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「あっ、やっときた~」
「お~い、サイトにーちゃん」
「――ブンブン(手を振る」
停車場まで来ると、そこには思わぬ待ち人たちがいた。
「チカちゃん、ミツオくん、マチちゃん」
奥ケーラルの子どもの年長3人組だ。
「どーしたの? 学校の時間じゃないの?」
「先生にね。お世話になったお客さんが今日帰る日だから、おみおくりしたいっていったら、いってきていいって」
「クッキーももらったしな」
「……一緒に遊んだし」
なんと学校の先生が、許可してくれたらしい。
思わぬサプライズに嬉しくなる。
「先生がね。であいとわかれは大事なことだから。だからちゃんとおくりだしてきなさいって」
「そっか」
俺みたいに自由に街と街を行き来する人間にはあまり解らないが、本来この世界での街間の移動というのは、前の世界ほど安全が確立されてなく、大きな危険が伴う。
なので市井に生きる人のほとんどが、生まれた街で生きて死んでいくものだ。
知っている人間の旅立ちというのは、ものすごく大きな出来事だし、もしかしたらというまでもなく、それが今生の別れとなることも珍しくない。
だからこそ、「出会い」と「別れ」を大切にするというのが、この世界の共通的な価値観となっている。
「ありがとうね、みんな」
「いいってことよ!」
本町までの連絡馬車の出発まではまだ少しある。
俺たちはベンチに座り、話していた。
「私たちからサイトさんにプレゼントがあるの」
「……ミツオ」
「おうっ!」
ミツオが背に何かを隠しながら、俺の前に立つ。
「はいっ、にーちゃん。これやるよ!」
そういってミツオが差し出してきたのは、少し歪な形の木札。
「……これは?」
「秘密基地への通行手形だよ。私たちが作ったの」
札の表面には、絵筆で書いたのか、ちょっと不揃いな字で「つうこうてがた」と書かれ、脇には花とか鳥の絵が描かれている。
「にーちゃんはもう、俺たちの仲間だからな」
「またいつでも遊びに来てね」
「……まってる」
純粋な子ども達からのプレゼントが胸を温かくなる。
「ありがとう。大切にするよ」
■
「「「ばいば~い」」」
手を振る3人の声に押されるように、馬車が発進する。
俺も3人に見えるように、窓から顔を出して手を振りかえしたが、3人の姿はあっという間に小さくなり、見えなくなった。
それから車内でようやく腰を着けると、他の乗客に騒がせたことをわびた。
「かわいい子たちでしたわね」
この様子を見ていた品のいいお婆さんが、そう話しかけてきた。
「ええ。少し相手をしただけなのですが、わざわざ見送りまで来てくれて」
「それはまぁ、よかったわね」
「ええ、いいお土産を貰いました」
俺は手の中にある歪な木札に再び目を落とす。
今度会うときは、色んな地域のお菓子を持ってこよう。
きっとみんなも喜ぶだろう。
「お~い、サイトにーちゃん」
「――ブンブン(手を振る」
停車場まで来ると、そこには思わぬ待ち人たちがいた。
「チカちゃん、ミツオくん、マチちゃん」
奥ケーラルの子どもの年長3人組だ。
「どーしたの? 学校の時間じゃないの?」
「先生にね。お世話になったお客さんが今日帰る日だから、おみおくりしたいっていったら、いってきていいって」
「クッキーももらったしな」
「……一緒に遊んだし」
なんと学校の先生が、許可してくれたらしい。
思わぬサプライズに嬉しくなる。
「先生がね。であいとわかれは大事なことだから。だからちゃんとおくりだしてきなさいって」
「そっか」
俺みたいに自由に街と街を行き来する人間にはあまり解らないが、本来この世界での街間の移動というのは、前の世界ほど安全が確立されてなく、大きな危険が伴う。
なので市井に生きる人のほとんどが、生まれた街で生きて死んでいくものだ。
知っている人間の旅立ちというのは、ものすごく大きな出来事だし、もしかしたらというまでもなく、それが今生の別れとなることも珍しくない。
だからこそ、「出会い」と「別れ」を大切にするというのが、この世界の共通的な価値観となっている。
「ありがとうね、みんな」
「いいってことよ!」
本町までの連絡馬車の出発まではまだ少しある。
俺たちはベンチに座り、話していた。
「私たちからサイトさんにプレゼントがあるの」
「……ミツオ」
「おうっ!」
ミツオが背に何かを隠しながら、俺の前に立つ。
「はいっ、にーちゃん。これやるよ!」
そういってミツオが差し出してきたのは、少し歪な形の木札。
「……これは?」
「秘密基地への通行手形だよ。私たちが作ったの」
札の表面には、絵筆で書いたのか、ちょっと不揃いな字で「つうこうてがた」と書かれ、脇には花とか鳥の絵が描かれている。
「にーちゃんはもう、俺たちの仲間だからな」
「またいつでも遊びに来てね」
「……まってる」
純粋な子ども達からのプレゼントが胸を温かくなる。
「ありがとう。大切にするよ」
■
「「「ばいば~い」」」
手を振る3人の声に押されるように、馬車が発進する。
俺も3人に見えるように、窓から顔を出して手を振りかえしたが、3人の姿はあっという間に小さくなり、見えなくなった。
それから車内でようやく腰を着けると、他の乗客に騒がせたことをわびた。
「かわいい子たちでしたわね」
この様子を見ていた品のいいお婆さんが、そう話しかけてきた。
「ええ。少し相手をしただけなのですが、わざわざ見送りまで来てくれて」
「それはまぁ、よかったわね」
「ええ、いいお土産を貰いました」
俺は手の中にある歪な木札に再び目を落とす。
今度会うときは、色んな地域のお菓子を持ってこよう。
きっとみんなも喜ぶだろう。
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