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しおりを挟む「こういう木は間引きをする必要がある」
俺は三人にそう告げた。
生命活動を終えた樹をそのままにしておくと、他の木への日当たりを妨げることになり、空気もスムーズに流れることができず、よどんでいく。
根が幹と繋がっている間はそこから大地の養分が流れるのだが、死んだ樹ではそれを受け入れられない。
その養分は無駄になるし、その無駄になった養分はどこにもいくことはできず垂れ流しである。
死んだ樹がそこにあると、他に回る分だった大地のリソースを削り、他の木の成長を妨げることにもなる。
なので、そういう木は早めに取り除く必要があるのだ。
「この傷跡あるでしょう?獣のひっかき傷みたいなやつ」
そういって木の幹につけられたひっかき傷の後を見せる。
「これはね、この辺りの獣がつけた傷でね。これを除くっていうサイン。死んだ樹にしかつけられない傷なんだ」
こうやって自然からあぶれた樹を伐採することで、人間は山と共生しながら、木材を手に入れることができる。
「本来は木こりギルドの仕事なんだけど、本職の木こりの人だとこういう場所までこれる人が少ないから、冒険者にも仕事がまわってくるんだ」
霊地でとれる木材は材質がよく高値で取り引きされている。
なのでそれをきちんと持ち帰るために、木こりギルド主催の講習を受けされられたりする。
後は、木こりの護衛依頼とかもある。
本当に最高級の木材は、やっぱり専門家が伐採からやった方がいいのができるのだ。
まぁそうやって交流を深めとくと、割のいい仕事とかを回してくれたりもするから、持ちつ持たれつというところをある。
「で、今回なんだけど。ここまで説明したけど、残念ながら間引き用の準備はしていません。なので、パスします」
間引きやるには、けっこう準備が必要。
伐採のための準備と運搬用の準備など、最初からこれを目的にしていないと対応は難しい。
実は魔法でゴリ押しできないこともないんだけど、それじゃ彼女たちのためにならないので、今回はスルーということに。
帰ってからギルドに報告して終わり。
一応、これでも子供のお小遣い程度の報酬はもらえる。
「このひっかき傷の上辺りに、ナイフで軽く傷をつける。これが山に入る人間の間で使われているサインね」
このサインは、見つけたけど対処できなかったよ、後はよろしくねって感じのサイン。
このサインがけっこうたまっているようだと、しびれを切らした霊地の幻獣がむりくり木を倒してしまうので、できるだけそうなる前に伐採を済ます必要がある。
幻獣は力加減が下手だから、倒木の余波で周囲に影響を与えるということにもなりかねない。それが解っているから幻獣の方も、基本的に人間に任せているのだ。
「でもまぁせっかくだし、初霊地の記念に小さい枝を少しだけいただいていこうか」
「いいんですか?」
「別に自然は厳しいだけじゃないからね」
それぐらいは自然も許してくれるだろう。
その証拠に3人の為に折った小枝には、たっぷりの新鮮な霊力が蓄えられていた。
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