこう表現するのはいささか無粋ではあるが、魔力がまるで地底のマグマのようにグツグツと煮えたぎっているのが、今の状態だ。
もしここでこの魔力が暴れ出して、奔流にでもなれば、ケーラル一帯に尋常ならざる被害が出ることだろう。
精霊とは、意志のある自然現象みたいなものなのだ。その自然現象の一端が、この小さな石の中に、勢いよく流れ込もうとしている。
ここまでくるとマジックユーザーでない普通の人にも、魔力を感じられるくらいだろう。
さて、そろそろ臨界点が近い。
『くるよー』
脳内に気の抜けた声が響いた。
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